男子高校生によりますと、台風から3日がたつ11日午前中も、自宅の電気と水道は止まったままで、風呂やトイレ、それに冷房が使えず、うちわで暑さをしのいでいるということです。
また隣接する山武市内のスーパーやコンビニでは、商品がほとんどなくなって水や食料を買うことができず、入荷してもすぐに商品が売り切れる状況が続き、ガソリンスタンドには給油を待つ長い車列ができていて、ガソリンが売り切れているところもあったということです。
男子生徒は、「水がないことにとても困っています。少しの水でも貴重なので風呂だけでなく歯磨きもできずにいます。市役所に行けば水をもらえると言われていますが、車がない人は炎天下で歩かないと行けないので、高齢者にとっては生死に関わるような状況になっていると思います。まちの状況も悲惨で、がれきや樹木、倒れた信号機が路上に転がったままになっています。今回の台風の悲惨さをみんなに知ってほしい」と話していました。
氷が欲しい
「氷を求めて車で遠方から来られたかたもいました」
千葉県いすみ市の創業140年の酒造会社、「木戸泉酒造」は、10日、SNSで「電気、水、氷あります!」と呼びかけました。
会社では毎年、水質検査を行っている井戸水が豊富にあるほか、台風による停電もなかったことから、豊富な量の水に加えて業務用の製氷機で作る氷も提供できると情報を発信しました。
暑さをしのいだり、食料品などを冷やしたりするために氷が役立つのではないかと思っていました。
これまでに会社を訪れたのは、およそ20人。多くの人が求めていたのは水よりも氷だったということです。
理由を聞くと「子どもが熱を出してしまって…」「介護をしている親の体調が悪化して、氷枕に使う氷を探していたんです」
台風のあとの厳しい暑さ。停電のためクーラーが使えず、体調を崩した家族や周囲の人たちのために氷を求めている人たちが予想以上に多くいることに驚いたということです。
会社は井戸水を保存して使う場合は、煮沸することも合わせて呼びかけています。
社長は「困ったときはお互いさま。まだ停電している場所もあるので、自分たちができることで支援したい」と話していました。