アンケートは先月7日から14日にかけて、岩手・宮城・福島の沿岸と原発事故による避難指示が出された地域に住む18歳以上の人を対象に、インターネットで行い、1000人から回答を得ました。
この中で、家族や友人など親しい人を亡くした236人を対象に、亡くなった人を思う時間の変化について尋ねたところ、
▽「変わらない」が49.6%で最も多く
▽「やや減った」が20.8%
▽「減った」が16.1%
▽「増えたり減ったりを繰り返している」が7.6%
▽「増えた」と「やや増えた」が合わせて5.9%
となりました。
また、アンケートでは全員を対象に「震災での経験が人生に必要な経験だと思うことがあるか」を聞きました。
▽「そう思う」・「ややそう思う」と答えた人が合わせて48.6%
▽「どちらでもない」が33.7%
▽「そう思わない」・「あまりそう思わない」が17.7%
でした。
このうち、家族など親しい人を亡くした人で「そう思う」・「ややそう思う」と回答したのは56.4%で、10ポイント近く高くなりました。
回答した人のうち、親戚と友人を亡くしたという岩手県山田町の50代の女性からは「思いもよらない震災で命を亡くした友達の分も前向きに生きなければと思う」といった声が寄せられたほか、父と祖母を亡くしたという岩手県大槌町の50代の男性からは「いくらまちづくりが進んでも、心のケアはまだまだだと思う。今でも海を見たらあの日を思い出す」という声が寄せられました。
防災心理学が専門で兵庫県立大学の木村玲欧教授は「亡くなった人を思う気持ちは時間経過で減るだけではなく、人生のいろいろな節目に増えることもあり、周囲は理解が必要だ。一方で、時間がたつにつれ、被災経験を客観的に見つめ、つらく悲しい経験だが自分が今後生きていく上での糧となり得る経験でもあったと、捉え直す方も増えてきたのではないか」と話しています。