宮城県石巻市の
松川とも子さんです。12
年前の3
月11
日、
東日本大震災で
被災しました。
松川さんはあの日、自宅の2階にいました。気が付くと津波が自分の目の前に迫っていたといいます。
なんとか夫と2人で屋根の上に登って避難し、一晩を明かしました。
松川とも子さん
「窓から外を見ると目の前に真っ黒い波が押し寄せていました。ただ、『ああ』と声を出すだけで、何を考えてたかも分からない状況でした。なんとか避難した屋根の上で、近くの家などが流されるのをただ見ているしかありませんでした」
松川さんにけがはありませんでしたが、自宅の壁などが大きく壊れたほか、家財も流されました。
避難所となった小学校での生活は5か月にもおよび、ようやく仮設住宅に移ったのは8月になってからでした。
仮設住宅に届いた年賀状
左 松川さん
避難生活の
中でも元気にふるまうよう
心がけていたという
松川さんでしたが、
慣れない
環境のなかで
めまいが
起こるなど
体調を
崩していました。
そうした中、被災した翌年、松川さんは仮設住宅を訪れた神戸のNPOから、年賀状を受け取ります。
そこには、励ましのメッセージが書かれていました。
松川とも子さん
「元気を出して、明けない夜はないよって、必ず明るく明けるからって。そういう励ましのことばが多かったです。言葉がドスン、ドスンって響きました」
年賀状を書いたのは…
松川さんが
受け取った
年賀状を
書いた、
兵庫県神戸市の
書道家、
野原久美子さんです。
阪神・淡路大震災で被災し、両親を亡くしました。
東日本大震災が起こったとき、ひと事だと思えなかったといいます。
体調を崩していましたが、なにかできないかと考えていたとき、この年賀状の存在を知り、入院中のベッドの上で書きました。
野原久美子さん
「やっぱり気持ちが分かるんですよ。自分が経験してきてるから、悲しかったり、大変だなっていうのが分かるんです。私が今こうやって生きているのも多くの方に助けてもらったおかげ。だから、ちょっとでも恩返しがしたいと思って書いたんです。助けてもらった人に恩を返すんじゃなくて、違う人に恩を返すことによって、また、その人が違う人を助けるっていうことかな」
文通、交流に元気づけられ
左 松川さん・右 野原さん
松川さんは
差出人に
書かれていた
野原さんの
住所に
返事を
出し、それを
きっかけに
文通が
始まりました。
その後、野原さんが石巻市の仮設住宅を訪れるなどして、交流が深まっていきました。
松川さんは何気ないやりとりをする時間が大切だったといいます。
元気づけられた松川さんは自宅を再建するなど徐々に生活を取り戻していきました。
松川とも子さん
「いろいろおしゃべりしたり、絵をかいたり、長くおつきあいするうちに、次第に姉妹みたいな感覚で何でも話せるようになりました。自分を見ていてくれる人がいるということが、頑張るための励みになったと思います」
“今度は自分が励ます番”
松川さんは、
今度は
自分が
被災した
人を
励ましたいと、6
年前から
年賀状を
書き
続けています。
自分の経験から、体を大切にして元気に過ごしてくださいとメッセージを送ります。
松川とも子さん
「被災した直後は元気にふるまっていられるのですが、時間がたつにつれ、体の不調が出てきて、元気がなくなってしまう人が多いんです。なので、元気を出してください、体が一番ですよっていう思いを伝えたいです」
年賀状でぱっと笑顔
松川さんが
書いた
年賀状の1
通が、ことし、2020
年7
月の
豪雨で
被災した
熊本県津奈木町の
村上信子さんに
届けられました。
村上さんは年賀状を受け取ると、ぱっと笑顔になりました。
差出人の松川さんが同じように被災した経験を持っていると聞き、すぐに松川さんに返事を書きます。
村上信子さん
「災害に遭って、同じ苦しみを負って、きつかったろうなと分かってくれたことで、とても励まされました。とてもうれしくて、感謝の心を伝えたいと思い、返事を書かずにはいられませんでした」
もらった返事で再び元気に
今度は、
自分が
年賀状の
返事を
受け取る側になった
松川さん。
誰かを励まして返事をもらうことで、自分も再び元気づけられているといいます。
松川とも子さん
「被災した人が元気であればいいなと思って書いているので、返事を受け取り、私の気持ちが届いたと感じてうれしい気持ちになります。自分が仮設住宅で年賀状をもらった時のように温かい気持ちになります」
被災地つなげる「励ましのリレー」
兵庫、
宮城、
熊本と、
年賀状を通じて被災地がつながる“
励ましのリレー”。
バトンを受け取った人が支えられ、さらに苦しみの分かる自分が次は励ます側になりたいとバトンを次につなげる様子に、心が動かされました。
年賀状による励ましの輪が、今後も続いてほしいと思います。
ロシア カムチャッカ半島の一部で3~4mの津波観測 怪我人も
ロイター通信は、ロシア極東のカムチャツカ半島の一部で3メートルから4メートルの津波が観測されたと、地元の災害担当の当局者が明らかにしたと伝えています。また、ロシア国営のタス通信が伝えた内容として、この地震により地元の空港などで数人が軽いけがをしたと報じています。
N2
Source: NHK
372
Jul 30, 2025 11:07
専門家 “今回の津波は後から来る津波が大きく 注意が必要”
今回の津波の特徴について、津波のメカニズムに詳しい東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は「カムチャツカ半島では過去も大きな地震があり、最も大きなのものが1952年で、同じような規模で起きている。その時には日本にも3メートルの津波が押し寄せた。今回も同じような規模になるおそれがある」と指摘しました。
N1
Source: NHK
94
Jul 30, 2025 15:07
【津波警報石破首相「高台や避難ビル 安全な場所に避難を」
石破総理大臣は午前10時20分ごろ総理大臣官邸で記者団に対し「きょう午前8時25分ごろ、カムチャッカ半島付近を震源とするマグニチュード8.7の地震が発生し、この地震に伴い北海道から和歌山県の太平洋側沿岸に津波警報が発表され、高いところで3メートル程度の津波が予測されている」と述べました。
N2
Source: NHK
73
Jul 30, 2025 11:07
参議院選挙 自民・公明 過半数割れ【各党の獲得議席 全確定】
20日に投票が行われた第27回参議院選挙。125の議席をめぐって争われ、各党の獲得議席が決まりました。自民・公明両党は過半数の議席を維持できず衆議院に続き参議院でも少数与党となりました。石破総理大臣は比較第1党としての責任は重いとして総理大臣を続投する意向で21日に正式に表明する見通しです。
N2
Source: NHK
1
Jul 21, 2025 09:07
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