新型コロナの
新たな
変異ウイルス「オミクロン
株」の
感染拡大に対する水際対策を
強化するとして、
国土交通省は、12
月末までの1
か月間、
日本に
到着するすべての
国際線で
新たな
予約を
停止するよう
航空会社に
要請しました。
対象には海外にいる日本人も含まれていて、予約を取っていない日本人が事実上、帰国できなくなることについて国土交通省は「緊急避難的な予防措置だ」と説明しています。
政府は、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が広がりを見せていることから、外国人の新規入国を原則停止したほか、一日当たりの入国者数の上限を3500人程度に引き下げるなど水際対策を強化しています。
国土交通省は、さらに対策を徹底するとして、航空各社に対し、12月末までの1か月間、日本に到着するすべての国際線の新たな予約を停止するよう要請しました。
日本を出発する便はこれまでどおり予約できますが、要請を受け、全日空と日本航空は、1日から到着便の予約の受付を取りやめる対応をとっています。
航空各社によりますと、海外に住む日本人が年末年始を国内で過ごすため、12月は到着便の予約が増えていたということです。
すでに完了している予約がキャンセルされることはないということですが、新規予約の停止要請の対象には海外にいる日本人も含まれていて、予約を取っていない日本人が事実上、帰国できなくなることについて国土交通省は「緊急避難的な予防措置だ」と説明しています。
そのうえで、今後の感染状況に応じて今回の要請を見直すこともあるとしています。
航空会社の関係者は、「新規の予約はいったん停止したが、今回の対応は厳しすぎるので、日本人だけでも入国できるよう今後、国土交通省と交渉したい」と話しています。
専門家「強すぎる措置だと思う」
海外での
日本人の
保護や
危機管理などに
詳しい、
立教大学社会学部の
長有紀枝教授は「
日本人も
含めて
帰国者すべてが
対象に
なるのは、
今までに
例がないと
思われ、
とても驚いた。
日本人の
保護の
観点から、
強すぎる
措置だと
思う」と
話していました。
そのうえで、「今まで日本人の入国に際して、しっかりと隔離をする措置をとってきたので、これからも隔離を続けるなら、なぜ新たな予約ができなくなるのか理解に苦しむ。もちろんオミクロン株の排除は非常に重要な課題だが、邦人保護というのも日本政府として絶対にすべきことだ。日本人の保護をしながらオミクロン株に対処する方法もあるのではないか」と指摘しました。