日本新聞: 首相ハンセン病元患者の家族と面会謝罪救済へ立法措置表明

首相しゅしょうハンセン病はんせんびょう元もと患者かんじゃの家族かぞくと面会めんかい謝罪しゃざい救済きゅうさいへ立法りっぽう措置そち表明ひょうめい

Jul 24, 2019 11:07

Furigana

ハンセン病はんせんびょう患者かんじゃの家族かぞくへの差別さべつ被害ひがいを認みとめた集団しゅうだん訴訟そしょうの判決はんけつを受うけ、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは元もと患者かんじゃの家族かぞくと面会めんかいし、政府せいふとして謝罪しゃざいするとともに訴訟そしょうに参加さんかしていない家族かぞくも含ふくめ必要ひつような救済きゅうさい策さくを盛り込もりこんだ立法りっぽう措置そちを講こうずる考かんがえを伝つたえました。

ハンセン病はんせんびょうの患者かんじゃに対にたいする隔離かくり政策せいさくで、家族かぞくも差別さべつされ被害ひがいを受うけたとして、元もと患者かんじゃの家族かぞくが国くにを訴うったえた集団しゅうだん訴訟そしょうは、国くにの責任せきにんを認みとめて賠償ばいしょうを命めいじた熊本くまもと地方ちほう裁判所さいばんしょの判断はんだんを政府せいふが受け入うけいれて、判決はんけつが確定かくていしています。

これを受うけて安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、午前ごぜん10時じすぎ、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで元もと患者かんじゃの家族かぞくら40人にん余あまりと面会めんかいしました。

この中なかで安倍あべ総理そうり大臣だいじんは「ハンセン病はんせんびょうに対にたいする極きわめて厳きびしい差別さべつと偏見へんけんが、皆様みなさまに向むけられてきたことは否定ひていしがたい厳然げんぜんたる事実じじつだ。その結果けっか、本当ほんとうに長ながい間ま、皆様みなさまに大変たいへんな苦痛くつうと苦難くなんを強しいることとなってしまった。内閣ないかく総理そうり大臣だいじんとして、政府せいふを代表だいひょうして心こころから深ふかくおわびを申し上もうしあげる」と述のべ、頭あたまを下さげて謝罪しゃざいしました。

そのうえで「先般せんぱん、判決はんけつの受け入うけいれを決定けっていしたが、それにとどまらず、今回こんかい、訴訟そしょうに参加さんかされなかった方々かたがたも含ふくめ、新あらたに補償ほしょうするための立法りっぽう措置そちを講こうずる。さらに、さまざまな問題もんだいの解決かいけつに向むけて協議きょうぎの場ばを速すみやかに設もうけ、皆様みなさまと一緒いっしょに差別さべつ偏見へんけんの根絶こんぜつに向むけ、政府せいふ一丸いちがんとなって全力ぜんりょくを尽つくしていくことをお約束やくそくする」と述のべました。

これに対にたいし原告げんこく団だん団長だんちょうの林はやし力つとむさんは「らい予防よぼう法ほうは廃止はいしからすでに20年ねん余あまりがたったが、長ながきにわたり作り出つくりだされた差別さべつの構造こうぞうと社会しゃかい意識いしきは簡単かんたんに払拭ふっしょく（ふっしょく）できるものではない。安倍あべ総理そうり大臣だいじんには訴訟そしょうを機きに、誤あやまった認識にんしきを正ただす啓発けいはつと教育きょういくに、当事者とうじしゃであるわたしたちの声こえを生いかしながら、国くにの総力そうりょくを挙あげて取り組とりくんでもらいたい」と求もとめました。

「新あらたな補償ほしょうなど早急そうきゅうに検討けんとう」菅かん官房かんぼう長官ちょうかん

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは午前ごぜんの記者きしゃ会見かいけんで「新あらたな補償ほしょうや、差別さべつと偏見へんけんの根絶こんぜつに向むけた取り組とりくみの具体ぐたい的てきな内容ないようについては、協議きょうぎの場ばなどを通をつうじて引き続ひきつづき、ご家族かぞくの皆様みなさまの声こえに耳みみを傾かたむけながら、しっかり早急そうきゅうに検討けんとうしていく」と述のべました。