TICAD=
アフリカ開発会議の
閉幕を
受けて、
安倍総理大臣はアフリカ
支援の
在り方について、
中国による、
いわゆる「
債務の
罠(わな)」を
念頭に「
債務負担が
過剰にならないようにする
必要が
ある」と
指摘し、
財政管理の
強化など、
日本の
強みを
生かした
支援を
進める考えを
示しました。
横浜市で
開かれていたTICAD=
アフリカ開発会議が
閉幕し、
安倍総理大臣は
共同議長を
務めたエジプトのシシ
大統領らと
記者会見しました。
この中で安倍総理大臣は今回の会議の成果について「アフリカの皆さんが描く未来の実現を全力で応援するのがTICADだ。日本企業だけではなく、欧州やアジアからも集まった。世界中から官民の力を結集し、アフリカの無限の力を開花させることができる。日本はこれからもTICADプロセスをリードしていく」と述べました。
また安倍総理大臣は中国による、いわゆる「債務の罠」を念頭に「中国はアフリカへの支援に積極的だが、同時にアフリカ開発の重要なアクターだ。支援にあたっては、対象国の債務負担が過剰にならないようにしなければならない。持続的に発展できることが肝要で、支援の開放性、透明性、経済性などが求められる」と指摘しました。
そのうえで「わが国は公的債務管理の研修や、政策アドバイザーの派遣などで、アフリカ諸国の債務管理能力の向上を支援していく。日本のこうした強みを生かし、着実な経済成長を目指すアフリカ自身の努力を力強く支援していく」と述べました。
イラン情勢 緊張緩和に向け努力継続
記者会見で安倍総理大臣は、緊張が高まるイラン情勢に関連し、「中東の緊張緩和のために粘り強く取り組みたい。イランも含めて対話が行われる状況を作り、対話が進んでいくための役割を果たしていきたい」と述べ、アメリカとイランの直接対話を含め、緊張緩和に向けた努力を続ける考えを示しました。
また安倍総理大臣は中東のホルムズ海峡の安全確保のため、アメリカが結成を目指している有志連合への対応について、「中東における日本関係船舶の航行の安全を確保するために万全を期すのは当然のことだ。どのような対応が効果的か、総合的に判断していきたい」と述べました。
共同議長 エジプト大統領 アフリカの若者育成を評価
共同議長を務めたエジプトのシシ大統領は、会議で採択された「横浜宣言」に、アフリカの若者の育成に日本が積極的に協力する方針が盛り込まれたことを高く評価しました。
横浜市で開かれていたTICADは、30日閉幕し、アフリカの経済発展を担う若者の育成に日本としても積極的に貢献することなどを盛り込んだ「横浜宣言」が採択されました。
これについて共同議長を務めたエジプトのシシ大統領は「人口の65%が若者であるアフリカ諸国にとって人材育成は優先度の高い問題だ。宣言はアフリカの開発の羅針盤ともなるものだ」と述べ、高く評価しました。
また日本企業の進出や投資の拡大を積極的に推し進める方針が示されたことについてシシ大統領は「日本とアフリカ諸国の強い意志が反映されたもので、投資環境の整備や経済協力の姿勢が鮮明となった」と述べ、期待を示しました。
そのうえでシシ大統領は「アフリカ大陸全体で工業化やインフラの構築、電子商取引などの法整備を進めていく」と述べ、アフリカ各国が責任を持って日本の協力に応えられる態勢を整えていく決意を示しました。