8日、
保育園児の
列に
車が
突っ込み、
2人が
死亡した
大津市の
事故現場にはAEDが
残されていて、
周囲の
人が
現場に
持ち込んで
救命処置を
行おうとしていたことが
分かります。
事故の
現場や
幼い子どもへのAEDの
使用について
専門家は「
倒れた
人に
反応がなく、
呼吸が
いつもと
違っていたら、
大人でも子どもでも
できるだけ
早く
心臓マッサージを
行い、
積極的にAEDを
使ってほしい」と
話しています。
心停止となった
人の
心臓の
動きを
元に
戻す医療機器AEDに
詳しい京都大学健康科学センターの
石見拓教授によると、AEDは
心臓が「
心室細動」というけいれんを
起こした
状態の
時に
有効で、
出血などが
原因で
心臓が
止まっている
場合は
効果がないことが
多いということです。
しかし、事故の衝撃で心臓が止まったり、心臓発作が原因で事故が起きていたりするケースには有効で、何もしなければ救命の可能性は時間がたつごとに下がることから、「大人でも子どもでも原因にかかわらず、倒れた人の反応がなく呼吸がいつもと違ったら、できるだけ早く心臓マッサージ=胸骨圧迫を行い、AEDを使ってほしい」と話しています。
AEDは音声によって操作方法を指示し、電気ショックが必要かどうかも判断して伝えてくれます。
石見教授は「心停止になった人にAEDを使うことで、けがや病状を悪化させることはない。命を救うために事故の現場でも、積極的にAEDを使ってほしい」と呼びかけています。
子どもへの使い方は?
幼い子どもへのAEDの使い方について、日本AED財団の担当者に聞きました。
日本AED財団によりますと、AEDを乳幼児に使う場合、本体についているスイッチや鍵を使って「小児用モード」に切り替えたり、胸に電気ショックを与えるパッドを子ども用に張り替えたりする必要があります。
ただ、機種によって操作方法が異なっていて、切り替え機能や専用のパッドがない場合は、大人と同様に対応してほしいということです。
そして、AEDを起動させたあとは、音声の説明やイラストに従って2枚のパッドを右胸の上と左の脇腹に貼り付けます。この際、乳幼児の場合は、パッドを胸と背中に貼るケースもあるということです。
一方、AEDとあわせて行う心臓マッサージについては、通常、手のひらを重ね、胸の真ん中を強く圧迫しますが、幼児であれば片手で、乳児であれば指を使うくらいに力を和らげ、胸の厚さの3分の1程度まで沈むような強さで圧迫するのが望ましいということです。
日本AED財団の宮垣雄一さんは「電流の強さやパッドを貼る位置が違うことがあるだけで、大人でも子どもでも基本的にAEDの使い方は同じです。事故がいつ、どこで起きるかわかりません。AEDを1秒でも早く使えば助かる確率は上がるので、ためらわず使ってほしいです」と話していました。