日本新聞: 【随時更新】ロシアウクライナに軍事侵攻（21日の動き）

ロシアによるウクライナに対にたいする軍事ぐんじ侵攻しんこうが続つづいています。

ウクライナの各地かくちでロシア軍ぐんとウクライナ軍ぐんが戦闘せんとうを続つづけていて、大勢たいせいの市民しみんが国外こくがいへ避難ひなんしています。戦闘せんとうの状況じょうきょうや関係かんけい各国かっこくの外交がいこうなど、ウクライナ情勢じょうせいをめぐる21日にち（日本にっぽん時間じかん）の動うごきを随時ずいじ更新こうしんでお伝おつたえします。

（日本にっぽんとウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間じかんの時差じさがあります）

ノーベル平和へいわ賞しょうのメダル約やく140億おく円えんで落札らくさつウクライナ支援しえんに

アメリカのオークション会社かいしゃ、「ヘリテージ・オークションズ」によりますとロシアの独立どくりつ系けい新聞しんぶん「ノーバヤ・ガゼータ」の編集へんしゅう長ちょうドミトリー・ムラートフ氏しが去年きょねん、受賞じゅしょうしたノーベル平和へいわ賞しょうのメダルが20日にち、ニューヨークで競売きょうばいにかけられました。

競売きょうばいの結果けっか、メダルは1億おく350万まんドル、日本にっぽん円えんでおよそ140億おく円えんで落札らくさつされたということです。

ムラートフ氏しはことし3月つき、ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうで避難ひなんを余儀よぎなくされたウクライナの人々ひとびとの支援しえんにあてたいとしてメダルを競売きょうばいにかける考かんがえを明あきらかにしていました。

落札らくさつ者しゃは明あきらかにされていませんが、会社かいしゃによりますと、売上うりあげ金きんの全額ぜんがくがUNICEF＝国連こくれん児童じどう基金ききんの人道じんどう支援しえん活動かつどうに寄付きふされるということです。

ロシアの独立どくりつ系けい新聞しんぶん「ノーバヤ・ガゼータ」は、ウクライナ侵攻しんこうを批判ひはんしていましたが、ロシア当局とうきょくのメディア規制きせいの強化きょうかを受うけ、3月つきに活動かつどうを一時いちじ停止ていししています。

ロシアの攻撃こうげき続つづくウクライナ側がわ“厳きびしい状況じょうきょう”

ロシア国防省こくぼうしょうは20日にち、東部とうぶルハンシク州しゅうとドネツク州しゅうでウクライナ軍ぐんの部隊ぶたいや兵器へいきなどを攻撃こうげきしたほか、南部なんぶオデーサ州しゅうでは飛行場ひこうじょうをミサイルで攻撃こうげきし、無人むじん機きを破壊はかいしたなどと発表はっぴょうしました。

ロシアが完全かんぜん掌握しょうあくを目指めざして攻撃こうげきを続つづけるルハンシク州しゅうセベロドネツクの状況じょうきょうについて、ハイダイ知事ちじは20日にち、SNSに投稿とうこうし、ロシア軍ぐんの攻撃こうげきにより、ウクライナ軍ぐんが支配しはい下かに置おいているのは「アゾト化学かがく工場こうじょう」がある区域くいきに限かぎられているとして、厳きびしい状況じょうきょうを伝つたえています。

またウクライナ軍ぐんの参謀さんぼう本部ほんぶは20日にち、東部とうぶハルキウ州しゅうでも砲撃ほうげきの回数かいすうが増ふえていると指摘してきしています。

こうした中なか、ロシアが8年ねん前まえに一方いっぽう的てきに併合へいごうしたウクライナ南部なんぶクリミアの親しんロシア派は勢力せいりょくは20日にち、黒海こっかいの沖合おきあいにある石油せきゆガス会社かいしゃの採掘さいくつ施設しせつがウクライナ軍ぐんの攻撃こうげきを受うけたと主張しゅちょうしました。

この攻撃こうげきで3人にんがけがをしたほか、7人にんの行方ゆくえがわからなくなっているとしています。

これについてウクライナ側がわから反応はんのうは出でていませんが、ロシア側がわは爆発ばくはつの危険きけんもあったなどと反発はんぱつしていて、今後こんご、報復ほうふくとして一層いっそう攻勢こうせいを強つよめる可能かのう性せいも懸念けねんされます。

ウクライナ副ふく首相しゅしょう “ヘルソン州しゅうの住民じゅうみんはクリミア経由けいゆし避難ひなんを”

