日本新聞: 港にトドの大群が！最盛期のカレイ漁に被害北海道石狩

港みなとにトドの大群たいぐんが！最盛さいせい期きのカレイ漁りょうに被害ひがい北海道ほっかいどう石狩いしかり

Apr 4, 2019 17:04

Furigana

北海道ほっかいどう石狩いしかり市しの港みなとでは、ことし２月にがつから50頭とうを超こえるトドの群むれが現あらわれるようになり、最盛さいせい期きを迎むかえたカレイ漁りょうで網あみに入はいった魚さかなを食い荒くいあらされるなどの被害ひがいが出でています。トドの群むれがいるのは石狩いしかり市しの石狩湾いしかりわん新港しんこうで、４よん日にちは岸壁がんぺきから３さんキロほど離はなれた防波堤ぼうはていで50頭とう余あまりが寝ねそべったり、水みずの中なかへ飛び込とびこんだりしていて、大おおきいものは体長たいちょう３さんメートルほどもあります。

この周辺しゅうへんではカレイ漁りょうが最盛さいせい期きを迎むかえていますが、トドによる漁業ぎょぎょう被害ひがいが深刻しんこくとなっています。

地元じもとの漁業ぎょぎょう者しゃの秋あき雅士まさしさん（53）は４よん日にち朝あさ、漁りょうに出でましたが、トドが網あみを食くいちぎり中なかに入はいって魚さかなを食い荒くいあらすなどして、水揚みずあげ量りょうは例年れいねんの20分ぶんの１いちの20キロだったということです。

秋あきさんは「トドが網あみの中なかに入はいり、まさに『カレイ食たべ放題ほうだい』の状態じょうたいだ。対策たいさくする手立てだてがなく、網あみの購入こうにゅう費ひや補修ほしゅう費ひで200万まん円えんから300万まん円えんの損失そんしつがでている」と話はなしていました。

北海道ほっかいどうで「海うみのギャング」と言いわれるトドは各地かくちで深刻しんこくな漁業ぎょぎょう被害ひがいをもたらしていて、平成へいせい28年度ねんどの漁業ぎょぎょう被害ひがいは11億おく円えん余あまりに上のぼっています。

一方いっぽうで、個体こたい数すうの減少げんしょうから「準じゅん絶滅ぜつめつ危惧きぐ種しゅ」に指定していされているトドは駆除くじょする頭数とうすうに制限せいげんがあり、トドの保護ほごと漁業ぎょぎょう被害ひがいの防止ぼうしの両立りょうりつが課題かだいとなっています。

専門せんもん家か「駆除くじょの影響えいきょうで港みなとに現あらわれる」

石狩いしかり市しの港みなとの防波堤ぼうはていにトドの群むれが現あらわれるようになった背景はいけいについて、トドの生態せいたいに詳くわしい水産すいさん研究けんきゅう・教育きょういく機構きこう北海道ほっかいどう区く水産すいさん研究所けんきゅうじょの服部はっとり薫かおるグループ長ちょうは「これまでも石狩いしかり湾わんにトドは来きていたが、居きょついていた岩礁がんしょうで近年きんねん、駆除くじょが行おこなわれるようになったため、ことしは港みなとの防波堤ぼうはていに上あがるようになったとみられる」と分析ぶんせきしています。