新型しんがたコロナで外出がいしゅつ自粛じしゅく ＤＶ被害ひがいの相談そうだん相次あいつぐ

外出がいしゅつ自粛じしゅくによる生活せいかつの変化へんかやストレスによるＤＶの増加ぞうかや深刻しんこく化かが懸念けねんされる中なか、都内とないにあるＤＶの被害ひがい者しゃや加害かがい者しゃの更生こうせいを支援しえんする団体だんたい「エープラス」には、先月せんげつから相談そうだんの電話でんわやメールが相次あいついでいます。

この中なかでは、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで収入しゅうにゅうが減へって配偶はいぐう者しゃと口論こうろんになり、暴力ぼうりょくを振ふるわれたとか、在宅ざいたく勤務きんむで家いえにいる配偶はいぐう者しゃが騒さわぐ子こどもにいらだって家族かぞくに暴力ぼうりょくを振ふるうといった相談そうだんや、「夫おっとにマスクを買かってくるよう命めいじられるが買かえず、どなられる」といった相談そうだんが寄よせられているということです。

また、加害かがい者しゃ側がわからも「新型しんがたコロナウイルスによる収入しゅうにゅう減少げんしょうを補おぎなおうとギャンブルに手てを出だしたら生活せいかつがひっ迫ひっぱくし、妻つまに責せめられ暴力ぼうりょくを振ふるった」といった相談そうだんが寄よせられているということです。

この団体だんたいでは、自宅じたくに加害かがい者しゃがいて電話でんわで相談そうだんしにくいケースもあると考かんがえ、ＬＩＮＥでの相談そうだん受け付うけつけも始はじめたということで、代表だいひょうの吉祥きっしょう眞まこと佐さ緒いとぐちさんは「一いち日にち中ちゅう、家族かぞくが同おなじ空間くうかんにいることでＤＶが増ふえている。不安ふあんやストレスを家族かぞくに向むけるケースが多おおく、生命せいめいの危険きけんを感かんじるような切迫せっぱくした相談そうだんもあった。地域ちいきの窓口まどぐちや民間みんかん団体だんたい、警察けいさつにためらわずに相談そうだんしてほしい」と話はなしていました。

ＤＶ被害ひがい者しゃのＳＯＳえすお-えすは

「エープラス」に寄よせられた被害ひがい者しゃからの相談そうだんです。

「夫おっとからマスクを買かってくるように言いわれましたが、どこにも売うっておらず、マスクを買かえずに帰かえると、どなられて長時間ちょうじかん説教せっきょうされる」とか、「夫おっとが在宅ざいたく勤務きんむでずっと家いえにいて、こき使こきつかわれます。子こどもが騒さわぐと、『俺おれは仕事しごとをしている』とどなり、子こどもに手てをあげました。家いえを出でたほうがよいでしょうか」といった、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいや外出がいしゅつ自粛じしゅく要請ようせいが影響えいきょうしたケースが目立めだっています。

このほか、「ＤＶ家庭かていで過すごす子こどもたちの恐怖きょうふは想像そうぞうを超こえています。どうにかＳＯＳえすお-えすを発信はっしんできたらと思おもいます」とか、「狭せまい部屋へやに親子おやこ３さん人にんで息いきが詰つまる思おもいをしながらなんとか生いきています。キャパオーバーです」といった切迫せっぱくした相談そうだんも寄よせられています。

元もと加害かがい者しゃが語かたるリスクとは

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで外出がいしゅつ自粛じしゅくが続つづき、ＤＶの増加ぞうかが懸念けねんされる中なか、元もと加害かがい者しゃの男性だんせいたちからは「外部がいぶとの交流こうりゅうが減へることでＤＶ行動こうどうに出でやすくなると思おもう」といった声こえが聞きかれました。

「エープラス」では、毎週まいしゅう、ＤＶ加害かがい者しゃの更生こうせいプログラムを開ひらいていて、現在げんざいは感染かんせん防止ぼうしのためビデオ通話つうわで行おこなっています。

《不安ふあん・ストレスでリスク》

プログラムに参加さんかした元もと加害かがい者しゃのＡえいさん（40代だい・男性だんせい）は、「新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで収入しゅうにゅうの不安ふあんなどがあり、不安ふあんに飲み込のみこまれると心こころがささくれるので（自分じぶんも）注意ちゅういするようにしている」と話はなしました。

