日本新聞: 財務省決裁文書改ざん自殺した職員の妻岸田首相に直筆の手紙

財務省ざいむしょう決裁けっさい文書ぶんしょ改かいざん自殺じさつした職員しょくいんの妻つま岸田きしだ首相しゅしょうに直筆じきひつの手紙てがみ

Oct 7, 2021 16:10 4

Furigana

財務省ざいむしょうの決裁けっさい文書ぶんしょの改かいざんに関与かんよさせられ自殺じさつした近畿きんき財務局ざいむきょくの男性だんせい職員しょくいんの妻つまが6日にち岸田きしだ総理そうり大臣だいじんにこの問題もんだいの再さい調査ちょうさを求もとめる直筆じきひつの手紙てがみを送おくりました。

森友もりとも学園がくえんに関にかんする決裁けっさい文書ぶんしょの改かいざんに関与かんよさせられ自殺じさつした近畿きんき財務局ざいむきょくの職員しょくいん、赤木あかぎ俊夫としおさん（当時とうじ54）の妻つまの雅子まさこさんは、国くになどに裁判さいばんを起おこすとともに、改かいざんの事実じじつ関係かんけいについて財務省ざいむしょうとは独立どくりつした第三者だいさんしゃ委員いいん会かいによる再さい調査ちょうさを求もとめています。

これまで安倍あべ内閣ないかくや菅かん内閣ないかくのもとでは再さい調査ちょうさは行おこなわれませんでしたが、雅子まさこさんの代理人だいりにんの弁護士べんごしによりますと岸田きしだ内閣ないかくの発足ほっそくを受うけて6日にち、改あらためて再さい調査ちょうさを求もとめる手紙てがみを岸田きしだ総理そうり大臣だいじん宛あてに送おくったということです。

「私わたしの話はなしを聞きいてください」という言葉ことばで始はじまる雅子まさこさんの手紙てがみは便箋びんせん2枚まいに直筆じきひつで書かかれていて、財務省ざいむしょうの調査ちょうさ報告ほうこく書しょに夫おっとが改かいざんを苦くに自殺じさつしたことへの言及げんきゅうがないことや、夫おっとが職場しょくばに残のこしたいわゆる「赤木あかぎファイル」の中なかにあった「改かいざんや書き換かきかえをやるべきではない」という夫おっとの訴うったえに財務省ざいむしょう本省ほんしょうがどう対応たいおうしたのか明あきらかになっていないことを訴うったえています。

そして「正ただしいことが正ただしいと言いえない社会しゃかいはおかしいと思おもいます。岸田きしだ総理そうり大臣だいじんならわかってくださると思おもいます。第三者だいさんしゃによる再さい調査ちょうさで真相しんそうをあきらかにしてください」と結むすんでいます。

【手紙てがみ全文ぜんぶん】

赤木あかぎ雅子まさこさんが、6日にち岸田きしだ総理そうり大臣だいじんに宛あてて送おくった手紙てがみの全文ぜんぶんです。

（以下いか、原文げんぶんママ）

「内閣ないかく総理そうり大臣だいじん岸田きしだ文雄ふみお様さま私わたしの話はなしを聞きいてください。私わたしの夫おっとは三さん年ねん半はん前まえに自宅じたくで首くびを吊つり亡なくなりました。亡なくなる一いち年ねん前まえ、公文こうぶん書しょの改かいざんをした時ときから体調たいちょうを崩くずし身体しんたいも心こころも壊こわれ最後さいごは自みずから命いのちを絶たってしまいました。夫おっとの死しは公務こうむ災害さいがいが認みとめられたので職場しょくばに原因げんいんがあることに間違まちがいありません。財務省ざいむしょうの調査ちょうさは行おこなわれましたが夫おっとが改かいざんを苦くに亡なくなったことは書かかれていません。なぜ書かいてないのですか？赤木あかぎファイルの中なかで夫おっとは改かいざんや書き換かきかえをやるべきではないと本省ほんしょうに訴うったえています。それにどのように返事へんじがあったのかまだわかっていません。夫おっとが正ただしいことをしたことそれに対にたいして財務省ざいむしょうがどのような対応たいおうをしたのか調査ちょうさしてください。そして新あらたな調査ちょうさ報告ほうこく書しょには夫おっとが亡なくなったいきさつをきちんと書かいてください。正ただしいことが正ただしいと言いえない社会しゃかいはおかしいと思おもいます。岸田きしだ総理そうり大臣だいじんならわかってくださると思おもいます。第三者だいさんしゃによる再さい調査ちょうさで真相しんそうをあきらかにしてください。赤木あかぎ雅子まさこ」

赤木あかぎ雅子まさこさん「首相しゅしょうはもともとは再さい調査ちょうさに前向まえむきだったと思おもう」

7日にち、大阪おおさか市内しないで会見かいけんを行おこなった雅子まさこさんは「財務省ざいむしょうの調査ちょうさ報告ほうこく書しょは夫おっとが亡なくなったことが書かかれておらず不ふ誠実せいじつなものだ。正ただしくない報告ほうこく書しょでは納得なっとくできない」と述のべました。

そのうえで、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんが再さい調査ちょうさに慎重しんちょうな姿勢しせいを示しめしていることについて「岸田きしだ総理そうり大臣だいじんのこれまでの発言はつげんを聞きいていると、もともとは再さい調査ちょうさに前向まえむきだったんだろうと思おもう。話はなしを聞きくのが得意とくいと話はなされているので、きょう届とどく私わたしからの手紙てがみを読よんで再さい調査ちょうさをしてほしい」と訴うったえました。

首相しゅしょう「まだ受け取うけとっていない」

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは7日にち午後ごご、静岡しずおか市しで記者きしゃ団だんに対にたいし「お手紙てがみは、まだ手元てもとに受け取うけとっていない。受け取うけとったうえで対応たいおうについて考かんがえたいと思おもう。この案件あんけんについては、従来じゅうらいから申し上もうしあげているように必要ひつようであれば、政治せいじとして説明せつめいすることも考かんがえていくという方針ほうしんは変かわらないと思おもっている」と述のべました。