持続じぞく化か給付きゅうふ金きん詐欺さぎ 不正ふせい連鎖れんさの実態じったい

妻つまの明希めいき被告ひこく（33歳さい）と、知り合しりあいを介かいしてつながった中村なかむら紀代子きよこ被告ひこく（57歳さい）も起訴きそされました。

「今こん把握はあくしている中なかでは、申請しんせい者しゃは60代だいまでの幅広はばひろい年齢ねんれい層そうの人ひとたちです。私わたしから見みても『なんでこんな一般いっぱんの人ひとが犯罪はんざいに手てを染そめてしまったんだろう』と、首くびをかしげてしまうところもあります」

まず誘さそわれたのは中村なかむら被告ひこくの友人ゆうじんのA。50代だいで、保険ほけん関係かんけいの仕事しごとをしているといいます。

女性じょせいAの供述きょうじゅつ

「中村なかむらとは30歳さいすぎに知り合しりあい、時々ときどき飲のみに行いく関係かんけいでした。去年きょねん5月つきごろ、中村なかむらに勧すすめられて不正ふせい受給じゅきゅうをしました」

Aは誘さそいに応おうじ、自分じぶんの個人こじん情報じょうほうを中村なかむら被告ひこくに渡わたしました。これを元もとに平川ひらかわ被告ひこくらがうその申請しんせいを行おこない、Aに100万まん円えんが振り込ふりこまれました。このうち40万まん円えんをAが受け取うけとり、残のこりの60万まん円えんを中村なかむら被告ひこくに手渡てわたしたといいます。

Aの幼おさななじみのBも100万まん円えんを不正ふせい受給じゅきゅう。去年きょねんの夏なつごろ、AとBは喫茶店きっさてんで主婦しゅふ仲間なかまのCとDにも不正ふせい受給じゅきゅうを持もちかけました。

女性じょせいCの供述きょうじゅつ

「去年きょねんの夏なつごろ、4人にんでランチをした時ときに不正ふせい受給じゅきゅうを誘さそわれました。『捕つかまらないか』と聞きいたところ、『ちゃんとしているから』と言いわれ、カネに目めがくらみ、大丈夫だいじょうぶだと思おもいました」

女性じょせいEの供述きょうじゅつ

「Cから『不正ふせい受給じゅきゅうでカネが手てに入はいる』と教おしえられ、手続てつづきをしました。『自分じぶんの取り分とりぶんは30万まん円えんで、70万まん円えんは手数料てすうりょうとして渡わたさなければいけない』と言いわれました。ばれないと思おもいました」

「あの奥おくさんがぱくられんの？何なにしたん？陽気ようきなお姉ねえさんとしか知しらんから。明あかるく優やさしい、普通ふつうのお姉ねえさん。もうみんな友達ともだちやもんな。慕したっている人ひともけっこういてる」

一方いっぽうで、行いきつけの喫茶店きっさてんで中村なかむら被告ひこくの主婦しゅふ仲間なかまが、こんな話はなしをしていたと明あかしました。

男性だんせい

「持続じぞく化か給付きゅうふ金きんの話はなしてはって、『（お金おかね）入はいった？』『入はいってへん』って言いってはった」

「中村なかむら被告ひこくと知り合しりあいやわ。みんな知り合しりあい。地元じもとで大おおきいお祭まつりがあるからな」

不正ふせいをしていたのかどうかは分わかりませんが、持続じぞく化か給付きゅうふ金きんの話はなしがさらに広ひろがっていたことはうかがえました。

「『給付きゅうふ金きんをもらわないか』と、メンバーがいろいろな人ひとに声こえをかけていきます。紹介しょうかいすることに対にたいし、『手数料てすうりょう』が発生はっせいします。ねずみ講こうのような形かたちです。『紹介しょうかいした』というだけで、お金おかねが舞い込まいこんでくるのはやはり大おおきいです。紹介しょうかいする側がわも、紹介しょうかいを受うけて不正ふせい受給じゅきゅうする側がわも、どちらも得とくをします。どちらにも一定いっていのお金おかねが入はいるというところが、不正ふせいが広ひろがっていく一ひとつの要因よういんです」

捜査そうさ関係かんけい者しゃ

「国民こくみんの税金ぜいきんなので、公金こうきんをだまし取だましとっていることには変かわりはないのですが、一いち個人こじんからお金おかねを取とっているわけではありません。それが被害ひがいを与あたえているという気持きもちが薄うすい一因いちいんになっていると思おもいます」

主婦しゅふグループから中村なかむら被告ひこくに支払しはらわれた手数料てすうりょう。大だい部分ぶぶんは平川ひらかわ被告ひこくに渡わたったとみられています。

平川ひらかわ被告ひこくの駐車ちゅうしゃ場じょうには、ランボルギーニ、ベントレー、フェラーリ、ポルシェ、4台だいの高級こうきゅう車しゃがありました。

不正ふせい受給じゅきゅうした金きんの多おおくを吸い上すいあげたとみられる平川ひらかわ被告ひこく。警察けいさつの調しらべに「一いち切身きりみに覚おぼえがありません」と否認ひにんしています。