「防災ぼうさいの日ひ」政府せいふの総合そうごう防災ぼうさい訓練くんれん 南海なんかいトラフの巨大きょだい地震じしん想定そうていで

ことしの政府せいふの総合そうごう防災ぼうさい訓練くんれんは、和歌山わかやま県けんの沖合おきあいでマグニチュード9。

年">去年きょねんの能登のと半島はんとう地震じしんを踏ふまえて冬ふゆの夕方ゆうがたに発生はっせいしたことを想定そうていしていて、政府せいふはこのあと、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで訓練くんれんのための「緊急きんきゅう災害さいがい対策たいさく本部ほんぶ」を設置せっちし、対応たいおうの状況じょうきょうを確認かくにんします。

また、甚大じんだいな被害ひがいが出でているという想定そうていで、静岡しずおか県けんのほか、和歌山わかやま県けんと高知こうち県けんの市しや町まちと結むすんでテレビ会議かいぎを行おこない、被害ひがい状況じょうきょうや必要ひつような支援しえんの報告ほうこくを受うけ、対応たいおうを確認かくにんします。

そのあと石破いしば総理そうり大臣だいじんが訓練くんれんのための記者きしゃ会見かいけんを行おこない、政府せいふの対応たいおう状況じょうきょうを説明せつめいし、国民こくみんへの呼よびかけを行おこなうことにしています。

1日ついたちは、関東かんとうの1都いっと3県さんけんと5つの政令せいれい指定してい都市としがさいたま市しで合同ごうどうの防災ぼうさい訓練くんれんを行おこなうなど、全国ぜんこく各地かくちでさまざまな訓練くんれんが行おこなわれる予定よていです。

【訓練くんれん】石破いしば首相しゅしょう会見かいけん 国民こくみんに命いのちを守まもる行動こうどうを呼よびかけ

石破いしば総理そうり大臣だいじんは午前ごぜん9時くじから訓練くんれんのための記者きしゃ会見かいけんを行おこないました。

この中なかで、石破いしば総理そうり大臣だいじんは「強つよい揺ゆれと津波つなみが発生はっせいし、これまでに多数たすうの人的じんてき被害ひがいや建物たてもの倒壊とうかい、火災かさいなど甚大じんだいな被害ひがいが確認かくにんされている」と述のべ、「災害さいがい緊急きんきゅう事態じたい」を布告ふこくするとともに、みずからを本部ほんぶ長ちょうとする「緊急きんきゅう災害さいがい対策たいさく本部ほんぶ」を設置せっちしたと説明せつめいしました。

その上うえで、全国ぜんこくから警察けいさつや消防しょうぼう、自衛隊じえいたいなどを被災ひさい地ちに派遣はけんし、救助きゅうじょ活動かつどうを進すすめるとともに、被災ひさい自治体じちたいと緊密きんみつに連携れんけいし、避難ひなん所しょでの温あたたかい食事しょくじや清潔せいけつなトイレ、段ボールだんぼーるベッドべっどなどの提供ていきょうに取とり組くむ考かんがえを示しめしました。

また、国民こくみんに対たいし、地震じしんや津波つなみに関かんする情報じょうほうに留意りゅういしながら安全あんぜんな場所ばしょに避難ひなんするなど命いのちを守まもる行動こうどうをとるとともに、被害ひがい状況じょうきょうなどについての悪質あくしつな虚偽きょぎの情報じょうほうの流布るふは慎つつしみ、食料しょくりょうなどの買かいだめは控ひかえるよう呼よびかけました。

南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんの想定そうていは

南海なんかいトラフの巨大きょだい地震じしんは、静岡しずおか県けんの駿河するが湾わんから九州きゅうしゅうの日向ひゅうが灘なだ沖おきにかけて海うみ側がわのプレートが陸りく側がわのプレートの下したに沈しずみ込こんでいる南海なんかいトラフ沿ぞいで発生はっせいすると想定そうていされています。

内閣ないかく府ふなどによりますと、南海なんかいトラフ沿ぞいではおおむね100年ひゃくねんから150年ひゃくごじゅうねんの間隔かんかくで大だい規模きぼな地震じしんが繰くり返かえし発生はっせいしていて、政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは、今後こんご30年さんじゅうねん以内いないにマグニチュード8から9の巨大きょだい地震じしんが発生はっせいする確率かくりつは80％はちじゅっぱーせんと程度ていどとしています。

南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんが起おきた場合ばあいの被害ひがい想定そうていは、ことし3月さんがつに見直みなおされました。

マグニチュード9クラスの巨大きょだい地震じしんが起おきた場合ばあい、激はげしい揺ゆれと大津おおつ波なみが広域こういきに及および、

揺ゆれは

▽震度しんど6弱ろくじゃく以上いじょうが神奈川かながわ県けんから鹿児島かごしま県けんにかけての24府県にじゅうよんふけん600市町村ろっぴゃくしちょうそんで

▽震度しんど7が静岡しずおか県けんから宮崎みやざき県けんにかけての10県じゅっけん149市町村ひゃくよんじゅうきゅうしちょうそんで想定そうていされています。

津波つなみは、

▽3メートルさんめーとる以上いじょうが福島ふくしま県けんから沖縄おきなわ県けんにかけての25都府県にじゅうごとふけん

▽10メートルじゅうめーとる以上いじょうが関東かんとうから九州きゅうしゅうにかけての13都県じゅうさんとけんで想定そうていされ

▽高知こうち県けんと静岡しずおか県けんでは局地きょくち的てきに30メートルさんじゅうめーとるを超こえるおそれがあるとされています。

死者ししゃは最悪さいあく、全国ぜんこくで29万にじゅうきゅうまん8000人はっせんにんにのぼり、このうち21万にじゅういちまん5000人ごせんにんは津波つなみで、7万ななまん3000人さんぜんにんは建物たてものの倒壊とうかいで犠牲ぎせいになると推計すいけいされています。

また、235万にひゃくさんじゅうごまん棟むねの建物たてものが激はげしい揺ゆれで全壊ぜんかいしたり火災かさいで焼失しょうしつしたりすると想定そうていされています。

経済けいざいにも大おおきな影響えいきょうを及およぼし、被災ひさいで生産せいさん力りょくが低下ていかした影響えいきょうを含ふくめて、経済けいざい被害ひがいは270兆にひゃくななじゅっちょう円えん余あまりにのぼるとされています。

一方いっぽうで、早はやめの避難ひなんや耐震たいしん化かなどの対策たいさくで被害ひがいは大幅おおはばに減へらすことができるとされています。

全員ぜんいんがすぐに避難ひなんすれば津波つなみの死者ししゃはおよそ7割ななわり減へり、耐震たいしん化か率りつが100％ひゃくぱーせんとになれば、全壊ぜんかいする建物たてものはおよそ7割ななわり減へって、建物たてもの倒壊とうかいによる死者ししゃも8割はちわり近ちかく減へると試算しさんされています。

家具かぐの固定こてい率りつも100％ひゃくぱーせんとになれば、倒たおれてきた家具かぐなどで亡なくなる人ひとはおよそ7割ななわり減へると試算しさんされています。