医療いりょう機関きかん 約やく半数はんすうでマスク使づかい回まわし 医師いしグループ調査ちょうさ

このうち新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃを受け入うけいれているか、または今後こんご受け入うけいれる可能かのう性せいのある感染かんせん症しょうの指定してい医療いりょう機関きかんなど75の医療いりょう機関きかんの状況じょうきょうを調しらべたところ、診察しんさつなどで広ひろく使つかわれ、通常つうじょうは１いち日にちに何なん回かいも取り替とりかえることもあるサージカルマスクについて、ふだんどおり使つかえると回答かいとうした医療いりょう機関きかんが６ろくだったのに対にたいし、▽１いち日にちに１いち枚まいしか使つかえないが34、▽２に～３さん日にちに１いち枚まいが23、▽４よん日にち以上いじょうという回答かいとうも12に上のぼり、半数はんすう近ちかくの医療いりょう機関きかんで１いち枚まいのマスクを数すう日にちにわたって使つかい回まわしていることが分わかりました。

さらに感染かんせん症しょうの患者かんじゃなどを診察しんさつする際さいに使つかわれるＮえぬ95と呼よばれる高性能こうせいのうマスクは、▽ふだんどおり使つかえている医療いりょう機関きかんが22、▽1日にち１いち枚まいが25、▽2～３さん日にちに１いち枚まいが3、▽4日にち以上いじょうが25でした。

また、サージカルマスクで24の医療いりょう機関きかんが、Ｎえぬ95マスクで20の医療いりょう機関きかんがまもなく枯渇こかつすると回答かいとうしました。

調査ちょうさを行おこなった医師いしなどのグループの代表だいひょうで帝京ていきょう大学だいがくちば総合医療センターそうごういりょうせんた-の萩野はぎの昇のぼる医師いしは「ニューヨークなど、海外かいがいで起おきた医療いりょう崩壊ほうかいの端緒たんしょには医療いりょう従事じゅうじ者しゃにマスクなどの防護ぼうご具ぐが十分じゅうぶんに行き渡いきわたらなくなったことがあったと言いわれ、早急そうきゅうに対応たいおうが必要ひつようだ」と話はなしています。

女性じょせい医師いし「マスクは週しゅうに１いち枚まい 感染かんせんの恐怖きょうふとの戦たたかい」

関西かんさい地方ちほうの医療いりょう機関きかんに勤つとめる女性じょせい医師いしはサージカルマスクが先月せんげつ上旬じょうじゅんから一いち人にんにつき週しゅうに１いち枚まいしか配布はいふされなくなりました。

高こう性能せいのうのＮえぬ95マスクも週しゅうに１いち枚まいとなり、どちらのマスクも同おなじものを１いち週間しゅうかん、使つかい続つづけているということです。

このため、マスクを外はずす際さいは内側うちがわを触さわらないように注意ちゅういし、１いち日にちの仕事しごとを終おえると紙かみでくるんで保管ほかんしています。

今月こんげつに入はいってからは新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんした患者かんじゃの受け入うけいれも始はじまり、マスクが不足ふそくする現状げんじょうに不安ふあんを募つのらせていると言いいます。

女性じょせい医師いしは「１いち週間しゅうかん使つかい続つづけるのはとても不潔ふけつで、形かたちだけマスクをしているという状態じょうたいなので、万が一まんがいち、自分じぶんが感染かんせんして、院内いんない感染かんせんを広ひろげてしまったらどうしようという恐怖きょうふと戦たたかいながら仕事しごとをしています」と話はなしていました。

また、手術しゅじゅつ着ぎや手袋てぶくろなどさまざまな医療いりょう物資ぶっしが世界せかい的てきな需要じゅようの高たかまりを背景はいけいに供給きょうきゅうが滞とどこおり始はじめているということで、女性じょせい医師いしは「まだ感染かんせんした患者かんじゃの診療しんりょうが始はじまったばかりなのに、スタート地点ちてんでこれだけ物資ぶっしが足たりないと、今後こんごどんどん感染かんせんが広ひろがったときに、どれくらいの防護ぼうご具ぐがそろっているのだろうかと、裸はだかで闘たたかわないとダメかもしれないという不安ふあんがあって、気持きもち的てきに追い詰おいつめられています」と話はなしていました。