ウクライナのベレシチュク副ふく首相しゅしょうは、20日にち、首都しゅとキーウで記者きしゃ会見かいけんしました。

この中なかで副ふく首相しゅしょうは、ロシア軍ぐんが攻勢こうせいを強つよめる東部とうぶルハンシク州しゅうのセベロドネツクにある「アゾト化学かがく工場こうじょう」には今いまも数すう百ひゃく人にんの市民しみんが取り残とりのこされているとしたうえで「地下道ちかどうや地下ちかシェルターがないため、人々ひとびとは非常ひじょうに危険きけんな状況じょうきょうだ」と述のべ、強つよい危機きき感かんを示しめしました。

そのうえで、人道じんどう回廊かいろうの設置せっちを目指めざしたものの、ロシア側がわに橋はしを破壊はかいされ、避難ひなんが難むずかしくなっていると指摘してきし、赤十字せきじゅうじ国際こくさい委員いいん会かいや国連こくれんと協力きょうりょくして、取り残とりのこされた人々ひとびとの意向いこうを尊重そんちょうしながら、避難ひなんの道みちを探さぐる考かんがえを強調きょうちょうしました。

一方いっぽう、ロシア軍ぐんが掌握しょうあくしたとする南部なんぶヘルソン州しゅうについて「欧米おうべいからの兵器へいきの供与きょうよが進すすむことで、ウクライナ軍ぐんが反撃はんげきに出でて、支配しはいされた地域ちいきを解放かいほうする」と述のべ、奪還だっかんに強つよい意欲いよくを示しめしました。

ただ、ロシア軍ぐんがウクライナ軍ぐんの反撃はんげきを防ふせぐため、住民じゅうみんを盾たてにして、避難ひなんを妨さまたげるおそれがあると指摘してきしました。

そのうえで「とりわけ子こどもがいる住民じゅうみんは、機会きかいを見みつけてクリミアを経由けいゆして避難ひなんしてほしい」と述のべ、8年ねん前まえにロシアが一方いっぽう的てきに併合へいごうしたクリミア半島くりみあはんとうにまずは避難ひなんして、戦闘せんとうの巻き添まきぞえにならないよう呼よびかけました。

ヘルソン州しゅう知事ちじ「強制きょうせい的てきにロシアに協力きょうりょくさせられている」

ロシアは8年ねん前まえ、一方いっぽう的てきに併合へいごうしたクリミア半島くりみあはんとうに隣接りんせつする、ウクライナ南部なんぶヘルソン州しゅうについて、3月つき中旬ちゅうじゅんに全域ぜんいきを掌握しょうあくしたと発表はっぴょうしたあと、支配しはいの既成きせい事実じじつ化かを進すすめています。

ロシア側がわが解任かいにんしたとするラフタ知事ちじは20日にち、避難ひなん先さきからオンラインの会見かいけんを開ひらき「状況じょうきょうは深刻しんこくだ。ロシアは戦争せんそうが始はじまってから一いち度ども人道じんどう回廊かいろうを設置せっちしていない。クリミアに向むかうことはできるが、そのほかのウクライナ側がわへの移動いどうは完全かんぜんにブロックされている」と述のべ、人々ひとびとは避難ひなんもできず、医薬品いやくひんなどの不足ふそくも深刻しんこくだと訴うったえました。

そのうえで「人々ひとびとは家いえを突き止つきとめられ、脅おどされ、契約けいやくを強しいられるなどして、強制きょうせい的てきにロシアに協力きょうりょくさせられている」と指摘してきし、支配しはいを強つよめるロシアを強つよく非難ひなんしました。

具体ぐたい的てきには、医師いしや教員きょういんなどが強制きょうせい的てきに働はたらかされたり、雇用こよう契約けいやくを結むすばされたりしているほか、ロシアに批判ひはん的てきな人物じんぶつなどこれまでに600人にん以上いじょうが拘束こうそくされたとしています。

一方いっぽうで、南部なんぶでの戦況せんきょうについては「この2週間しゅうかんのうちに、ウクライナ軍ぐんはヘルソン州しゅうと隣となりのミコライウ州しゅうの境界きょうかいなどで戦術せんじゅつ的てきな成功せいこうをおさめた。反転はんてん攻勢こうせいによってヘルソン州しゅうが解放かいほうされることを確信かくしんしている」と述のべ、ウクライナ軍ぐんの反撃はんげきに強つよい期待きたいを示しめしました。

ロシア軍ぐん支配しはい下かの町まちの住民じゅうみん「ウクライナ側がわに行いけない」

ウクライナ東部とうぶハルキウ州しゅうで、ロシア軍ぐんの支配しはい下かに置おかれている町まちに住すむ男性だんせいが、NHKの電話でんわインタビューに応おうじました。

応おうじたのは州都しゅうとハルキウの南東なんとうの町まち、チカロフスケに住すむ60歳さいの男性だんせいで、いまも周辺しゅうへんでは戦闘せんとうが続つづいているということです。

