いた”もやむなし えんやす加速かそくさせた8ふん50びょう経済けいざいコラム】

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Sep 4, 2022 00:09
Furigana
Japanese newspaper
えんやす加速かそくしています。1にちのニューヨーク外国がいこく為替かわせ市場しじょうで、えん相場そうばは、24ねんぶりの記録きろくてきえんやす水準すいじゅんなる1ドル=140えんだいまで値下ねさがりしました。このきっかけとなったのが、8つき26にちのFRB・パウエル議長ぎちょう講演こうえんです。景気けいきへの配慮はいりょか、それともインフレ退治たいじか、FRBがどちら重視じゅうしするのか注目ちゅうもくされましたが、パウエル議長ぎちょうは、あくまでインフレを抑え込おさえこというつよ決意けついしめしました。パウエル講演こうえんの8ふん50びょう市場しじょうどう受け止うけとめたのか検証けんしょうしました。(経済けいざい記者きしゃ 西園にしぞの興起こうき

市場しじょう関係かんけいしゃ10にん全員ぜんいんが「想定そうていどおり」

アメリカ西部せいぶワイオミングしゅうのロッキー山脈さんみゃく一望いちぼうできる高級こうきゅうリゾート「ジャクソンホール」。

現地げんち時間じかんの8つき25にち開幕かいまくしたシンポジウムには、日銀にちぎん黒田くろだ総裁そうさいやFRBのパウエル議長ぎちょうなど主要しゅようこく中央ちゅうおう銀行ぎんこうトップ著名ちょめい経済けいざい学者がくしゃ、エコノミストなどがあつまりました。

もっと注目ちゅうもくあつめたのは、日本にっぽん時間じかんの8つき26にち午後ごご11はじまったパウエル議長ぎちょう講演こうえん

市場しじょうでは、アメリカ景気けいき減速げんそくへの懸念けねんつよまっていたときで、FRBが景気けいき配慮はいりょして金融きんゆう引き締ひきしのペースをゆるめるのではないかという見方みかたていました。

市場しじょう冷や水ひやみずびせたのは、講演こうえんはじまって1ふんはんほどたってからはっしたつぎのことば。

インフレ抑え込おさえこには家計かけい企業きぎょうなんらかのいたをもたらすことになるそれけられないコストだ。ただ物価ぶっか安定あんてい取り戻とりもどことに失敗しっぱいすればもっとおおきないたともなことになる

いたみ」という犠牲ぎせいがあったとしてもインフレおさ優先ゆうせんする。

このつよメッセージに株式かぶしき市場しじょうおおきく反応はんのう

金融きんゆう引き締ひきし長期ちょうきかん継続けいぞくし、景気けいき冷え込ひえこことへの警戒けいかいかんひろがり、ダウ平均へいきん株価かぶかは1000ドル以上いじょう急落きゅうらくとなりました。

これ市場しじょうにとってどれほどの“サプライズ”だったのか。

日本にっぽんのエコノミストやアナリストなど市場しじょう関係かんけいしゃ10にんいたところ、インフレ抑制よくせい優先ゆうせんしたことについては、意外いがいなことに10にん全員ぜんいんが「想定そうていどおりでサプライズはなかった」との回答かいとうでした。

ただそうじていえば2てん、“意外いがいかん”をもってけとめられたところがありました。

なぜ「8ふん50びょう」だったのか

1つは、講演こうえん時間じかんです。

事前じぜん公表こうひょうされていた、シンポジウムのアジェンダでは、パウエル議長ぎちょう講演こうえん時間じかんは30分間ふんかんとされていました。

しかし予想よそうがいの8ふん50びょう終了しゅうりょう

ジャクソンホール会議かいぎでのFRB議長ぎちょうスピーチ原稿げんこうかみにすると、2012ねん以降いこうおおときは19まい表紙ひょうし図表ずひょう参照さんしょうらんのぞ)、すくないときでも9まいとなっていますが、今回こんかいはわずか5まいでした。

わたしそうでしたが、「これわり?」とおどろいたほうおおおもいます。

パウエル議長ぎちょう講演こうえん冒頭ぼうとう、「わたし発言はつげんはよりみじかく、焦点しょうてんしぼって直接ちょくせつてきなメッセージになる」と発言はつげんしていました。

市場しじょう関係かんけいしゃからは、「あえて講演こうえん時間じかんみじかくしてシンプルなメッセージ凝縮ぎょうしゅくすることで市場しじょう臆測おくそくような状況じょうきょうをつくらせないようにしたのではないか」という指摘してきもあがっていました。

