暑さだけでなく、
記録的な
大雨も
相次ぎました。
埼玉県では7月12日、大気の状態が非常に不安定になり1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が降り続きました。
「記録的短時間大雨情報」が9回発表され、このうち鳩山町では夜遅くまでの6時間の雨量が観測史上最も多い360ミリに達し、浸水被害が相次ぎました。
今月上旬から中旬にかけては日本海側に前線が異例とも言える長い期間停滞を続け、東北や北陸、それに新潟県などで記録的な大雨となりました。
8月3日から4日にかけて山形県と新潟県に大雨の特別警報が発表され、このうち新潟県関川村の下関では
▽1時間に149ミリの猛烈な雨が降ったほか、
▽朝までの24時間の雨量が560ミリに達していずれも観測史上最も多くなりました。
さらに、その後も東北北部を中心に長雨となりました。
8月9日から12日までの72時間の雨量は
▼青森県の
▽弘前市の岳で402ミリ、
▽深浦町で386.5ミリと平年の8月1か月分の雨量の2倍を超えたほか、▼秋田県の
▽大館能代空港で312.5ミリに達するなど青森県と秋田県の合わせて25の地点で観測史上最も多くなりました。
猛暑と大雨 共通の要因は「偏西風」
ことし6
月からの
猛暑や
先月から
北日本や
東日本で
相次いだ
記録的な
大雨の
要因について、
気象庁の「
異常気象分析検討会」は
会合を
開いて
分析しました。
検討会が今回の猛暑や大雨の共通の要因としてあげたのが、「ジェット気流」と呼ばれる上空を流れる強い偏西風が大きく蛇行したことです。
偏西風はどう影響(1)記録的な猛暑
検討会の
発表によりますと、6
月下旬から7
月初めにかけての
記録的な
猛暑は、
偏西風が
日本付近で
北に
蛇行し
続けたことが
影響して
発生しました。
さらに▽太平洋高気圧が平年より西に張り出し、日本の広い範囲を覆ったほか▽上空で見られる「チベット高気圧」も日本付近に張り出したことで、いずれもこの時期としては記録的に勢力が強まったということです。
この2つの高気圧の張り出しと偏西風の蛇行に、地球温暖化に伴って気温の上昇傾向が続いていることが影響として加わったことで記録的な猛暑につながったと指摘しています。
検討会の会長を務める東京大学の中村尚教授は「各地で過去の気温を更新していて、かなり極端な現象、異常気象と捉えてもいいかもしれない」と述べました。
偏西風はどう影響(2)北日本などの記録的な大雨
一方、
先月の
中旬に
埼玉県などで
発生した
大雨は、
逆に
偏西風が
日本付近で
南に
蛇行したことで、
上空の
寒気の
影響を
受けやすくなったことが
原因と
考えられるとしています。
さらに、
今月中旬にかけて、
北日本や
北陸で
異例とも
言える長さで
続いた
記録的な
大雨についてです。
北日本付近で再び偏西風が北上した一方、西側にあるロシアの沿海州の上空では偏西風が南下し、南下した付近で上空の気圧の谷が持続したということです。
この偏西風に沿うかたちで北日本付近に前線が長く停滞し、さらに南にある平年より勢力の強い太平洋高気圧のふちを回るように湿った気流がもたらされ続け、大雨となったとしています。
検討会は、地球温暖化に伴う大気中の水蒸気の増加によって大雨の際の降水量が増加した可能性があると指摘しています。
検討会会長「温暖化続くとこれまでにない雨量も」
なぜ、
偏西風は
蛇行したのか。
検討会は、高気圧の勢力が強かったことに加え、中東から南アジア、東南アジアにかけての各地で雲の対流活動が活発になったことなどを要因として説明しています。
その一因には各地の海水温が高いことも影響しているということです。
中村尚教授は「
このまま
温暖化も
続けば、
水蒸気の
量も
当然増える
傾向が
続く。
以前と
比べて、
梅雨の
時期や
秋雨の
時期に
これまでにないような
雨量が
観測されることを
常に念頭に
置いて、
防災・
減災の
対策をとった
方がいいと
思う」と
呼びかけました。
北日本の大雨もたらした気圧配置とは?