男性だんせいは「4月つきの中旬ちゅうじゅんから電気でんきが通つうじなくなり、ガスも配管はいかんが破壊はかいされて止とまったままになっている。銀行ぎんこうから現金げんきんを引き出ひきだすこともできず、お金おかねを借かりるには高たかい利子りしを払はらわなければならない」と厳きびしい生活せいかつ状況じょうきょうを明あきらかにしました。

そのうえで「ロシアは通とおりの先さきにある住宅じゅうたくに事務所じむしょを構かまえ、家いえの所有しょゆう者しゃを外そとに連れ出つれだし、目隠めかくしをしてどこかへ連れ去つれさった。彼かれらは町まちの保安ほあんの責任せきにん者しゃを任命にんめいし、人道じんどう支援しえん物資ぶっしを配くばるためだとして、住民じゅうみんのパスポート番号ばんごうや住所じゅうしょなどの個人こじん情報じょうほうを集あつめている」と指摘してきしました。

そして、ロシア軍ぐんの侵攻しんこう後ご、およそ4000人にんの町まちの住民じゅうみんのうち3分ぶんの1ほどが避難ひなんしたものの「いまではロシア側がわにしか向むかうことができず、ウクライナ側がわには行いくことができない。閉鎖へいさされたような状況じょうきょうだ」と述のべ、ロシアの監視かんし下かに置おかれている状況じょうきょうを明あきらかにしました。

ロシア “天然てんねんガス供給きょうきゅう量りょうの大幅おおはば減げんは制裁せいさい影響えいきょう”

ロシア大統領だいとうりょう府ふのペスコフ報道ほうどう官かんは、ロシア最大さいだいの政府せいふ系けいガス会社かいしゃがドイツ向むけのパイプラインを通つうじた天然てんねんガスの供給きょうきゅう量りょうを大幅おおはばに減へらすと発表はっぴょうしたことをめぐり、ロシアに科かされている制裁せいさいによってパイプラインの部品ぶひんがそろわないことなどが影響えいきょうしていると主張しゅちょうしました。

ロシア最大さいだいの政府せいふ系けいガス会社かいしゃガスプロムは、ドイツ向むけの主要しゅようなパイプライン「ノルドストリーム」を通をとおして供給きょうきゅうする天然てんねんガスの量りょうを大幅おおはばに減へらすと発表はっぴょうし、ドイツや、ドイツ経由けいゆでガスの供給きょうきゅうを受うけるフランスなどで警戒けいかい感かんが高たかまっています。

ペスコフ報道ほうどう官かんは20日にちに発表はっぴょうしたコメントで、ロシア側がわはガスを供給きょうきゅうする用意よういはあるものの、ドイツの会社かいしゃが手てがけるパイプラインの修理しゅうりが遅おくれていることや、修理しゅうりに出だしたタービンが制裁せいさいによって返却へんきゃくされないことが影響えいきょうしていると強調きょうちょうしたうえで「これは人為じんい的てきな危機ききで、EU＝ヨーロッパ連合れんごうの手てによって作り出つくりだされたものだ」として、EU側がわがみずから招まねいた事態じたいだという主張しゅちょうを一方いっぽう的てきに展開てんかいしました。

“ウクライナの穀物こくもつ輸出ゆしゅつ妨さまたげはロシアの戦争せんそう犯罪はんざい” EU上級じょうきゅう代表だいひょう

EUは20日にち、ルクセンブルクで外相がいしょう会議かいぎを開ひらき、世界中せかいじゅうで懸念けねんが高たかまっている食料しょくりょう危機ききなどについて意見いけんを交かわしました。

EUの外相がいしょうにあたるボレル上級じょうきゅう代表だいひょうは会議かいぎの前まえ、記者きしゃ団だんに対にたいし「世界せかいの人々ひとびとが飢うえで苦くるしんでいるときに、ウクライナで何なん百ひゃく万まんトンもの小麦こむぎが輸出ゆしゅつを妨さまたげられているのは、信しんじられないことだ。これは真しんの戦争せんそう犯罪はんざいだ」と述のべました。

また、会議かいぎのあとの記者きしゃ会見かいけんでも「ロシアがウクライナの輸出ゆしゅつを妨さまたげている。ロシアだ。われわれではない。ロシアだ」などと、何なん度どもロシアを名指なざしして非難ひなんしました。

ロシアは食料しょくりょう安全あんぜん保障ほしょうが脅おびやかされている責任せきにんは欧米おうべいの制裁せいさいにあるとする主張しゅちょうを繰り返くりかえしていて、アフリカの一部いちぶの国くにからもロシアへの制裁せいさいが穀物こくもつの供給きょうきゅうに悪あく影響えいきょうを与あたえているという声こえが上あがっています。