韓国を
輸出管理の
優遇対象国から
外す政令が
施行されたことについて、
韓国外務省は、
韓国駐在の
長嶺大使を
呼んで
抗議しました。
またイ・ナギョン(
李洛淵)
首相は
閣議を
開き、
この問題で
WTO=
世界貿易機関への
提訴に
向けて
準備を
滞りなく
進めて
いくと
強調しました。
韓国を
輸出管理の
優遇対象国から
除外する
政令が28
日、
施行されたことについて、
韓国外務省は28
日午前11
時半ごろ、
韓国駐在の
長嶺大使を
呼んで
抗議しました。
またこれに先立ち、韓国のイ・ナギョン(李洛淵)首相は28日午前、関係閣僚を集めて閣議を開き、初めに「日本が不当な措置を続けることを非常に遺憾に思う」と述べて、日本政府の対応を批判しました。
そのうえで「日本の不当な経済報復措置をただすため、WTOへの提訴を滞りなく進める」と述べました。
韓国政府は、すでに今月2日、日本への対抗措置としてWTOへの提訴に向けた準備を急ぐと発表していて、引き続き提訴に向けて手続きを進めていくと強調した形です。
一方でイ首相は「日本が事態をさらに悪化させず韓日関係を修復するために誠意を持って対話に臨むことを重ねて求める」と述べ、改めて外交による事態の打開を望む姿勢を示しました。
韓国を輸出管理の優遇対象国から外す政令が施行されたことについて、韓国の新聞各紙も大きく伝えています。
このうち、経済紙の「毎日経済新聞」は「日本が韓国除外を強行」という見出しで1面に記事を掲載し「韓国国内の産業界は、大きな不確実性に苦しめられることが憂慮される」と伝えています。
また、韓国側も軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」の破棄を通告するなど対応を取っていることをあげ「両国の葛藤は、さらに深まるとみられる」としています。
主要紙の「朝鮮日報」は、韓国政府の関係者の話として「韓国側は準備している相応の措置を施行することができる」と伝え韓国政府が対抗措置を取る可能性を指摘しています。
さらに、主要紙の「東亜日報」は社説で、イ・ナギョン首相が優遇対象国からの除外などを日本側が撤回すれば、「GSOMIA」の破棄を再検討する考えを示したことを取り上げ「深まった両国間の不信感を埋めるのは簡単ではないが、さまざまなチャンネルを再稼働させ、外交的な解決を見いだすための努力を続けなければならない」として両国は対話によって事態を打開すべきだと伝えています。
菅官房長官 韓国に賢明な対応求める
韓国を輸出管理の優遇対象国から外す政令が施行されたことについて、菅官房長官は、記者会見で、あくまでも輸出管理制度上の運用の見直しだと改めて強調したうえで、いわゆる「徴用」をめぐる問題を含め、引き続き、韓国側に賢明な対応を求めていく考えを示しました。
この中で、菅官房長官は「今般の輸出管理の見直しは、安全保障上の観点から、わが国の輸出管理制度を適切に実施する上で必要な運用の見直しだ」と述べました。
そして、日韓関係について「最大の問題である『徴用』の問題を含め韓国側からの否定的で非合理的な動きが相次ぎ、非常に厳しい状況が続いている。わが国としてはさまざまな問題について、一貫した立場に基づき引き続き、韓国側に賢明な対応を強く求めていく考えに変わりはない」と述べました。
そのうえで「わが国としては、韓国側によって作り出された国際法違反の状態を解決することを引き続き、強く求めていきたい」と述べました。