安倍総理大臣は、10
日夜、
東日本大震災の
被災者を
傷つける
発言をした
桜田オリンピック・パラリンピック
担当大臣を
事実上、
更迭し、
後任に
自民党の
鈴木俊一前大臣を
再び起用しました。
態勢の
立て直しを
図りたい
考えで、
信頼の
回復が
急務となっています。
桜田オリンピック・パラリンピック
担当大臣は、10
日夜、
東京都内で、
岩手県出身の
自民党の
高橋比奈子衆議院議員の
パーティーに
出席し、「
復興以上に
大事なのが
高橋さんだ」
などと
述べ、
その後、
発言の
責任をとりたいとして
安倍総理大臣に
辞表を
提出し、
事実上、
更迭されました。
このあと、桜田大臣は「被災者の気持ちを傷つけるような発言をして非常に申し訳ない。責任を感じて辞表を出させてもらった」と述べました。
また、安倍総理大臣は「被災地に寄り添いながら復興に全力を傾けていくのは安倍政権の揺るぎない方針で、総理大臣として発言を深くおわび申し上げたい」と述べ、みずから陳謝しました。
そして、安倍総理大臣は、後任に、自民党の鈴木俊一前オリンピック・パラリンピック担当大臣を再び起用する方針で、来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた準備を円滑に引き継ぐとともに、政府を挙げて被災地の復興に取り組む姿勢を示し、態勢の立て直しを図りたい考えです。
ただ、桜田大臣の辞任は、道路整備をめぐって安倍総理大臣と麻生副総理兼財務大臣の意向を「そんたくした」などと発言し、今月5日に辞任した塚田前国土交通副大臣に続くものです。
安倍総理大臣にとっては、今月21日に投票が行われる衆議院補欠選挙や、夏の参議院選挙への影響を最小限に抑えるために、信頼の回復が急務となっています。
野党 首相の任命責任追及へ
桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣の辞任を受けて、野党側は、「失言などをかばい続けてきた安倍総理大臣の責任が問われる」として安倍総理大臣の任命責任を追及していくことにしています。
一方、与党内では、「国土交通副大臣がそんたく発言で辞任したばかりだ」として、選挙や国会審議への影響を懸念する声が出ています。
立憲民主党の枝野代表は、「辞任は当然だ。これまで幾度となく『問題がある』と指摘されながら、かばい続けてきた安倍総理大臣の責任が問われる」と述べました。
野党側は、安倍総理大臣の任命責任を追及していく方針で、予算委員会の集中審議の開催を求める意見もあるなど、11日、国会対策委員長が会談して、対応を協議することにしています。
一方、自民党の林前文部科学大臣は、「衆議院の補欠選挙に影響なしとはいかないかもしれないが、気を引き締めてやっていくことに尽きる」と述べました。
与党内では、国土交通副大臣が道路整備をめぐって「そんたくした」と発言して辞任したばかりで、今月21日に投票が行われる衆議院の補欠選挙や統一地方選挙、さらに夏の参議院選挙や国会審議に影響が及ぶのではないかと懸念する声が出ています。