日本新聞: 大阪千日デパートビル火災から50年当時知る人が現場訪れ祈り

大阪おおさか千せん日にちデパートビル火災かさいから50年ねん当時とうじ知しる人ひとが現場げんば訪おとずれ祈いのり

May 13, 2022 12:05

Furigana

118人にんが死亡しぼうし、国内こくないの建物たてもの火災かさいで戦後せんご最悪さいあくの被害ひがいとなった、昭和しょうわ47年ねんの大阪おおさか千せん日にちデパートビル火災かさいから、13日にちで50年ねんです。現場げんばのビルがあった場所ばしょには当時とうじを知しる人ひとが訪おとずれ、祈いのりをささげました。

昭和しょうわ47年ねん5月つき13日にち、大阪おおさかミナミにあった千せん日にちデパートビルで3階かいから火ひが出でて、7階かいの飲食いんしょく店てんにいた客きゃくや従業じゅうぎょう員いんなど118人にんが死亡しぼうしました。

火災かさいがあった場所ばしょは現在げんざい、別べつのビルが建たっていますが、敷地しきち内ないに犠牲ぎせい者しゃを慰霊いれいするための地蔵じぞうが設置せっちされていて、今いまもビルの管理かんり会社かいしゃが毎朝まいあさ、地蔵じぞうの周まわりをきれいに拭ふいて花はなを交換こうかんしています。

13日にちは、当時とうじのビルで電気でんき設備せつび管理かんりの仕事しごとをしていたという85歳さいの男性だんせいが訪おとずれ、地蔵じぞうに手てを合あわせていました。

男性だんせいは「あのときのことを思い出おもいだすと涙なみだが出でそうになります。周まわりの建物たてものも変かわり、火災かさいがあったことは今いまでは忘わすれられてしまっているのではないでしょうか」と話はなしていました。

この火災かさいでは、出火しゅっか場所ばしょにスプリンクラーが設置せっちされていなかったことや、上うえの階かいに火事かじの情報じょうほうがすぐ伝つたわらなかったこと、避難ひなん経路けいろが限かぎられたことなどから、被害ひがいが拡大かくだいしたとされています。

火災かさいをきっかけに数々かずかずの防火ぼうか対策たいさくが進すすめられましたが、原則げんそく6階かい以上いじょうのビルに階段かいだんを2つ以上いじょう設置せっちすることを義務ぎむづけた建築けんちく基準きじゅん法ほうの規制きせい強化きょうかをめぐっては、以前いぜんに建たてられた古ふるいビルに適用てきようされない「既存きそん不ふ適格てきかく」の問題もんだいが今いまも残のこっています。