陸上自衛隊の
ヘリコプターが
佐賀県の
住宅に
墜落した
事故で、
陸上自衛隊は
28日、
回転翼を
機体につなぎとめる
部品が
壊れ、
飛行中に
回転翼が
落下したことを
明らかにし、
部品が
壊れた
原因を
特定するため
調査期間を
延長することになりました。ことし
2月、
陸上自衛隊の
ヘリコプターが
佐賀県の
住宅に
墜落して
炎上し、
乗員2人が
死亡、
小学生の
女の子が
足を
打撲した
事故で、
陸上自衛隊は
28日、これまでの
調査の
状況を
発表しました。
それによりますと、回転翼を機体につなぎとめる「メインローターヘッド」という部品の内部にあるボルトが破断し、その結果、4枚ある回転翼のうち1枚が機体から分離して落下しました。
この直後、機体のバランスが崩れて別の回転翼1枚が操縦席付近にぶつかって切り離され、最終的には機体が回転するきりもみ状態になって10数秒後に墜落したということです。
一方、事故機のフライトレコーダーを解析するなどした結果、パイロットの操縦や事故の直前に行われた整備は原因とはみられないとしています。
飛行中に壊れたボルトは、アメリカのメーカーが取り付けを行っているということで、陸上自衛隊は、来月初めまでとなっていた調査期間を延長して、メーカーへの聞き取りも行いながら原因の特定を進めることにしています。
陸上幕僚副長「できるだけ早く原因究明したい」
陸上自衛隊の事故調査委員長を務める高田克樹陸上幕僚副長は、「被害にあわれた皆様や地域住民の方々に対し改めておわび申し上げます」と陳謝したうえで、「ボルトの破断面の調査にかなりの時間がかかり、原因の特定が4か月では間に合わなかった。できるだけ早く原因を究明したい」と述べ、調査を急ぐ考えを示しました。
陸上自衛隊は、事故機と同型のAH64戦闘ヘリコプターについて、原因がわかるまで今後も飛行停止を続けるとしています。