そのうえで、自分じぶんがＤＶをしていた時期じきを振り返ふりかえり、今回こんかいの外出がいしゅつ自粛じしゅくが加害かがい者しゃの行動こうどうにどのような影響えいきょうを与あたえるか尋たずねると、「（ＤＶ加害かがい者しゃだった頃ころの自分じぶんであれば）間違まちがいなくＤＶがひどくなっていたと思おもう。仕事しごとのイライラのはけ口はけぐちとしてパートナーを使つかっていたので、今いまのように家いえにいるとか出でかけられないとか、仕事しごとがうまくいかないとかのストレスは、間違まちがいなくパートナーにぶつけていたと思おもう」と話はなしていました。

また、元もと加害かがい者しゃのＢび-さん（40代だい・男性だんせい）は「一緒いっしょの時間じかんが増ふえると摩擦まさつも増ふえる。加害かがい者しゃも被害ひがい者しゃも子こどももふだんと違ちがう状況じょうきょうでストレスが徐々じょじょにたまる」と話はなしていました。

《外部がいぶと遮断しゃだんも影響えいきょう》

また、Ａえいさんは「自分じぶんがＤＶをしていた時ときは、他人たにんには分わからないだろうと考かんがえてやっていた。外部がいぶとの交流こうりゅうが減へることでＤＶ行動こうどうに出でやすくなると思おもう」と述のべ、ＤＶが表面ひょうめん化かしにくく、かつ起おきやすい環境かんきょうになっていると話はなしました。

《元もと加害かがい者しゃに聞きく対処たいしょ法ほうは》

そのうえで、ＤＶをしてしまいそうになったときにどう対処たいしょすべきか聞きくと、Ｃし-さん（40代だい・男性だんせい）は「相手あいてにストレスをぶつけてしまいそうな時ときは、相手あいてと離はなれた部屋へやに移動いどうして１いち分間ふんかん、数かずを数かぞえて落ち着おちついたり、自分じぶんの気持きもちを書かいてみることが有効ゆうこうだ。生活せいかつが変かわる中なかで、新あたらしい生活せいかつリズムを決きめて日常にちじょうを取り戻とりもどしていくことも大切たいせつだと思おもう」と話はなしていました。

全国ぜんこく共通きょうつうの相談そうだん窓口まどぐちは２ふたつ

配偶はいぐう者しゃからＤＶ被害ひがいを受うけた場合ばあいに、相談そうだんを受け付うけつける全国ぜんこく共通きょうつうの窓口まどぐちがあります。

相談そうだん窓口まどぐちは２ふたつです。

《電話でんわ相談そうだん窓口まどぐち》

１ひとつは、最寄もよりの「配偶はいぐう者しゃ暴力ぼうりょく相談そうだん支援しえんセンター」に相談そうだんできる全国ぜんこく共通きょうつうの電話でんわ相談そうだん窓口まどぐちです。

電話でんわ番号ばんごうは0570－0－55210で、平日へいじつの午前ごぜん９きゅう時じから午後ごご４よん時じまでは、この番号ばんごうから各地かくちの支援しえんセンターにつながります。

各地かくちのセンターによってはこれ以外いがいにも受け付うけつけている時間じかん帯たいがあり、詳くわしくは内閣ないかく府ふ男女だんじょ共同きょうどう参画さんかく局きょくのホームページでご確認かくにんください。

《ＤＶ相談そうだん＋》

２ふたつめは４月しがつ20日にちに新あらたに設もうけられた「ＤＶ相談そうだん＋」です。

電話でんわでの相談そうだんは全国ぜんこく共通きょうつうで0120ー279ー889です。

当面とうめん、午前ごぜん９きゅう時じから午後ごご９きゅう時じまでですが、今月こんげつ29日にちからは24時間じかん受け付うけつけられます。

メールやＳＮＳでも相談そうだんを受け付うけつけています。

専用せんようのサイトからアクセスできます。

アドレスは、https://soudanplus.jp/です。

来月らいげつ１いち日にちからは、メールなどで英語えいごや中国ちゅうごく語ごなど８はちか国かこく語ご程度ていどの外国がいこく語ごにも対応たいおうできるようになるということです。