目視もくしの気象きしょう観測かんそくや宿直しゅくちょくなど廃止はいし・大幅おおはば削減さくげんを検討けんとう 気象庁きしょうちょう

このうち、目視もくしによる観測かんそくは監視かんしカメラなどで自動じどう化かするほか、「現業げんぎょう室しつ」で宿直しゅくちょくが行おこなっている作業さぎょうは、東京とうきょうや大阪おおさか、福岡ふくおかなど各かく地方ちほうを統括とうかつする「管区かんく気象台きしょうだい」などに集約しゅうやくして行おこなうということです。

この廃止はいしや削減さくげんについて、気象庁きしょうちょうは２に０ぜろ日にちまでに行いった内部ないぶへの周知しゅうちでは、「防災ぼうさい対応たいおうに支障ししょうはない」と説明せつめいしているということです。

気象庁きしょうちょうは職員しょくいんの負担ふたんを減へらすことで、大雨おおあめや地震じしんなどの災害さいがいの際さいに市町村しちょうそんに職員しょくいんを派遣はけんし、避難ひなん勧告かんこくの適切てきせつな発表はっぴょうや救助きゅうじょ活動かつどうの安全あんぜん確保かくほに必要ひつような情報じょうほうの提供ていきょうや助言じょげんを行おこなうなど、支援しえんを強化きょうかすることにしています。

背景はいけいには業務ぎょうむの増加ぞうかも

今回こんかいの地方ちほう気象台きしょうだいの業務ぎょうむの廃止はいしや大幅おおはばな削減さくげんは、３さん年ねん前まえの「関東かんとう・東北とうほく豪雨ごうう」や去年きょねんの「九州きゅうしゅう北部ほくぶ豪雨ごうう」などを受うけて、気象庁きしょうちょうが設置せっちした有識ゆうしき者しゃなどによる検討けんとう会かいが、去年きょねん８月はちがつに取とりまとめた報告ほうこく書しょに基もとづき、進すすめられてきました。

報告ほうこく書しょでは職員しょくいんの数かずが少すくなく、災害さいがい時じに市町村しちょうそんなどへの支援しえんを強化きょうかするため、気象庁きしょうちょうに対にたいし、ふだんから気象台きしょうだいの職員しょくいんが地元じもとの市町村しちょうそんを頻繁ひんぱんに訪問ほうもんするなどして協力きょうりょく関係かんけいを構築こうちくすることや、大雨おおあめが予想よそうされる際さいや実際じっさいに大おおきな災害さいがいが発生はっせいした場合ばあいには、市町村しちょうそんに職員しょくいんを迅速じんそくに派遣はけんし、防災ぼうさい上じょうの助言じょげんを行おこなうなどの対策たいさくを新あらたに進すすめるよう提言ていげんしています。

これを受うけて、気象庁きしょうちょうは気象台きしょうだいのトップが市長しちょうや町長ちょうちょうに直接ちょくせつ電話でんわをかけて危機きき感かんを伝つたえる「ホットライン」の充実じゅうじつや、「ＪＥＴＴ」と呼よばれる専門せんもんの職員しょくいんで作つくる支援しえんチームを来月らいげつ創設そうせつし、大雨おおあめや地震じしんなどで被害ひがいが出でた市町村しちょうそんに派遣はけんするなどの新あらたな取り組とりくみを行おこなうことになりました。

この結果けっか、新あらたな業務ぎょうむが増ふえるとして、これまでの業務ぎょうむの廃止はいしや大幅おおはばな削減さくげんの検討けんとうを進すすめることになったということです。ただ、廃止はいしや削減さくげんの対象たいしょうとなっている業務ぎょうむのうち、「宿直しゅくちょく」については、これまで行いっていた観測かんそくや天気てんき予報よほうの作成さくせいなどの作業さぎょうはやめるものの、夜間やかんや早朝そうちょうに気象台きしょうだいに誰だれもいなくなるのではなく、職員しょくいん１いち人にんは必かならずいるようにするということで、急きゅうに大雨おおあめになったり、地震じしんが起おきたりした場合ばあいには、ほかの職員しょくいんを緊急きんきゅう参集さんしゅうし対応たいおうを行おこなうということです。

また、夜間やかんや早朝そうちょうの自治体じちたいや消防しょうぼう、警察けいさつなど関係かんけい機関きかんからの連絡れんらくには、管区かんく気象台きしょうだいなどが対応たいおうするとしていて、気象庁きしょうちょうは「防災ぼうさい対応たいおうに支障ししょうはない」と説明せつめいしているということです。

しかし、一部いちぶの職員しょくいんからは、夜間やかんなどに急きゅうに災害さいがいが発生はっせいした場合ばあいに適切てきせつに対応たいおうできるのかや、職員しょくいんの人材じんざい育成いくせいへの影響えいきょうを懸念けねんする声こえも出でています。

気象庁きしょうちょうは今後こんご、廃止はいしや削減さくげんする業務ぎょうむの具体ぐたい的てきな内容ないようや導入どうにゅうする時期じきなどについて、さらに検討けんとうを進すすめる予定よていです。