オーストラリア統計局が1日発表した8月の小売売上高は、前月比0.7%増だった。暖かい天候で春の消費が前倒しされ、アナリスト予想の0.4%増を上回った。7月は0.1%増だった。
発表を受け、豪ドルは0.25%高の0.6930米ドルに上昇。1年半ぶり高値の0.6943米ドルに迫った。
前年比では3.1%増の365億豪ドル(253億米ドル)だった。
統計局の幹部は「今年は1910年以降で最も暖かな8月で、夏物衣料や酒類、ガーデニング用品、キャンプ用品など春の消費が前倒しされた」と指摘した。
8月のインフレ率は政府による電気料金の補助などで2.7%に鈍化し、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の目標値である2─3%内となった。
ただ中銀は、7月に実施された大幅減税で実質所得がプラスに転じ、平均的な給与所得者の年間所得が1500豪ドル上乗せされたことから、消費が予想以上に伸びる可能性を警戒している。