Báo tiếng Nhật: 円安から一転！“投機筋”はどこに？【経済コラム】

円えん安やすから一転いってん！“投機とうき筋すじ”はどこに？【経済けいざいコラム】

Aug 5, 2022 17:08

Furigana

ジェットコースターのように激はげしく振幅しんぷくを繰り返くりかえす円えん相場そうば。7月つき14日にちに1ドル＝139円えん台だいと24年ねんぶりの円えん安やす水準すいじゅんとなったのもつかの間つかのま、一転いってんして円えんが買かわれる展開てんかいとなり、その後そのごの3週間しゅうかんで9円えん近ちかくも円えん高だかドル安やすが進すすむという異常いじょう事態じたいに。8月つき2日にちには1ドル＝130円えん台だいをつけました。マーケット関係かんけい者しゃからは、「ちょっとしたパニック状態じょうたい」「どちらの方向ほうこうに動うごくのか誰だれもわからない」との嘆なげき節ぶしも。7月つき中旬ちゅうじゅんにかけて加速かそくした円えん安やす相場そうば、そして7月つき下旬げじゅんから8月つき上旬じょうじゅんの相場そうば急変きゅうへんの局面きょくめんで市場しじょうを動うごかしたのは誰だれだったのか、取材しゅざいしました。（経済けいざい部ぶ記者きしゃ篠田しのだ彩あや）

“投機とうき筋すじ”って何者なにもの？

まず、振り返ふりかえるのは7月つき中旬ちゅうじゅんにかけて加速かそくした円えん安やすドル高だかの流ながれ。

いったい誰だれが主導しゅどうしたのか。マーケット関係かんけい者しゃの多おおくが口くちにしたのは「投機とうき筋すじ」の動うごきです。

為替かわせが急激きゅうげきに変動へんどうする際さいによく聞きく「投機とうき筋すじ」ということば。短期たんきの取り引とりひきを繰り返くりかえして利益りえきを得えようとする投資とうし家かというような意味いみですが、この10か月かげつ、マーケットを取材しゅざいしてもどこにそんな投資とうし家かがいるのかわからないままでした。

正体しょうたい不明ふめいの「投機とうき筋すじ」を追い求おいもとめて、まずはその動うごきをつかむデータがないか、為替かわせディーラーなどに聞きいてみました。

プロが参考さんこうにする「IMM通貨つうか先物さきもの」

プロも参考さんこうにしているデータとして紹介しょうかいしてくれたのがCME＝シカゴ・マーカンタイル取引とりひき所しょで取り引とりひきされている「IMM通貨つうか先物さきもの」のポジション（持もち高だか）です。

CFTC＝アメリカ商品しょうひん先物さきもの取引とりひき委員いいん会かいがこの「IMM通貨つうか先物さきもの」について、各かく取引とりひき所しょに「売うりポジション」と「買かいポジション」の公表こうひょうを義務ぎむづけ、集計しゅうけいしたデータを毎週まいしゅう公表こうひょうしています。

このうちの「ノン・コマーシャル」（非ひ商業しょうぎょう）の部門ぶもんがいわゆる投機とうき筋すじのポジションだとされています。

円えんが上昇じょうしょうすると予想よそうする投資とうし家かは「買かい」のポジションを積み上つみあげ、逆ぎゃくに円えんが下落げらくするとみれば、「売うり」のポジションを多おおくします。このように売り買うりかいどちらが多おおいかで投機とうき筋すじの“読よみ”を探さぐることができます。

“投機とうき筋すじ”は一貫いっかんして円えん売うりポジションを積み上つみあげ

「IMM通貨つうか先物さきものポジション」のグラフをみると、ドル円えんの先物さきもの取引とりひきで円えんは去年きょねん3月つき以降いこう、一貫いっかんして売うり越ごし。（「売うりポジション」が「買かいポジション」より多おおい）

そしてアメリカのFRBが0.75％の大幅おおはばな利上りあげに踏み切ふみきったことし6月つき中旬ちゅうじゅん以降いこうは、円えんだけでなく、ユーロ、ポンド、オーストラリアドルのいずれも売うり越ごしとなっています。「投機とうき筋すじ」は、ドルに対にたいする主要しゅよう通貨つうかの「売うり」ポジションを積み上つみあげていたわけです。

