開始1分すぎに相手の体勢を崩した濱田選手は「腕ひしぎ十字固め」で一本勝ちしました。
決勝はフランスのマドレーヌ・マロンガ選手と対戦し濱田選手は序盤に素早い動きから得意の寝技に持ち込み、開始1分すぎ、抑え込みで一本勝ちしました。
濱田選手は初めての出場で、決勝までの4試合をすべて一本勝ちでの金メダル獲得です。
試合後、畳の上では笑顔を見せず、一礼して畳を降りたあとにコーチと抱き合って笑顔を見せていました。
ロシアの格闘技、サンボの世界選手権でも優勝経験があるなど異色の経歴をもつ濱田選手は培ってきた高い寝技の技術でオリンピックの大舞台を制しました。
この階級での日本選手の金メダルは、2004年のアテネ大会での園田教子さん以来、4大会ぶりです。
この結果、日本の柔道は、今大会、競技初日から6日連続で金メダルです。
女子78キロ級は、銀メダルがフランスのマドレーヌ・マロンガ選手。
銅メダルがドイツのアナマリア・ワグナー選手と、ブラジルのマイラ・アギアール選手でした。
決勝で対戦した選手については「いつも負けている相手だったので、同じやられ方をしないように対策をずっとしてきた。得意の寝技で勝ててよかった」と話していました。
濱田選手の代名詞は“寝技の技術”。持ちこむことさえできれば、決して相手を逃しません。 その寝技に取り組み始めたのは、鹿児島県の鹿児島南高校に在籍していた1年生のときでした。 小・中学校時代は何の得意技もなかったという濱田選手は、寝技に取り組んで2か月後には試合で抑え込めるようになったといいます。 寝技習得のポイントにあげたのは、ひとつの技を稽古で徹底して繰り返すことでした。 相手に逃げられた際、どうしたら抑え込めるか、知恵の輪のような組み立てを、ひとつひとつ繰り返しながら技術を磨いてきました。 最も得意としているのは、カメのように腹ばいになった相手をひっくり返しての抑え込みです。 常に右腕を使って相手を返すため、左肩に比べて右肩の筋肉が大きく盛り上がっているといいます。 自衛隊体育学校に所属して以降、寝技の技術を駆使して、日本ではトップクラスの選手に成長しました。 世界選手権では2018年に初出場して金メダルを獲得したほか、続く2019年の大会でも銀メダルを獲得しました。 課題は立ち技。立った姿勢から始める柔道では、はじめから寝た状態で戦うことはできません。 立ち技で不用意に相手の正面に立って受ける癖をなくすことと、立ち技からの連係動作で寝技に持ちこむパターンを増やすこと、この2つを重点的に強化してきました。 初めてのオリンピックの大舞台で、濱田選手は持ち味を存分に生かして、抑え込みに、関節技、絞め技と、すべて寝技で勝ち上がりました。 寝技に持ちこみさえすれば必ずしとめる姿は圧巻で、遅咲きの30歳が地道な努力で綿密に練り上げてきた技術で世界を制しました。
濱田 決勝の相手に「同じやられ方しないよう対策してきた」
代名詞の“寝技の技術” オリンピックでも