そのうえで「18人のうちの数人が、カショギ氏をサウジアラビアに連れて帰るため総領事館で話した。当初はカショギ氏が総領事館を出たと説明していたが、その後、口論になりカショギ氏が死亡し、その事実を隠蔽しようとしたことがわかった」としています。
この問題に関連して、サウジアラビア政府は情報機関のアシリ副長官など5人を更迭したと伝え、サウジアラビア政府として問題にかかわったことを初めて認めました。
サウジアラビア外務省「深い遺憾の意」
これについてサウジアラビア外務省は20日、ツイッターで声明を発表しました。
声明は英語で出され「初動の捜査によると、カショギ氏の死は総領事館のなかでの議論が適切に進められず、悪い方向にエスカレートしてけんかになった結果起きたものだった。サウジアラビアはこの痛ましい結果に深い遺憾の意を表明するとともに、真実を公にすることを約束する」としています。
トルコ大統領とサウジ国王が電話会談
それぞれ捜査を進めているトルコのエルドアン大統領とサウジアラビアのサルマン国王が19日夜、電話で会談し、トルコのアナトリア通信によりますと、お互いの捜査の現状について意見を交換したということです。
今回の疑惑をめぐっては、サウジアラビアが捜査の結果を踏まえてどのような説明を行うかが最大の焦点となっています。
ホワイトハウス「各国の捜査を注視」
アメリカのホワイトハウスは19日声明を出し、「アメリカ政府は今回の悲劇的な事件について各国の行う捜査を注視し、迅速で透明性のある適切な手続きを求めていく」として、サウジアラビアとともにトルコの捜査結果も見極める姿勢を示しました。
また「カショギ氏の死亡が確認されたと聞き、悲しむとともにカショギ氏の家族や婚約者、友人に哀悼の意をささげる」としています。
殺害報道飛び交い 異例の領事館捜索も
カショギ氏の行方がわからなくなったのは今月2日。
結婚の手続きのためトルコのサウジアラビア総領事館を訪れ、その様子が防犯カメラに収められていました。
しかし総領事館から出る姿は確認されず、行方がわからなくなります。
総領事館内で殺害されたのではないかとの疑惑が出る中、サウジアラビア側は「総領事館を出たあとに行方不明になった」と疑惑を否定。
一方、トルコのメディアなどはカショギ氏が行方不明になった当日、サウジアラビアから15人の男がトルコ入りし、その日のうちに出国したなどとして、関与の疑いを相次いで報じました。
この中にはムハンマド皇太子の警護担当と見られる人物の姿もあり、皇太子の疑惑への関与が指摘されます。
さらには殺害の様子を収めた音声記録があるとも伝えられ、カショギ氏が工作員たちに殴られ、薬品で意識を失ったあと体が切断されたといった報道や、総領事館内で8分間にわたって争ったあと、首を絞められ殺害されたなどといった報道が相次ぎます。
疑惑が深まる中、トルコとサウジアラビアの合同の捜査チームが立ち上がり、外交特権のある総領事館や総領事公邸などに異例の捜査が入ります。
さらにはアメリカのトランプ政権がポンペイオ国務長官をサウジアラビアとトルコに派遣するなど、国際社会から真相の究明を求める声が高まっていました。