法隆寺ほうりゅうじがクラウドファンディング “コロナ禍かで拝観はいかん料りょう半減はんげん”

寺てらはこの2年間ねんかん、人件じんけん費ひを抑おさえたり、境内けいだいの樹木じゅもくを手入ていれする回数かいすうを減へらしたり、国宝こくほうや重要じゅうよう文化財ぶんかざいなどに指定していされていない建造けんぞう物ぶつや所蔵しょぞう品ひんの修復しゅうふくをいったん中止ちゅうししたりして支出ししゅつを切り詰きりつめてきました。

新型しんがたコロナの感染かんせんが落ち着おちつき、今後こんご参拝さんぱい者しゃの増加ぞうかが見込みこめるようになりましたが、境内けいだいの整備せいび費用ひようなどを十分じゅうぶんに捻出ねんしゅつすることが難むずかしい状況じょうきょうが続つづいていることから、寺てらは今回こんかい、クラウドファンディングで寄付きふを募つのることを決きめました。

募集ぼしゅう期間きかんは、来月らいげつ29日にちまでで目標もくひょう額がくは2000万まん円えん、寄付きふの額がくに応おうじた返礼へんれい品ひんも用意よういしているということです。

法隆寺ほうりゅうじの古谷ふるや管長かんちょうは「金銭きんせん的てきな面めんで困こまっており、クラウドファンディングで浄財じょうざいをいただき、境内けいだいをきれいにしていきたい。法隆寺ほうりゅうじのためにご寄付きふを賜たまわりたいと願ねがっております」と話はなしています。

法隆寺ほうりゅうじの寺務じむ所しょで行おこなわれた会見かいけんには、古谷ふるや正覚しょうがく管長かんちょうとナンバー2の大野おおの正法しょうぼう執事しつじ長ちょうがそろって出席しゅっせきしました。

会見かいけんで古谷ふるや管長かんちょうは「コロナ禍かで緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが出だされていた時期じきに、一時いちじ、拝観はいかんを止とめるなどしたため参拝さんぱい者しゃが大幅おおはばに減へっている状況じょうきょうが2年間ねんかん続つづいている。この2年間ねんかん、私わたしたちも境内けいだいの植木うえきのせんていを先さき延のばしするなど必死ひっしに経費けいひ節減せつげんの努力どりょくをしてきた」と訴うったえました。

そのうえで「これから参拝さんぱい者しゃを再ふたたび迎むかえるに当あたり、境内けいだいがあまりに汚きたないのも失礼しつれいだと思おもい、境内けいだいの整備せいびに取り組とりくむためにクラウドファンディングに挑戦ちょうせんしたい」と述のべました。

また、大野おおの執事しつじ長ちょうは「拝観はいかん料りょうの値上ねあげも考かんがえたが、参拝さんぱい者しゃに申し訳もうしわけないという思おもいがあり、クラウドファンディングという方法ほうほうを選えらんだ。世界せかい遺産いさんを皆みなさんで守まもっていくと思おもっていただけるならば非常ひじょうにうれしい」と取り組とりくみの趣旨しゅしを説明せつめいしました。

寺てらによりますと、法隆寺ほうりゅうじの境内けいだいの広ひろさは甲子園こうしえん球場きゅうじょうおよそ4.5個こ分ぶんの17万まん8000平方メートルへいほうめ-とるにおよびます。

国宝こくほうや国くにの重要じゅうよう文化財ぶんかざいを含ふくむおよそ150棟むねの建造けんぞう物ぶつがあり、建物たてものにはおよそ6万まん5000点てんの美術びじゅつ工芸こうげい品ひんが保管ほかんされています。

国宝こくほうや重要じゅうよう文化財ぶんかざいの修復しゅうふくにかかる費用ひようには、国くにからの補助ほじょがありますが、広ひろい境内けいだいにある設備せつびの修理しゅうりや樹木じゅもくの手入ていれ、それに国宝こくほうや重要じゅうよう文化財ぶんかざいなどに指定していされていない文化財ぶんかざいの修復しゅうふく費用ひようを含ふくむ維持いじ管理かんり費ひは年間ねんかんおよそ3400万まん円えんに及および、これらの多おおくは拝観はいかん料りょうで賄まかなってきたということです。

新型しんがたコロナの影響えいきょうで参拝さんぱい者しゃが激減げきげんしてからは、樹木じゅもくの手入ていれや草刈くさかりを先さき延のばしするなど境内けいだいの管理かんり費ひを35％削減さくげんしました。

さらに指定していを受うけていない建造けんぞう物ぶつや所蔵しょぞう品ひんの修復しゅうふくをいったんすべて中止ちゅうしすることで、全体ぜんたいの維持いじ管理かんりにかかる費用ひようをおよそ半分はんぶんにまで節減せつげんしてきたということです。

しかし、今いまの状況じょうきょうが続つづけば、世界せかい遺産いさんの法隆寺ほうりゅうじを十分じゅうぶんに守まもっていくことができなくなるおそれがあるとして、クラウドファンディングで寄付きふを募つのることを決きめたということです。