このため、8日以降のウラジオストク行きの便に搭乗する予定だったロシア人、合わせて25人が出国できなくなり、羽田空港の第3ターミナルで足止めとなっています。
25人はターミナルのロビーで寝泊まりしていて、これまでのところ体調不良を訴える人などはいないということです。
国土交通省によりますと、国内からは羽田や成田、それに新千歳などからロシア各地への定期便が運航されていますが、これまでにすべて運休となり、再開の見通しはたっていないということです。
ウラジオストクの貿易会社から出張で大阪府を訪れていた39歳の男性は、「ロシアにいる家族も心配して航空会社に問い合わせてくれていますが、対応してもらえません。ここには糖尿病の持病がある仲間もいるので体調が心配です」と話していました。
ほとんどが仕事で訪日した極東の人たち
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ロシア政府は先月27日から国際線の定期便の運航を停止しています。
これを受けてロシア政府は、仕事や観光で国外に滞在しているロシア人を帰国させるため、各国にチャーター機を派遣していて、12日には羽田空港から首都モスクワに向けて運航されたチャーター便で、ロシア人観光客などおよそ180人が帰国しました。
しかし、このチャーター便に乗ることが許可されたのは、モスクワやその周辺に自宅などがある人のみで、座席の数にもかぎりがあることから、東京にあるロシア大使館によりますと、現在もおよそ400人が帰国のめどが立たず、都内周辺のホテルなどに滞在しているということです。
羽田空港のロビーで寝泊まりしているのはロシア極東の人たちで、ほとんどが仕事で日本を訪れ、今月9日にロシアの航空会社が運航する便で、ウラジオストクに帰る予定でしたが、直前に欠航となり、所持金もほとんどないことから、空港にとどまり続けているということです。
現在は日本に住むロシア人が、ボランティアで食料を届けて支援しているということです。
自動車輸入関連の仕事でウラジオストクから訪れ、今月9日から羽田空港に滞在している、マクシム・トゥマノフさん(31)は「泊まっていたホステルが閉鎖され、ホテルも高くて泊まれないので空港にとどまるしかありません。家族も心配しています。早く帰りたいです」と話していました。
トゥマノフさんたちは13日、手書きの請願書をロシア大使館に提出し、早期の帰国を求めていて、大使館では宿泊先の提供や医療面の支援などを進めたいとしています。