Báo tiếng Nhật: 講談社元次長懲役11年の2審判決取り消し審理やり直し最高裁

講談社こうだんしゃ元もと次長じちょう懲役ちょうえき11年ねんの2審しん判決はんけつ取り消とりけし審理しんりやり直やりなおし最高裁さいこうさい

Nov 21, 2022 17:11 4

Furigana

講談社こうだんしゃの元もと編集へんしゅう次長じちょうが、6年ねん前まえ、自宅じたくで妻つまの首くびを圧迫あっぱくして殺害さつがいした罪つみに問とわれた裁判さいばんで、最高さいこう裁判所さいばんしょは「審理しんりが十分じゅうぶんに尽つくされていない」と指摘してきして懲役ちょうえき11年ねんとした2審しんの判決はんけつを取り消とりけし、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょで審理しんりをやり直やりなおすよう命めいじました。

講談社こうだんしゃで人気にんきマンガ雑誌ざっしの編集へんしゅう次長じちょうを務つとめていた朴ぼく鐘かね顕あらわ被告ひこく（47）は、6年ねん前まえ、東京とうきょう文京ぶんきょう区くの自宅じたくで当時とうじ38歳さいだった妻つまの首くびを圧迫あっぱくして殺害さつがいしたとして殺人さつじんの罪つみに問とわれました。

争点そうてんは妻つまが殺害さつがいされたのかどうかで、元もと次長じちょう側がわは「自殺じさつだった」と無罪むざいを主張しゅちょうしましたが、2審しんは「妻つまは額がくにけがをしているのに顔かおや手てに、血ちが流ながれたり拭ぬぐったりした痕跡こんせきがない。妻つまがけがを負おったあとにみずから首くびをつったという弁護べんご側がわの主張しゅちょうは不ふ自然しぜんだ」として、1審しんに続つづいて懲役ちょうえき11年ねんの判決はんけつを言い渡いいわたし、元もと次長じちょう側がわが上告じょうこくしていました。

21日にちの判決はんけつで、最高さいこう裁判所さいばんしょ第だい1小しょう法廷ほうていの山口やまぐち厚あつし裁判さいばん長ちょうは「2審しんが自殺じさつを否定ひていする根拠こんきょとした顔かおの血痕けっこんの有無うむは、そもそも争点そうてんとされておらず当事者とうじしゃ双方そうほうからの立証りっしょうもなかった」と指摘してきしました。

そのうえで「顔かおの血ちのあとについて2審しんは十分じゅうぶん検討けんとうせずに認定にんていをした。審理しんりが十分じゅうぶんに尽つくされたとは言いえない」として、2審しんの判決はんけつを取り消とりけし、東京とうきょう高裁こうさいで審理しんりをやり直やりなおすよう命めいじました。

弁護士べんごし「一刻いっこくも早はやく無罪むざい判決はんけつを」

判決はんけつを受うけて元もと次長じちょうの支援しえん者しゃなどが会見かいけんし、支援しえんする会かいの共同きょうどう代表だいひょうの佐野さの大輔だいすけさんは「1審しんも2審しんもこちらの主張しゅちょうが完全かんぜん否定ひていに近ちかい形かたちで有罪ゆうざいとされていたので、まずはほっとしたのが率直そっちょくな感想かんそうだ。事実じじつ認定にんていからやり直やりなおし、今度こんどこそ公正こうせいな判断はんだん、判決はんけつが出でることを期待きたいしている」と話はなしていました。

また、山本やまもと衛まもる弁護士べんごしは「最高裁さいこうさいに無罪むざいと判断はんだんしてほしかったがそこにいたらなかったのは残念ざんねんだ。『疑うたがわしきは無罪むざいに』という原則げんそくに従にしたがって一刻いっこくも早はやく無罪むざい判決はんけつを出だしてほしい」と述のべました。

一方いっぽう、最高さいこう検察庁けんさつちょうの吉田よしだ誠治せいじ公判こうはん部長ぶちょうは「判決はんけつ内容ないようをよく検討けんとうし、やり直やりなおしの審理しんりでの的確てきかくな主張しゅちょう・立証りっしょうに備そなえたい」とするコメントを出だしました。

