日本新聞: 「砂をかむよう」５割以上が誤った意味で使用文化庁調査

「砂すなをかむよう」５ご割わり以上いじょうが誤あやまった意味いみで使用しよう文化庁ぶんかちょう調査ちょうさ

Oct 29, 2019 18:10

Furigana

人気にんきの歌謡かよう曲きょくにも使つかわれた「砂すなをかむよう」という慣用かんよう句く。本来ほんらいは「無味むみ乾燥かんそうでつまらない様子ようす」という意味いみです。これを「悔くやしくてたまらない様子ようす」と誤あやまった意味いみで使つかう人ひとの割合わりあいが５ご割わり以上いじょうに上のぼることが、文化庁ぶんかちょうの調査ちょうさでわかりました。この調査ちょうさは、文化庁ぶんかちょうが日本語にほんごの使い方つかいかたが、時代じだいとともにどのように変化へんかしているかを把握はあくするため毎年まいとし行おこなっています。

今回こんかいは、全国ぜんこくの16歳さい以上いじょうの男女だんじょ1960人にんが回答かいとうしました。

このうち「砂すなをかむよう」という慣用かんよう句くをどんな意味いみで使つかうかを聞ききました。

この「砂すなをかむよう」という慣用かんよう句くは、歌手かしゅの堀内ほりうち孝雄たかおさんのヒット曲きょく、「竹たけとんぼ」の歌詞かしの中なかで、「砂すなを噛かむようなこんな人ひとの世よに」と使つかわれていました。

また、歌手かしゅの松浦まつうら亜弥あやさんも、「砂すなを噛かむように．．．ＮＡＭＩＤＡ」というタイトルの曲きょくを発表はっぴょうしていました。

皆みなさんは、それぞれどんな意味いみで使つかわれていると思おもいますか？

「砂すなをかむように」という慣用かんよう句くは、本来ほんらい、「無味むみ乾燥かんそうでつまらない様子ようす」という意味いみです。

今回こんかいの調査ちょうさでは、このように正まさしく使つかっている人ひとは32.1％、一方いっぽうで、「悔くやしくてたまらない様子ようす」と誤あやまった意味いみで使つかっている人ひとは56.9％に上のぼりました。

このほか「失望しつぼうしてぼんやりしている様子ようす」を表あらわす『憮然ぶぜん』という慣用かんよう句くを、「腹はらを立たてている様子ようす」と誤あやまった意味いみで使つかっている人ひとは56.7％、「大おおいにありがたい」という意味いみの『御の字おんのじ』を、「一応いちおう、納得なっとくできる」と誤あやまった意味いみで使つかっている人ひとは49.9％に上のぼりました。

日本語にほんご学者がくしゃで杏林きょうりん大学だいがくの金田一きんだいち秀穂ひでほ特とく任にん教授きょうじゅは「ことばの意味いみというのは、時代じだいとともに移うつろうものだ。本来ほんらいの意味いみも学まなびつつ、自分じぶんたちの気持きもちを表現ひょうげんできる新あたらしいことばを作り出つくりだしてほしい」と話はなしていました。