日本大学アメリカンフットボール
部の
選手が
重大な
反則行為をした
問題で、
関東学生アメリカンフットボール
連盟の
臨時の
理事会は、
日大の
内田正人前監督と
井上奨前コーチを
最も重い除名処分としました。
規律委員会の
調査からは
選手を
精神的に
追い込む指導が
日常化していた
など、
特異な
体質が
改めて浮き彫りになりました。
今月6日に
行われた
日大と
関西学院大学の
定期戦で
日大の
選手が
後ろからタックルする
重大な
反則行為をして
全治3週間のケガを
負わせました。
試合を主催した関東学生連盟は29日臨時理事会を開き日大の内田前監督と井上前コーチを「除名」、森琢ヘッドコーチを「資格の剥奪」、反則行為をした選手とチームについては「今年度シーズン終了までの公式試合の出場資格停止」とする処分を決めました。
事実解明にあたった規律委員会の調査によりますと日大アメリカンフットボール部では、一度監督を退いた内田前監督が復帰した去年からチームの雰囲気が変わり、「白いものも内田さんが黒といえば黒なんだ、というコーチもいた。理不尽でも、はいというのが当然のおきてだった」としています。
また「内田前監督は活躍しそうな選手を全員の前で名指しして、『結果を出さなければ干すぞ』と圧力をかけ、ひたすら厳しい条件を課した。選手の間では『はまる』と表現され、当該選手も『はまった』と言える。『はまった』選手の精神的重圧は相当なものだった」として、日大では内田前監督のもと、選手を精神的に追い込む指導が日常化していたと指摘しました。
さらに、反則行為の背景として内田前監督が絶対的な権力を持つ中、「行き過ぎた指導、それをおもんばかったコーチ、何も言えなかったチームがあった」と結論づけていて、日大アメリカンフットボール部の特異な体質が改めて浮き彫りになりました。
規律委員会の委員長を務め調査にあたった森本啓司専務理事は「スポーツの中ではある程度、厳しくするなかで成長するということも事実だが、精神的に最後まで追い込んでしまったことについては、指導者として不向きであるとしか言いようがない」と話しました。