일본어 뉴스: 温泉から「金」取り出す特殊な方法を開発研究チーム

温泉おんせんから「金きん」取り出とりだす特殊とくしゅな方法ほうほうを開発かいはつ研究けんきゅうチーム

Dec 11, 2022 08:12

Furigana

温泉おんせんの中なかに溶け込とけこんでいる微量びりょうの「金きん」を取り出とりだす特殊とくしゅな方法ほうほうを海洋かいよう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうなどの研究けんきゅうチームが開発かいはつ。採掘さいくつ以外いがいの新あらたな回収かいしゅう方法ほうほうとして確立かくりつできるか注目ちゅうもくされます。

開発かいはつしたのは、海洋かいよう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうと大手おおて機械きかいメーカー「IHI」の研究けんきゅうチームです。

「金きん」はおもに地下ちか深ふかくにあるマグマに含ふくまれ、その周辺しゅうへんを流ながれる数すう百ひゃく度どの熱ねつ水すいに溶とけ出でた後のち、長ながい年月としつきをかけて地表ちひょうに上昇じょうしょうし冷ひえ固かたまってできたものが「金きん」の鉱脈こうみゃくだと考かんがえられています。

研究けんきゅうチームは、「金きん」が熱ねつ水すいに溶とけ出だすことから温泉おんせんにも含ふくまれているとみて回収かいしゅう方法ほうほうを模索もさくし、「ラン藻も（そう）」と呼よばれる「藻も（も）」の一種いっしゅに着目ちゃくもく。

この「ラン藻も」は、温泉おんせんに溶け込とけこんでいる「金きん」と結合けつごうしている塩素えんそなどを分離ぶんりし、「金きん」だけを吸着きゅうちゃくする性質せいしつがあるということで秋田あきた県けんの玉川たまがわ温泉おんせんで最長さいちょうおよそ7か月かげつ、「ラン藻も」を加工かこうした特殊とくしゅなシートを浸ひたす実験じっけんを行おこない、「金きん」を採取さいしゅできたということです。

最もっとも濃度のうどが高たかいものでは、30ppm＝シート1トンあたり30グラム程度ていど。

世界せかいの主要しゅような金山かなやまで鉱石こうせき1トンから採とれる量りょうが3グラムから5グラムほどだということで、「金きん」の新あらたな回収かいしゅう方法ほうほうになる可能かのう性せいがあるとしてさらに実験じっけんを行おこなう予定よていです。

海洋かいよう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうの野崎のさき達生たつお主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「初はつの分析ぶんせきだったが金きんが藻もに集あつまるのを確認かくにんした。新あらたな回収かいしゅう方法ほうほうとして活用かつようできると思おもう」、また、IHIの福島ふくしま康之やすゆき主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「予想よそうを超こえる結果けっかで、この技術ぎじゅつをうまく育そだて、資源しげんの循環じゅんかんにつなげたい」と話はなしています。

なぜ“温泉おんせん”に着目ちゃくもく？

「金きん」はおもに、地下ちか深ふかくにあるマグマに含ふくまれています。

マグマ周辺しゅうへんにある地下ちか水すいは数すう百ひゃく度どの高温こうおんで、この熱ねつ水すいに「金きん」が溶とけ出でたあと、長ながい年月としつきをかけて地表ちひょうに向むかって上昇じょうしょう。

その後そのご、冷ひえ固かたまってできるのが「金きん」の鉱脈こうみゃくだと考かんがえられていて、山やまで採掘さいくつを行おこない、取り出とりだすのが一般いっぱん的てきです。

かつては新潟にいがた県けんの佐渡さど金山かなやまや北海道ほっかいどうの鴻之舞こうのまい鉱山こうざんなどで多おおくの「金きん」が採掘さいくつされていましたが山やまでの採掘さいくつにはばく大ばくだいなコストがかかるため、次第しだいに採算さいさんがあわなくなり、いずれも閉山へいざんとなっています。

現在げんざい、商業しょうぎょう規模きぼで操業そうぎょうを続つづけているのは国内こくないでは鹿児島かごしま県けんの菱刈ひしかり鉱山こうざんのみで、年間ねんかんおよそ4トンの「金きん」を産出さんしゅつしています。

研究けんきゅうチームは、「高温こうおんの地下ちか水すいに溶け込とけこんでいるとしたら、温泉おんせんにも含ふくまれている可能かのう性せいがある」と考かんがえ、秋田あきた県けん仙北せんぼく市しの玉川たまがわ温泉おんせんで新あらたな方法ほうほうを試ためしました。

実験じっけん場所ばしょに玉川たまがわ温泉おんせんを選えらんだ理由りゆうについては高温こうおんで、強つよい酸性さんせいのほうが「金きん」が溶け込とけこみやすいという考かんがえから源泉げんせん98度どの熱ねつ水すいが毎まい分ぶん9000リットル湧き出わきでる豊富ほうふな湯量ゆりょうに加くわえてpH1.2の日本にっぽんトップクラスの強酸きょうさん性せいであることを挙あげています。

「藻も」で「金きん」採取さいしゅ？

温泉おんせんに溶とけ出でた「金きん」を効率こうりつ的てきに取り出とりだす上うえで研究けんきゅうチームが着目ちゃくもくしたのは、数すう十じゅう年ねん前まえに発表はっぴょうされていた大学だいがくの研究けんきゅう成果せいか。

藻もの一種いっしゅ「ラン藻も」に「金きん」を吸着きゅうちゃくする性質せいしつがあることを明あきらかにしたという内容ないようでした。

開発かいはつに携たずさわったIHIの福島ふくしま康之やすゆき主任しゅにん研究けんきゅう員いんは、「この『藻も』を活用かつようすれば、『金きん』を効率こうりつ的てきに吸すい付つかせる材料ざいりょうを作つくれる」と考かんがえ、「ラン藻も」の可能かのう性せいを詳くわしく探さぐりました。

福島ふくしま主任しゅにん研究けんきゅう員いんは熱ねつ水すいに溶け込とけこんでいる「金きん」がおもに塩素えんそと結合けつごうして化合かごう物ぶつの形かたちで存在そんざいしているとみて研究けんきゅう成果せいかに基もとづき「ラン藻も」を浸ひたすと、「金きん」にくっついている塩素えんそを切り離きりはなすことに成功せいこう。

これを応用おうようすることで「金きん」の回収かいしゅうができると確信かくしんし、「ラン藻も」をおよそ半年はんとしかけて培養ばいようした上うえで化学かがく処理しょりで粉末ふんまつ化かして乾かわかし、シート状じょうに加工かこう。

これまでの採掘さいくつとは異ことなる方法ほうほうを開発かいはつしました。

研究けんきゅうチームはこのほか、高温こうおんの熱ねつ水すいが噴き出ふきだしている東京とうきょう・青ヶ島あおがしま沖おきの水深すいしん700メートル前後ぜんごの深海しんかいでも無人むじん潜水せんすい艇ていを使つかって「ラン藻も」のシートを設置せっちして、「金きん」を採取さいしゅする実験じっけんを行おこなっています。