比較的雨量が
少ない北日本で
相次いだ
記録的な
大雨。
地球温暖化によって将来、増えると予測されていた大雨の気圧配置と似た条件で発生していたことがわかりました。
今月の北日本の大雨は、太平洋の西に張り出した高気圧をまわる暖かく湿った空気が、日本海の低気圧や前線に流れ込んで発生しました。
こうしたパターンの大雨に以前から注目していたのが、気象学が専門の北海道大学の佐藤友徳准教授の研究グループです。
ことし4
月に
発表した
論文で、
将来、
地球温暖化が
進んだ
場合の
北日本の
大雨の
パターンをシミュレーションした
結果、
顕著に
増えるとされたのが
太平洋側に
勢力の
強い高気圧、
日本海側に
低気圧が
ある今回のような
気圧配置による
大雨だとしていました。
山形県に大雨の特別警報が出された8月3日の天気図を例に見ると、太平洋から九州にかけて高気圧が西に張り出し、北日本の日本海側には前線を伴った低気圧があり、予測されたパターンと類似していたということです。
特に大雨となりやすいのは日本海側の海面水温が高いときとされ、今回も日本海の海面水温が平年より2度程度高くなっていました。
シミュレーションでは、こうした気圧配置による北日本の大雨の頻度は、地球温暖化が進むとさらに増えると予測されています。
年間の大雨の頻度は、世界の平均気温が産業革命前と比べて▽4度上がると4倍に、▽2度でも1.9倍に増える結果となりました。
国連の報告書では、すでに世界の平均気温は1度余り上がっていて、今後対策を取らない最悪のシナリオが進むと、2100年には4度前後上昇するとされています。
佐藤准教授は、
今回の
大雨と
地球温暖化の
直接の
因果関係はさらに
研究が
必要だとしたうえで、「
気候変動はすでに
進行していて
将来起きると
予測している
大雨がすでにおこってもおかしくない
状況に
ある。
北日本は
西日本に
比べて
降水量が
少なく、
雨になれていない
地域も
あるためいっそうの
備えを
進めてほしい」と
話しています。
“温暖化による「異常気象」頻発する時代に”
国立環境研究所の
木本昌秀理事長は、
日本に
猛暑や
大雨をもたらした「
偏西風の
蛇行」が、
世界規模で
極端な
気象現象をもたらしたと
指摘しています。
そのひとつが、先月、ヨーロッパを襲った記録的な猛暑です。
イギリスでは観測史上初めて、最高気温が40度を超え、40.3度を記録。
さらにスペイン南部のコルドバで最高気温が43.6度に達するなど猛暑の影響による死者も相次ぎました。
木本理事長は、この猛暑をもたらした要因も、北日本に記録的な大雨をもたらした「偏西風の蛇行」だと指摘します。
▽北日本で大雨となったとき、日本付近での偏西風の蛇行が前線の北上を妨げる要因となっていましたが、▽ヨーロッパでは、偏西風の蛇行によって高気圧がとどまり、各地に猛暑をもたらしていたといいます。
木本理事長は、「偏西風の蛇行という現象としては同じだが、ヨーロッパでは猛暑をもたらし日本では大雨をもたらしていたということになる」と話しています。
そのうえで、世界各地で地球温暖化を原因とする異常気象が頻発する時代に入りつつあると指摘します。
木本理事長は、「大気には国境が無いので、それぞれの極端気象がお互いに影響を与え合っていることは間違いない。あらためて今回のような猛暑や大雨が起きやすい状況になったと認識したうえで、自分や大切な人の命を守るための必要な備えを進めてほしい」と呼びかけていました。
今後の天候は
今後の
天候は
どうなるのか。
気象庁が発表した来月中旬にかけての1か月予報によりますと、平均気温は、全国的に暖かい空気が流れ込む影響で平年より高くなり残暑が続く見込みです。
特に、沖縄・奄美では、8月下旬にかけて気温がかなり高くなる傾向だということです。
さらに1
か月の
降水量は、
全国的に
平年並みか
多くなると
予想されています。
▽北日本や東日本と西日本の日本海側では気圧の谷の影響を受けるため、▽東日本と西日本の太平洋側と沖縄・奄美では湿った空気が流れ込むためだということです。
22日も台風9号と10号が発生し、日本には接近しない予想ですが、湿った空気が日本付近に流れ込む見込みです。
大雨への備えは平時から進めるよう心がけてください。
ドクターヘリ 運航会社の整備士不足で休止も 救急搬送に影響
1分1秒を争う救急の現場に影響が出ています。関西地方や東京などの病院を拠点とするドクターヘリが運航会社の整備士不足が原因で、7月から運航が休止し、運航ができない地域では離れた場所でも救急車で向かったり、別の地域のヘリに出動を依頼したりせざるをえない事態が起きています。
N2
출처: NHK
72
Aug 31, 2025 06:08
山形と新潟で線状降水帯発生の恐れ土砂災害など厳重警戒
前線などの影響で、秋田県では記録的な大雨となったほか、この時間は新潟県を中心に発達した雨雲が流れ込み、猛烈な雨が降っているところがあります。山形県と新潟県ではこのあと数時間は線状降水帯が発生し、災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。引き続き土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫に厳重に警戒してください。
N2
출처: NHK
61
Sep 3, 2025 08:09
秋田記録的大雨に東北日本海側土砂災害に厳重警戒を
前線などの影響で秋田県では記録的な大雨となっているところがあり、川が氾濫するなど災害の危険度が急激に上昇しています。秋田県をはじめ、東北の日本海側では平年9月1か月分の雨量を上回る大雨になるおそれがあり、土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫に厳重に警戒してください。
N2
출처: NHK
55
Sep 2, 2025 11:09
トランプ政権の人員削減方針 災害支援の遅れに懸念も
2005年、アメリカ南部ルイジアナ州などで1800人以上が犠牲になったハリケーン「カトリーナ」から20年となり、被災地の人たちが犠牲者を追悼するとともに、復興への決意を新たにしました。一方、トランプ政権はFEMA=連邦緊急事態管理庁を効率化するとして人員の削減などを進める方針ですが、災害支援の遅れにつながりかねないと懸念の声もあがっています。
N2
출처: NHK
1
Aug 31, 2025 11:08
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