これについてマーケット関係かんけい者しゃは、「投機とうき筋すじは、アメリカが当面とうめん、金融きんゆうの引き締ひきしめを続つづけ、これに伴ともなってしばらくはほとんどの通貨つうかに対にたいしてドル高だかが続つづくとみていた」と解説かいせつします。

一転いってんして円えん高だかドル安やす方向ほうこうに

ところが「投機とうき筋すじ」のシナリオに暗雲あんうんが垂たれこめる事態じたいが。

アメリカのFRBが7月つき27日にちまでの会合かいごうで、0.75％の大幅おおはばな利上りあげを決きめましたが、パウエル議長ぎちょうが会見かいけんで、「利上りあげのペースを緩ゆるめることが適切てきせつになる可能かのう性せいがある」と発言はつげん。

市場しじょうでは、急速きゅうそくな利上りあげによって、アメリカ経済けいざいが景気けいき後退こうたいに陥おちいるのではないかという懸念けねんが強つよまりました。

さらに28日にち、アメリカのことし4月つきから6月つきまでのGDP＝国内こくない総そう生産せいさんの伸のび率りつが2期き連続れんぞくのマイナスに。

「テクニカルリセッション」ということばが市場しじょうを駆かけ巡めぐりました。

29日にちの東京とうきょう外国がいこく為替かわせ市場しじょうでは、アメリカ経済けいざいの先行さきゆきへの懸念けねんが一気いっきに強つよまり、円えん相場そうばは3円えん以上いじょう値上ねあがり。

8月つき2日にちには、アメリカのペロシ下院かいん議長ぎちょうが台湾たいわんを訪問ほうもんすると伝つたわったことで、米べい中ちゅう対立たいりつへの警戒けいかい感かんから、円えん相場そうばは1ドル＝130円えん台だいまで大おおきく値上ねあがりしました。

円えんの売うりポジションはどうなったのか

このときに「IMM通貨つうか先物さきもの」の売り買うりかいのポジションがどうなったのか。

このコラム執筆しっぴつ時じには円えん高だかドル安やす方向ほうこうに転てんじたときのポジションのデータがまだ公表こうひょうされていないので、投機とうき筋すじがどう動うごいたのか定さだかなことはわかりません。

結局けっきょく、7月つき下旬げじゅんに為替かわせ市場しじょうの流ながれが変かわった局面きょくめんで誰だれがマーケットを動うごかしたのかは分わからずじまいですが、その直前ちょくぜんまで、投機とうき筋すじの多おおくが円えんを売うりポジションで持もち続つづけていたのは事実じじつで、この投資とうしスタンスが変かわったのかどうかが焦点しょうてんとなります。

三菱みつびしUFJ銀行ぎんこうの平松ひらまつ誠まこと基もとアナリストは、「アメリカの大幅おおはばな利上りあげが続つづくと予想よそうしていた投機とうき筋すじの動うごきが調整ちょうせいされ、円えん高だかドル安やすを加速かそくさせたのではないか。ファンダメンタルズだけでは説明せつめいがつかない」と指摘してきします。

投機とうき筋すじはいまどこで何なにをしているのか。その動うごきを探さぐり、検証けんしょうする取材しゅざいを続つづけたいと思おもいます。

注目ちゅうもく予定よてい

8日にちには日本にっぽんと海外かいがいとの製品せいひんやサービス、資産しさんの取引とりひき状況じょうきょうを示しめす「国際こくさい収支しゅうし」が発表はっぴょうされます。6月つき分ぶんの経常けいじょう収支しゅうしやことしの上半期かみはんき分ぶんが発表はっぴょうされますが、燃料ねんりょう価格かかくの高騰こうとうで貿易ぼうえき収支しゅうしの赤字あかじが続つづく中なか、経常けいじょう収支しゅうしの結果けっかに注目ちゅうもくです。

10日にち、アメリカの消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうが発表はっぴょうされます。前回ぜんかい・6月つき分ぶんは、前まえの年としの同おなじ月つきと比くらべて9.1％の上昇じょうしょうと、およそ40年ねん半はんぶりの高たかい水準すいじゅんとなりました。大幅おおはばな利上りあげが、消費しょうひにどのような影響えいきょうを及およぼしているのか、今後こんごのFRBの利上りあげペースに影響えいきょうを及およぼす指数しすうの1つでもあり、注目ちゅうもくが集あつまっています。