裁判さいばんの争点そうてんと検察けんさつ弁護べんご側がわ双方そうほうの主張しゅちょう

4人にんの育児いくじに励はげんでいた妻つまの死し。

裁判さいばんでは、妻つまは夫おっとに殺害さつがいされたのか、それとも育児いくじのストレスによる自殺じさつだったのかが3年ねん半はん以上いじょうにわたって争あらそわれてきました。

2019年ねん2月つきの初はつ公判こうはんで、元もと編集へんしゅう次長じちょうは「私わたしは妻つまを殺ころしていません」と述のべ、弁護士べんごしも「妻つまは4人にんの子こどもの育児いくじに追おわれてストレスを抱かかえており、みずから自宅じたくの階段かいだんで首くびをつって死亡しぼうした」と無罪むざいを主張しゅちょうしました。

一方いっぽう、検察けんさつはマットレスやカバーに妻つまの唾液だえきのあとが残のこされているといった現場げんばの状況じょうきょうなどから、元もと次長じちょうが寝室しんしつで妻つまの首くびを絞しめて窒息ちっそくさせたうえで、階段かいだんから転落てんらくさせたと主張しゅちょうしました。

1審しんの東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょは「現場げんばの状況じょうきょうなどから、マットレスの上うえでうつ伏うつぶせの状態じょうたいで首くびを圧迫あっぱくしたと推定すいていできる」と認みとめました。

さらに、妻つまの額がくに長ながさ3センチほどの深ふかい切り傷きりきずがあったことから、「多量たりょうの出血しゅっけつが想定そうていされる状態じょうたいでみずから階段かいだんに向むかったにしては周囲しゅういに残のこされた血痕けっこんが少すくない。自殺じさつだとしたら不ふ自然しぜんだ」と述のべ、元もと次長じちょうが殺害さつがいしたのは間違まちがいないとして懲役ちょうえき11年ねんを言い渡いいわたしました。

2審しんの東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょは、1審しんの判決はんけつについて「額がくの傷きずの出血しゅっけつ量りょうなどを十分じゅうぶん検討けんとうしないまま、残のこされた血痕けっこんが少すくないと判断はんだんしたのは不ふ合理ごうりだ」として自殺じさつを否定ひていする根拠こんきょとしては不十分ふじゅうぶんだと指摘してきしました。

一方いっぽうで、「額がくから血ちが流ながれていれば、手てをあてて確認かくにんしたり布ぬのなどで拭ぬぐったりするはずだが顔かおや手てにこうした痕跡こんせきがない。自殺じさつのストーリーは客観きゃっかん的てきな証拠しょうこと矛盾むじゅんする」として、1審しんに続つづいて有罪ゆうざいと判断はんだんしました。

最高裁さいこうさいの審理しんりでは、この額がくの傷きずが焦点しょうてんとなりました。

先月せんげつ開ひらかれた弁論べんろんで、弁護べんご側がわは「顔かおに血ちが流ながれたとみられるあとがある。傷きずは心臓しんぞうが動うごいている間まにできたもので、寝室しんしつでもみあったあとも妻つまは生いきていて、その後そのご、自殺じさつした」と主張しゅちょう。

「殺人さつじんであることを示しめす積極せっきょく的てきな証拠しょうこはなく、自殺じさつの可能かのう性せいを否定ひていできない以上いじょう、無罪むざいを言い渡いいわたすべきだ」と改あらためて訴うったえました。

これに対にたいし、検察けんさつは「顔かおに血ちのあとはなく、傷きずは妻つまが窒息ちっそくしたあと、階段かいだんから落おとされたときにできたものだ」と反論はんろんし、「客観きゃっかん的てきな証拠しょうこを合あわせれば殺害さつがいされたことは明あきらかだ。殺人さつじんであることは揺ゆるがない」と主張しゅちょうして、上告じょうこくを退しりぞけるよう求もとめました。