FRBの失敗しっぱい歴史れきし教訓きょうくん

もう1つは、FRBがインフレ制御せいぎょできなかった歴史れきし事例じれいをあげたことです。

パウエル議長ぎちょう例示れいじしたのは1970年代ねんだい金融きんゆう政策せいさく

だい4中東ちゅうとう戦争せんそうはじはっしたオイルショックで原油げんゆ価格かかく高騰こうとうし、アメリカではインフレ急激きゅうげきすすんでいました。

当時とうじ、FRBをひきいていたアーサー・バーンズ議長ぎちょうをこまねいていたわけではなく、1972ねん2つきに3.5%だった政策せいさく金利きんりを、1974ねんの5つきにかけて、13%まで引き上ひきあげました。

ところがインフレつづなか、FRBは景気けいきへの配慮はいりょからこのとしの7つき一転いってんして金融きんゆう緩和かんわへと政策せいさくスタンスを変更へんこう

この結果けっか、1974ねん12つき物価ぶっか上昇じょうしょうりつが12.3%まで急上昇きゅうじょうしょうする事態じたいとなり、その後そのごアメリカインフレ景気けいき後退こうたい同時どうじきるスタグフレーションにくるしむことになります。

これについてパウエル議長ぎちょうは、つぎのように指摘してきしました。

「1970年代ねんだいインフレりつ上昇じょうしょうともなってインフレりつたかという期待きたい家計かけい企業きぎょうでの経済けいざいてき意思いし決定けってい定着ていちゃくしてしまった」

将来しょうらいインフレがこうまりするという見方みかた定着ていちゃくすると、さらに物価ぶっかがるというあく循環じゅんかんおちい

パウエル議長ぎちょうはこうした歴史れきし教訓きょうくん引き合ひきあし、1980年代ねんだい初頭しょとうインフレ抑制よくせいは、それ以前いぜんの15年間ねんかん、インフレをおさえるこころ失敗しっぱいしたあとに成し遂なしとげられたものだと指摘してきしました。

そして当時とうじ大胆だいたん引き締ひきしさく断行だんこうしてインフレ抑え込おさえこみに成功せいこうしたポール・ボルカーFRB議長ぎちょうのことばを引用いんようします。

インフレはみずからをえさにしている。このためより安定あんていした、より生産せいさんてき経済けいざいもどための仕事しごととしては、インフレ期待きたい支配しはいされている状態じょうたい打ち破うちやぶことでなければならない」

なぜ失敗しっぱいしたのか

いまから40ねん以上いじょうまえ金融きんゆう政策せいさくからひもといた歴史れきし教訓きょうくん

しかしなぜ当時とうじアメリカインフレおさまらないなかで引き締ひきしから緩和かんわ突然とつぜん政策せいさく転換てんかんしたのか疑問ぎもんのこります。

三菱みつびしUFJモルガン・スタンレー証券しょうけん藤戸ふじとのりひろチーフ投資とうしストラテジストは、この理由りゆうさぐうえでは、バーンズ議長ぎちょうほかに、もうひとりの登場とうじょう人物じんぶつ存在そんざい重要じゅうようだと説明せつめいします。

それが、当時とうじのリチャード・ニクソン大統領だいとうりょう在任ざいにん1969ねん1つき~1974ねん8つき)です。

民主党みんしゅとう本部ほんぶ盗聴とうちょう未遂みすい事件じけんへの関与かんよ取り沙汰とりざたされた「ウォーターゲート事件じけん」で辞任じにん追い込おいこまれた、あのニクソン大統領だいとうりょうです。

ニクソン大統領だいとうりょうは、景気けいき後退こうたいすると選挙せんきょ不利ふりだという意識いしきつよく、バーンズ議長ぎちょうに対にたいして金融きんゆう緩和かんわつよもとめたといいます。

この結果けっかインフレすすなかでの突然とつぜん利下りさという事態じたいになったということです。

藤戸ふじとは、パウエル議長ぎちょうむねうちには、この一連いちれんのバーンズ議長ぎちょう対応たいおうのまずさが意識いしきされていたのではないかと指摘してきします。

三菱みつびしUFJモルガン・スタンレー証券しょうけん 藤戸ふじとのりひろチーフ投資とうしストラテジスト

「パウエル議長ぎちょうは、去年きょねんのジャクソンホール会議かいぎで、『物価ぶっか上昇じょうしょううご一時いちじてきなのものにとどまる可能かのうせいたか』と楽観らっかんてき発言はつげんをしており、金融きんゆう政策せいさくでの対応たいおうおく批判ひはんされていた。このままインフレ退治たいじできなければ、パウエル議長ぎちょう歴史れきし審判しんぱんけることになってしまう。だからこそパウエル議長ぎちょうはジャクソンホールみじか講演こうえんなかで、『わたしはバーンズじゃない!』ということをいたかったのではないか」

