日本新聞: “自殺の原因社長のパワハラ”1億5000万円支払いへ東京地裁

化粧けしょう品ひんメーカーで働はたらいていた新入しんにゅう社員しゃいんの女性じょせいが自殺じさつしたのは社長しゃちょうのパワハラが原因げんいんだと遺族いぞくが訴うったえたのに対たいし、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょは調停ちょうていの結果けっか、会社かいしゃ側がわが責任せきにんを認みとめて謝罪しゃざいし、1億いちおく5000万ごせんまん円えんを支払しはらうとする決定けっていを出だしました。
決定けっていには、社長しゃちょうが辞任じにんするという異例いれいの内容ないようも盛もり込こまれました。

遺族いぞくの弁護士べんごしなどによりますと、東京とうきょう・港みなと区くに本社ほんしゃがある化粧けしょう品ひんメーカー、「ディー・アップ」に2021年にせんにじゅういちねん4月しがつに入社にゅうしゃした里さと実みのるさんは、この年としの12月じゅうにがつ、社長しゃちょうとの面談めんだんで長時間ちょうじかんにわたって「大人おとなをなめるなよ」などと叱責しっせきされ、うつ病びょうと診断しんだんされて休職きゅうしょくしたということです。

その後ご、里さと実みのるさんは自殺じさつを図はかり、意識いしきが戻もどらないままおととし25歳にじゅうごさいで亡なくなり、両親りょうしんは社長しゃちょうのパワハラが原因げんいんだと主張しゅちょうして、会社かいしゃと社長しゃちょうに賠償ばいしょうを求もとめる訴うったえを起おこしました。

裁判さいばんは調停ちょうていの手続てつづきに移行いこうし、9日ここのか、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょの松下まつした絵美えみ裁判官さいばんかんは、会社かいしゃ側がわが社長しゃちょうのパワハラが自殺じさつにつながったことを認みとめて深ふかく謝罪しゃざいし、1億いちおく5000万ごせんまん円えんを支払しはらうとする決定けっていを出だしました。

また、決定けっていには、社長しゃちょうが辞任じにんするという異例いれいの内容ないようが盛もり込こまれ、会社かいしゃによりますと10日とおか付づけで坂井さかい満みつる社長しゃちょうが退任たいにんしました。

決定けっていは双方そうほうが異議いぎ申もうし立たてをせず確定かくていしました。

会見かいけんで里さと実みのるさんの姉あねは「生いきている間あいだに社長しゃちょうに謝あやまってほしかったです。里さと実じつは頑張がんばり屋やさんで、好すきなことに一生いっしょう懸命けんめいでした。頑張がんばっている人ひとを潰つぶすようなことはやめてほしいし、温あたたかく見守みまもる社会しゃかいになってほしいです」と話はなしていました。
「ディー・アップ」坂井さかい社長しゃちょうが退任たいにんしたこと明あきらかに
「ディー・アップ」は会社かいしゃのホームページにコメントを発表はっぴょうし、「亡なくなられた元もと従業じゅうぎょう員いんとご遺族いぞくに対たいして衷心ちゅうしんよりおわび申もうし上あげます」と謝罪しゃざいした上うえで、10日とおか付づけで坂井さかい満みつる社長しゃちょうが退任たいにんしたことを明あきらかにしました。

そして、再発さいはつ防止ぼうしに向むけて▽ハラスメント防止ぼうし規定きていの見直みなおしや、▽管理かんり職しょくや全ぜん社員しゃいん向むけの研修けんしゅうの実施じっし、▽社外しゃがいの相談そうだん・通報つうほう窓口まどぐちの開設かいせつなど必要ひつような措置そちを講こうじるとして、「社内しゃない体制たいせいや職場しょくば環境かんきょうの見直みなおしと改善かいぜんに取とり組くんでまいります」としています。

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