使用しよう済ずみマスクを回収かいしゅう 再さい利用りよう

医療いりょう機関きかんでのマスク不足ふそくについて、九州きゅうしゅう地方ちほうの大学だいがく病院びょういんに勤つとめる外科げか医いが取材しゅざいに応おうじました。

この病院びょういんは感染かんせん症しょうの指定してい医療いりょう機関きかんではありませんが、地域ちいきの患者かんじゃ数すうの増加ぞうかに伴ともない、２に週間しゅうかんほど前まえから軽症けいしょう患者かんじゃの受け入うけいれが始はじまりました。

それに伴ともない、病院びょういんからサージカルマスクの使用しようを１いち日にちに１いち枚まいまでに制限せいげんされるようになったといいます。

さらに、先週せんしゅうからは院内いんないの手術しゅじゅつ室しつの前まえにマスクを回収かいしゅうする箱はこが設置せっちされ、そこには「欠けつ品ひんになる前まえの備そなえ」として「しっかり洗あらって滅菌めっきんします」などと書かかれていたということです。

これついて医師いしは「通常つうじょうは手術しゅじゅつのたびに変かえているマスクが先週せんしゅうから再さい利用りようするために回収かいしゅうされるようになりました。

手術しゅじゅつは長時間ちょうじかんにおよび、一度いちど消毒しょうどくした手ては顔かおに触ふれられないので、マスクの中なかには鼻水はなみずや汗あせで落おちた化粧けしょうがべったりついてしまいます。

いくら滅菌めっきんされたとしても誰だれが使つかったか分わからないマスクを使つかうのは生理せいり的てきに厳きびしいです」と話はなしています。

この医師いしは新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんした患者かんじゃの診療しんりょうにはまだあたっていませんが、今後こんご、動員どういんされる可能かのう性せいが高たかいということです。

また、院内いんないのどこで感染かんせんした患者かんじゃに接せっするか分わからないため、手術しゅじゅつ以外いがいでもマスクをする必要ひつようがあり、院内いんないでは自分じぶんで手作てづくりしたマスクを使つかっているといいます。

医師いしは「自分じぶんの子こどもはぜんそくがあるため家族かぞくに移うつさないか不安ふあんです。政府せいふがマスクを調達ちょうたつしていると聞きくが、現場げんばには供給きょうきゅうされている実感じっかんがなく、せめて前線ぜんせんで診療しんりょうにあたる際さいには身みを守まもる物資ぶっしが届とどくようにしてほしいです」と訴うったえています。

緊急きんきゅう避難ひなんマスクなどの寄付きふ呼よびかけに反響はんきょうも

調査ちょうさを行おこなった医師いしなどのグループでは、個人こじん宅たくや企業きぎょうに眠ねむる医療いりょう物資ぶっしを掘り起ほりおこし医療いりょう機関きかんに届とどけるプロジェクトを今月こんげつから本格ほんかく的てきに始はじめました。

ＳＮＳを通をつうじてサージカルマスクやＮえぬ95マスクなどの医療いりょう物資ぶっしの寄付きふを呼よびかけたところ、この半月はんつきほどで少すくなくとも200件けんの寄付きふが寄よせられたということです。

プロジェクトでは、医療いりょう機関きかんに対にたいしてマスクのほか、ガウンやゴーグル、グローブなど、医療いりょう従事じゅうじ者しゃの身みを守まもるために必要ひつような資材しざいの在庫ざいこ状況じょうきょうを尋たずねるアンケートも実施じっししていて、寄付きふで集あつまった物資ぶっしを随時ずいじ、必要ひつようとしている医療いりょう機関きかんに届とどけています。

グループの代表だいひょうで帝京ていきょう大学だいがくちば総合医療センターそうごういりょうせんた-の萩野はぎの昇のぼる医師いしは、「新型しんがたインフルエンザ対策たいさくで医療いりょう用ようマスクなどを備蓄びちくしている企業きぎょうもある。寄付きふだけで賄まかなえるわけではなく綱渡つなわたりの状況じょうきょうに変かわりはないが緊急きんきゅう避難ひなん的てきな措置そちとして、最前線さいぜんせんに防護ぼうご具ぐを届とどけるためにそうした物資ぶっしを寄付きふしてほしい」と話はなしていました。

萩野はぎの医師いしは物資ぶっしの寄付きふなどの申し出もうしではメールで連絡れんらくしてほしいと呼よびかけています。

メールアドレスは、covid19maskjp@gmail.comです。