パウエル発言はつげんの「いた」が意味いみするものとは

インフレ抑え込おさえこには家計かけい企業きぎょうへのいたみもけられないとべたパウエル議長ぎちょう

それでは1980年代ねんだいインフレおさの「いた」とはなにだったのか。

ボルカー議長ぎちょうインフレとのたたかで1979ねんに6%程度ていどだった失業しつぎょうりつは10%をえ、アメリカは2かい景気けいき後退こうたい局面きょくめんおちいという多大ただい犠牲ぎせいはらいました。

やり遂やりとげるまでやりつづけなければならない」とったパウエル議長ぎちょうのもとでアメリカどのような試練しれん直面ちょくめんし、これ乗り切のりきことができるのか。

そしてえんやすドルだかながどう影響えいきょうおよぼし、世界せかい経済けいざいどのようなかたち巻き込まきこんでいくのか、わたしたちも歴史れきし教訓きょうくんをふまえ、日本にっぽん針路しんろつめていかねばならないとおもいます。

5にち以降いこう注目ちゅうもくされるうごです。5にちにはイギリスでジョンソン首相しゅしょう後任こうにんなる与党よとう保守党ほしゅとうしん党首とうしゅ発表はっぴょうされます。

またおも産油さんゆこくでつくるOPECプラス協議きょうぎおこなわれ、原油げんゆ生産せいさんりょうらす減産げんさん」に踏み切ふみきどうかが焦点しょうてんです。

またヨーロッパ中央ちゅうおう銀行ぎんこう理事りじかいひらき、政策せいさく金利きんり発表はっぴょうします。大幅おおはば利上りあ踏み切ふみきという観測かんそくており、発表はっぴょうのラガルド総裁そうさい会見かいけん市場しじょう注目ちゅうもくしています。

また、8にちのFRB・パウエル議長ぎちょう発言はつげんにも注目ちゅうもくです。

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うみまちったふしぎなおとこ
N4 Source: Tổng hợp 611 Sep 1, 2025 07:09
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火災かさい保険ほけん 地震じしん保険ほけんもあわせた契約けいやく割合わりあい 昨年度さくねんど はつ70ななじゅっパーセントちょう

昨年度さくねんど火災かさい保険ほけん契約けいやく件数けんすうのうち地震じしん保険ほけん契約けいやくしている割合わりあいはじめて70%をえました。損害そんがい保険ほけん業界ぎょうかい団体だんたい各地かくちおおきな地震じしん相次あいつなか、リスクにそなえようという意識いしきひろがっているとみています。
N2 Source: NHK 49 Sep 1, 2025 06:09
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クマクマ被害ひがい市町村しちょうそん判断はんだん特例とくれいてき市街しがいなどでの猟銃りょうじゅう使用しよう可能かのう

クマの市街しがいへの出没しゅつぼつひとへの被害ひがい相次あいつなかひと生活せいかつけんでクマなどが出没しゅつぼつしたさい市町村しちょうそん判断はんだん特例とくれいてき市街しがいなどでの猟銃りょうじゅう使用しよう可能かのうとなる改正かいせいほうが1にち施行しこうされました。
N1 Source: NHK 36 Sep 1, 2025 12:09
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自民じみん臨時りんじ総裁そうさいせん 参院さんいんせん総括そうかつ 是非ぜひ手続てつづきへ活発かっぱつ

自民党じみんとうは、参議院さんぎいん選挙せんきょ総括そうかつが2にち正式せいしきにまとまれば、臨時りんじ総裁そうさい選挙せんきょ是非ぜひ手続てつづきにはいることにしています。党内とうないでは、臨時りんじ総裁そうさい選挙せんきょ実施じっし賛成さんせい慎重しんちょう双方そうほう意見いけんていて、今後こんご駆け引かけひきがさらに活発かっぱつになる見通みとおしです。
N1 Source: NHK 17 Sep 1, 2025 06:09
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アフガニスタン東部とうぶM6.0ろくてんぜろ地震じしんこれまでに622ろっぴゃくにじゅうににん死亡しぼう
アフガニスタン東部とうぶ日本にっぽん時間じかんの9つき1にち未明みめい発生はっせいしたマグニチュード6.0の地震じしんについて、現地げんち実権じっけんにぎるイスラム主義しゅぎ勢力せいりょくタリバンの暫定ざんてい政権せいけんはこれまでに622にん死亡しぼうし、1500にん以上いじょうがけがをしたとあきらかにしました。
N2 Source: NHK 3 Sep 1, 2025 17:09