東京とうきょう 調布ちょうふ 住宅じゅうたく街がいの道路どうろ陥没かんぼつから3年ねん 住民じゅうみんの転居てんきょや家屋かおく解体かいたいも…

原因げんいんとされる地下ちかのトンネル工事こうじで緩ゆるんだ地盤じばんの補修ほしゅうが進すすむ一方いっぽう、作業さぎょうに伴ともなって住民じゅうみんの転居てんきょや家屋かおくの解体かいたいも行おこなわれるなど地域ちいきの姿すがたは変かわりました。

補修ほしゅうには2年ねんほどかかる見通みとおしで、高速こうそく道路どうろ会社かいしゃは陥没かんぼつ現場げんば周辺しゅうへんの地下ちかトンネルの工事こうじの再開さいかいは見通みとおせる状況じょうきょうではないとしています。

3年ねん前まえの2020年ねん10月つき18日にち以降いこう、調布ちょうふ市しの住宅じゅうたく街がいで道路どうろの陥没かんぼつや地中ちちゅうに3か所かしょの空洞くうどうが見みつかり、原因げんいんは東日本ひがしにっぽん高速こうそく道路どうろが地下ちか深ふかくで行おこなっていた「東京とうきょう外がいかく環状かんじょう道路どうろ」のトンネル掘削くっさく工事こうじとみられています。

会社かいしゃでは、ことし8月つきからトンネルの真上まうえにあたる幅はば16メートル、長ながさ220メートルの範囲はんいで緩ゆるんだ地盤じばんの補修ほしゅう工事こうじを行おこなっていて、会社かいしゃの説明せつめいによりますと、工事こうじのためにおよそ30軒けんのうち半数はんすう以上いじょうと住宅じゅうたくの買い取かいとりや一時いちじ移転いてんの交渉こうしょうを終おえ、これまでに12軒けんが転居てんきょして建物たてものを解体かいたいしたということです。

地下ちかのトンネル工事こうじをめぐっては、陥没かんぼつが見みつかった地域ちいきを含ふくむ一部いちぶの区間くかんは去年きょねん2月つきに住民じゅうみんからの仮かり処分しょぶんの申し立もうしたてを受うけて東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょが中止ちゅうしを命めいじ、現在げんざいも掘削くっさくは止とまっています。

地盤じばんの補修ほしゅうには2年ねんほどかかると見込みこまれ、会社かいしゃでは中止ちゅうしを命めいじられた区間くかんのトンネル工事こうじへの対応たいおうについては見通みとおせる状況じょうきょうではないとしています。

一方いっぽう、そのほかの区間くかんについては削けずった土どの量りょうを厳きびしく把握はあくするなど、事故じこを踏ふまえた再発さいはつ防止ぼうし策さくをとるとしていて、巨大きょだいな掘削くっさく機き、シールドマシンによる掘削くっさくを再開さいかいしています。

三鷹みたか市しや調布ちょうふ市しでは、近ちかく地上ちじょうの中央ちゅうおう自動車じどうしゃ道どうにトンネルをつなぐための工事こうじが新あらたに始はじまる見通みとおしで、今月こんげつ、住民じゅうみんを対象たいしょうにした説明せつめい会かいが開ひらかれました。

会社かいしゃによりますと、住民じゅうみんからは工事こうじに伴ともなう振動しんどうや騒音そうおんへの不安ふあんの声こえなどが寄よせられ、振動しんどうや騒音そうおんを軽減けいげんさせる工法こうほうを徹底てっていすることや、必要ひつような場合ばあいは一時いちじ的てきな滞在たいざい先さきを提供ていきょうすることなどを説明せつめいしたということです。

これまでの経緯けいい

東京とうきょう 調布ちょうふ市しの住宅じゅうたく街がいで陥没かんぼつが見みつかったのは3年ねん前まえの2020年ねん10月つきです。

その後そのご、地下ちかで空洞くうどうも相次あいついで見みつかりました。

周辺しゅうへんの住宅じゅうたくでは壁かべや基礎きその一部いちぶなどに亀裂きれつが確認かくにんされたほか、市役所しやくしょには陥没かんぼつが起おきる前まえから「家いえが揺ゆれる」などといった住民じゅうみんからの連絡れんらくが相次あいついでいました。

地下ちか深ふかくでトンネル工事こうじを進すすめていた東日本ひがしにっぽん高速こうそく道路どうろは、有識者ゆうしきしゃによる委員いいん会かいを設置せっちして原因げんいんを調査ちょうさし、2021年ねん3月つき、委員いいん会かいはシールドマシンで地下ちかを掘ほり進すすめる際さいに、土どを取り込とりこみすぎた施工しこうミスが原因げんいんとなった可能かのう性せいが高たかいなどとする報告ほうこく書しょをまとめました。

これを受うけて東日本ひがしにっぽん高速こうそく道路どうろなどの事業じぎょう者しゃは2021年ねん12月つきに

▽シールドマシンによる土どの取り込とりこみすぎを防ふせぐため、削けずった土どの量りょうを厳きびしく把握はあくすることや、

▽騒音そうおんや振動しんどうの監視かんしを100メートル間隔かんかくで行おこない、結果けっかを現地げんちで表示ひょうじするなどとする再発さいはつ防止ぼうし策さくをまとめ、2022年ねん2月つきからは陥没かんぼつが起おきた場所ばしょ以外いがいの地域ちいきで掘削くっさく工事こうじを再開さいかいしました。

一方いっぽう、同おなじ月つきにはトンネル工事こうじの中止ちゅうしを求もとめる住民じゅうみんの仮かり処分しょぶんの申し立もうしたてに対にたいし、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょが陥没かんぼつした地域ちいきを含ふくむ一部いちぶ区間くかんの工事こうじの中止ちゅうしを命めいじる決定けっていをしたため、現場げんば周辺しゅうへんでは掘削くっさく工事こうじは行おこなわれていません。

東日本ひがしにっぽん高速こうそく道路どうろは、トンネルの真上まうえ部分ぶぶんについて工事こうじの影響えいきょうで地盤じばんが緩ゆるんだことを認みとめ、対象たいしょうのおよそ30軒けんに仮かり移転いてんや買い取かいとりの交渉こうしょうを進すすめて2023年ねん8月つきからは解体かいたいが完了かんりょうした場所ばしょから地盤じばんの補修ほしゅう工事こうじを進すすめています。

東日本ひがしにっぽん高速こうそく道路どうろでは地盤じばん補修ほしゅうや補償ほしょうへの対応たいおうを優先ゆうせんするため、現時点げんじてんで工事こうじが中止ちゅうしが命めいじられている区間くかんへの対応たいおうを検討けんとうできる状況じょうきょうにないとしています。

東日本ひがしにっぽん高速こうそく道路どうろ「住民じゅうみんの不安ふあん解消かいしょうに努つとめる」

東日本ひがしにっぽん高速こうそく道路どうろは「東京とうきょう外がい環たまき道どうの工事こうじにおける地表ちひょう面めん陥没かんぼつ・空洞くうどう事故じこやトンネル工事こうじ中ちゅうの振動しんどう・騒音そうおんにより、住民じゅうみんの皆みなさまに多大ただいなるご迷惑めいわくとご不安ふあんを与あたえてしまい、心こころよりお詫おわびを申し上もうしあげます。引き続ひきつづき皆みなさまのご意見いけんを伺うかがいながら丁寧ていねいに説明せつめいし、住民じゅうみんの皆みなさまの不安ふあん解消かいしょうに努つとめていくとともに、責任せきにんを持もって工事こうじを実施じっししてまいります」とコメントしています。