日本新聞: 女性宮家の創設保守層中心に慎重論議論見通せず

女性じょせい宮家みやけの創設そうせつ保守ほしゅ層そう中心ちゅうしんに慎重しんちょう論ろん議論ぎろん見通みとおせず

May 2, 2019 04:05

Furigana

皇位こうい継承けいしょうを受うけて、政府せいふは今後こんご、安定あんてい的てきな皇位こうい継承けいしょうの確保かくほや皇族こうぞく数すうの減少げんしょうへの対応たいおうを迫せまられることになりますが、女性じょせい皇族こうぞくが結婚けっこん後ごも皇室こうしつにとどまる女性じょせい宮家みやけの創設そうせつには保守ほしゅ層そうを中心ちゅうしんに根強ねづよい慎重しんちょう論ろんがあり、今後こんご、議論ぎろんがどこまで進すすむかは見通みとおせない状況じょうきょうです。今回こんかいの皇位こうい継承けいしょうにあたり、政府せいふは、天皇てんのうの意思いしに基もとづく譲位じょういと受け取うけとられれば、国政こくせいへの関与かんよを禁きんじた憲法けんぽうに抵触ていしょくするおそれがあるとして、退位たいいと即位そくいの儀式ぎしきを厳格げんかくに分離ぶんりするなど、憲法けんぽうとの整合せいごう性せいに腐心ふしんし慎重しんちょうに準備じゅんびを進すすめてきました。

今後こんご、政府せいふは、天皇てんのう陛下へいかと上皇じょうこうさまが並び立ならびたつ、権威けんいの二に重じゅう性せいの問題もんだいなどが発生はっせいしないよう細心さいしんの注意ちゅういを図はかりながら、一連いちれんの儀式ぎしきを円滑えんかつに行おこなうための準備じゅんびを進すすめることにしています。

一方いっぽう、皇位こういの継承けいしょう資格しかくがある皇族こうぞくは、新あらたに皇嗣こうしとなられた秋篠宮あきしののみやさまなど３さん人にんとなるほか、女性じょせい皇族こうぞくが結婚けっこんで皇室こうしつを離はなれることも予想よそうされることから、政府せいふは今後こんご、安定あんてい的てきな皇位こうい継承けいしょうの確保かくほや皇族こうぞく数すうの減少げんしょうといった課題かだいへの対応たいおうを迫せまられます。

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは１いち日にちの記者きしゃ会見かいけんで、今回こんかいの皇位こうい継承けいしょうを実現じつげんする特例とくれい法ほうを審議しんぎした衆参しゅうさん両院りょういんの委員いいん会かいで、政府せいふに対にたいして、これらの課題かだいへの速すみやかな検討けんとうを求もとめる付帯ふたい決議けつぎが可決かけつされたことから、極きわめて重大じゅうだいな問題もんだいだとして検討けんとうを行おこなっていく考かんがえを示しめしました。

その一方いっぽうで、菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは、女性じょせい皇族こうぞくが結婚けっこん後ごも皇室こうしつにとどまる女性じょせい宮家みやけの創設そうせつなどについては「男系だんけい継承けいしょうが古来こらい、例外れいがいなく維持いじされてきた重おもみなどを踏ふまえ、慎重しんちょうに検討けんとうを行おこなう必要ひつようがある」と述のべました。

女性じょせい宮家みやけの創設そうせつは、これまでも当時とうじの小泉こいずみ政権せいけんと野田のだ政権せいけんで議論ぎろんされましたが、保守ほしゅ層そうを中心ちゅうしんに「女系じょけい天皇てんのうの誕生たんじょうに道みちを開ひらくことにつながり、男系だんけいの皇位こうい継承けいしょうという伝統でんとうが壊こわれかねない」などといった慎重しんちょう論ろんがあるほか、女性じょせい天皇てんのうの容認ようにんは皇位こうい継承けいしょう順位じゅんいに影響えいきょうを与あたえる可能かのう性せいも浮上ふじょうすることから、今後こんご、議論ぎろんがどこまで進すすむかは見通みとおせない状況じょうきょうです。