清子さんは、
高校2
年生だった
長女の
知美さん(
当時16
歳)と、
中学2
年生だった
次女の
薫さん(
当時14
歳)の2
人の
娘を
墜落事故で
亡くしました。
清子さんによると、知美さんは優しくてしっかり者で、薫さんは負けず嫌いで体を動かすのが大好きだったといい、近所でもうらやましがられるほど仲がよい親子だったといいます。
37年前の8月、2人は夏休みを利用して神奈川県の清子さんの実家に帰省していました。
清子さんに、どうしても外せない仕事が入っていたため、初めて子どもたちだけでの帰省でした。
大阪の自宅に帰る前日、清子さんのもとに娘たちからキャンセル待ちでチケットがとれたと電話で連絡があり、新幹線ではなく飛行機で帰ることになりました。
翌日、たまたま撮影されたホームビデオには、羽田空港に向かう直前に、縁側で真っ黒に日焼けした妹の薫さんが姉の知美さんのひざの上に座ってはしゃぐ様子や、空港に向かう車に荷物を積み込む様子が残されていました。
しかし、このあと2人が搭乗した日本航空123便は群馬県の御巣鷹の尾根に墜落。
目的地の伊丹空港に着くことはありませんでした。
事故後、夫の武志さんや長男の直樹さんとともに現地に向かい、変わり果てた姿の娘たちを連れて帰った清子さんは「なぜ怖い思いをした時にそばにいてあげられなかったのか」「あのとき仕事を断って一緒に行けばよかった」と自分を責める日々が続きました。
家族の思い出が詰まった自宅を引っ越し、2人の写真がまとめられたアルバムも捨ててしまおうと考えたこともあるといいます。
その清子さんが、
長年胸にしまってきた
ある思い出がありました。
2人が大阪を出発する数日前に、旅行中に着る服を買いに行った際、清子さんは娘たちに「お母さんこれ着て迎えに来てね。すぐにわかるから、私たちが見つけるよ」と言われ、ふだん自分では選ばないというピンクのワンピースを購入したのです。
果たされることのなかった、その約束を家族には言わず、清子さんはワンピースを大切にタンスにしまってきました。
しかし年月とともに、夫の武志さんは、がんの手術の影響でおととしから真夏の登山が難しくなり、自身も病を患う中で、娘たちとの約束を初めて家族に打ち明けました。
そばで見守ってきた長男の直樹さんは「長年、ワンピースの約束を心のうちに秘め、1人で抱え込んでいるなんて、母は僕より何倍も苦しいのだと思います」と、おもんぱかります。
清子さんは、37年前の約束を胸に、知美さんと薫さんに会いにいくため、2人とよく歌ったジュディ・オングの「魅せられて」を口ずさみながら近所を散歩し、12日の慰霊登山に向けて体力作りに励んできました。
そして12日、御巣鷹のふもとまで、約束のピンクのワンピースを持参して、慰霊の登山に向かった清子さんは、2人の墓標を前に「息切れしそうでしたが、子どもたちに早く会いたいという気持ちで登りました。ここに来ると、2人がどこかから出てこないかなと思ってしまいます。連れて帰りたいです。あと何年、登れるかわかりませんが、この子たちがここにいるかぎり、登れるだけ登りたいです」と語っていました。
空の安全 これまでにないコロナ禍の「ヒヤリハット」
空の
安全を
どう守って
いくのか。
航空業界ではいま、新型コロナの感染拡大の影響で、これまでにない形の「ヒヤリハット」の報告が相次いで寄せられています。
公益財団法人の「航空輸送技術研究センター」では、国からの委託を受け、航空業界の事業者や個人から「ヒヤリハット」の情報を集め、安全につなげるため分析したうえで共有しています。
集めているのは、法律に基づき報告が義務づけられている「航空事故」や「重大インシデント」などには至らないものの、安全に支障を及ぼす可能性があった事案の情報で、報告者に不利益が生じないよう匿名性が担保されています。
2014年に開始されましたが、感染拡大以降は新型コロナが影響したと考えられる「ヒヤリハット」が集まってきていて、センターでは昨年度から、そうした報告に「COVID19」というマークをつけて共有し、注意を呼びかけています。
昨年度、共有された658件の情報のうち、少なくとも35件がコロナ禍の影響を受けていたといいます。
例えば、
▽操縦の機会が減る中で、久しぶりに長距離飛行をしたパイロットが、着陸の際に天候などの条件にあわせた減速ができなかった事例や、
▽マスクの着用や乗務機会の減少により、十分なコミュニケーションが取れなかった事例などが報告されていました。
航空輸送技術研究センターの
宮代智司技術部長は「
事故やインシデントが
起きる前段には、より
多くのヒヤリハットや
安全を
脅かすおそれが
ある事例があり、
収集して
得られる
情報を
分析することが
重要に
なる。
新型コロナの
影響で、
航空業界で『3H』と
呼ばれて
注意が
呼びかけられている『はじめて、
変更、
久しぶり』に
該当する、
これまで
経験のない
報告が
多くなっており、
改善方法を
提案することで、
航空の
安全を
高めたい」と
話していました。
新たな「ヒヤリハット」に安全対策を模索
航空会社では
共有される「ヒヤリハット」の
情報を
参考に、
感染拡大の
影響による
新たな
課題に
対応しようと
安全対策を
模索しています。
日本航空によりますと、パイロットや客室乗務員は、乗務のたびにメンバーが変わる中でも、緊急時に対応できるよう、的確に意思疎通できる力が求められますが、新型コロナの影響で大幅に減便し乗務が減っていることで、こうした能力の維持が課題となっているといいます。
このため昨年度から、パイロットや客室乗務員の訓練では「コミュニケーション」をテーマに掲げて実施しています。
グループに分かれて行われた訓練では、教官が客室乗務員に対し、焦げたパンや煙が出ている電化製品などの複数のイラストを見せ、それぞれのにおいをインターフォン越しにパイロットにどう伝えればいいか問いかけました。
ひとりが「食べ物が焦げているようなにおいがする」という報告案を示したのに対し、同じグループのパイロットは事態に応じた対応を取るには、煙が見えるかや、においの強さの変化などの情報がほしいと指摘し、話し合っていました。
さらに、急減圧や緊急着陸への対応訓練でも「初めて、変更、久しぶり」の3Hを意識し、適切なコミュニケーションの在り方が重視されました。
客室乗務員は、酸素マスクの使い方を、身ぶりを交えて乗客役に伝えたり、衝撃を防止する姿勢についても、声を掛けあったり合図を送りあったりして、互いに伝え漏れがないか確認していました。
日本航空救難保安訓練グループの
稲田秀一グループ
長は「フライトの
機会が
少なくなっていたのが、
徐々に戻ってくることによって、
久しぶりに
乗務する
機会が
生まれる。
コミュニケーションがうまくとれないことで
事故などにつながらないよう、
実際に
報告された
事例をもとに、
訓練を
作り上げている」と
話しています。
そのうえで「墜落事故のあとに入社した社員がほとんどになっているが、二度と事故を起こさないという強い気持ちを、次の世代にどうつなげていくか考えながら訓練を進めていきたい」と話していました。
「JICA」の不正確な内容の投稿 SNSで広がる拡散せず注意を
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资源: NHK
308
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Sep 2, 2025 11:09
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