29日はマリナーズの本拠地シアトルで行われた昨シーズンのワールドチャンピオン、レッドソックスとの試合に先発登板し、アメリカでの、そして本拠地での公式戦デビューを果たしました。
菊池投手は1回、先頭バッターからスライダーで空振りの三振を奪うなど、3人で退ける完璧な立ち上がりを見せました。
2回は先頭の4番バッターに甘く入った速球を捉えられ、大リーグで初めてホームランを打たれましたが、3回と4回は速球とスライダーを軸にしたピッチングで3人ずつで退けました。
しかし5回に味方のエラーをきっかけに1点を失い、4点リードで迎えた6回は、昨シーズンの打点王で3番のJ.D.マルティネス選手にホームランを打たれ、3点目を失いました。
菊池投手は6回を投げてヒット4本で3失点、自責点2、三振を5つ奪い、勝ち投手の権利を得てマウンドを降りました。
しかし9回に後続のピッチャーがスリーランホームランを打たれるなどしてマリナーズは逆転され、6対7でレッドソックスに敗れました。
菊池投手の大リーグ初勝利は持ち越しとなり、登板した2試合連続で勝ち負けはつきませんでした。
試合前 ファンの期待は高まったが…
大リーグ公式戦デビューを果たした菊池雄星投手に対して、試合前、ファンから期待の声が聞かれました。
現在、大阪に住んでいてプロ野球 西武のファンだというカナダ人の男性は、菊池投手を応援するためにシアトルを訪れたということで、「大リーグでプレーするようになっても、ずっと応援しています。きょうのホームゲームでの初登板、頑張ってください。応援しています」とエールを送っていました。
マリナーズの本拠地シアトルがあるワシントン州の隣、オレゴン州ポートランドから家族と一緒に訪れた日本人の女性は「菊池投手がきょう投げると聞いてチケットを取りました。日本にいたときからイチロー選手のファンで、本当はきょう、プレーしている姿を見たかったのですが引退したので、今度は菊池投手を応援します」と話していました。
マリナーズを応援するアメリカ人の男性は「菊池投手が持っている力を見せてくれるのが楽しみだ。日本での開幕シリーズでは安定感のある登板だったので、きょうも期待している。子どものころからイチロー選手の大ファンだったが菊池投手には次のスーパースターになってほしい」と期待を寄せていました。
シアトルに住む日本人の男性は、菊池投手の名前と背番号「18」が入ったシャツを着て応援に訪れ、「マリナーズにはイチロー選手など日本選手がずっと所属していたので、今度は菊池投手に期待しています」と話していました。
ファン向け雑誌の表紙飾る
マリナーズが発行しているファン向けの雑誌の今シーズン最初の号の表紙は菊池雄星投手の写真で飾られ、大リーグ1年目のルーキーへの球団の期待の大きさが示されています。
この球団の公式誌には「日本でスターに上り詰め、今度は長年の夢だった大リーグでの成功を目指す」というタイトルで、菊池投手のインタビュー記事が4ページにわたって掲載されています。
記事には、少年のころから大リーグでプレーすることを目標にしてきた菊池投手が高校卒業後、日本のプロ野球に進んだうえで大リーグに挑戦し、マリナーズ入団を果たしたことへの思いが記されています。