日本新聞: オリンピック柔道ウルフアロン金メダル男子100キロ級

オリンピック柔道じゅうどうウルフアロン金メダルきんめだる男子だんし100キロ級きゅう

Jul 29, 2021 19:07

Furigana

東京とうきょうオリンピック柔道じゅうどう男子だんし100キロ級きゅうで、初はつ出場しゅつじょうのウルフアロン選手せんしゅが金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。日本にっぽんのこの階級かいきゅうでの金メダルきんめだるは、2000年ねんのシドニー大会たいかい以来いらい5大会たいかいぶりです。

オリンピック初はつ出場しゅつじょうのウルフ選手せんしゅは初戦しょせんの2回戦かいせんを一いち本ほん勝かち、続つづく準々じゅんじゅん決勝けっしょうを優勢勝ゆうせいがちし順当じゅんとうに勝かち上あがりました。

準決勝じゅんけっしょうではジョージアのバーラム・リパルテリアニ選手せんしゅと対戦たいせんし試合しあい開始かいし2分ふん40秒びょうごろに大内おおうち刈がりで技わざありを奪うばって優勢勝ゆうせいがちしました。

決勝けっしょうは、韓国かんこくのチョ・グハム選手せんしゅと対戦たいせんしました。

互たがいに技わざを出し合だしあいますが勝負しょうぶは決きまらず、試合しあいは延長えんちょう戦せんにもつれ込もつれこみました。

延長えんちょうでウルフ選手せんしゅは大内おおうち刈がりや内股うちまたで攻せめ続つづけ、延長えんちょう5分ふん半はんごろ、大内おおうち刈がりで一いち本ほん勝がちしました。

ウルフ選手せんしゅは初はじめてのオリンピックで金メダルきんめだる獲得かくとくです。

日本にっぽんのこの階級かいきゅうでの金メダルきんめだるは、男子だんしの日本にっぽん代表だいひょう監督かんとくを務つとめる井上いのうえ康生やすおさんが2000年ねんのシドニー大会たいかいで獲得かくとくして以来いらい、5大会たいかいぶりです。

ウルフアロン「泥臭どろくさい柔道じゅうどう貫つらぬくことできよかった」

柔道じゅうどう男子だんし100キロ級きゅうで金メダルきんめだるを獲得かくとくしたウルフアロン選手せんしゅは「自分じぶん自身じしんの泥臭どろくさい柔道じゅうどうを貫つらぬくことができてよかった。接戦せっせんになればなるほど、持ち味もちあじが出だせると思おもった」と試合しあいを振り返ふりかえりました。

この階級かいきゅうでシドニー大会たいかい以来いらいとなる金メダルきんめだるとなったことについては「自分じぶんが取り戻とりもどしてやろうと思おもっていたので、実感じっかんはないが最高さいこうです」と喜よろこびをかみしめていました。

“柔道じゅうどう三さん冠かん”達成たっせい

「柔道じゅうどう人生じんせいで一番いちばん大おおきな大会たいかい」と初はじめてのオリンピックに挑いどんだウルフアロン選手せんしゅはたび重かさなる両りょうひざのけがを乗り越のりこえて、この階級かいきゅう、日本にっぽん勢ぜいでは5大会たいかいぶりの金メダルきんめだるをもたらしました。

ウルフ選手せんしゅは、オリンピックの金メダルきんめだるを獲得かくとくしたことで”柔道じゅうどう三さん冠かん”の称号しょうごうを手てにしました。

日本にっぽんの柔道じゅうどう界かいでは、「世界せかい選手権せんしゅけん」と体重たいじゅう無む差別さべつで行おこなわれる「全日本ぜんにほん選手権せんしゅけん」、そして「オリンピック」を制せいすることを”柔道じゅうどう三さん冠かん”と呼よびます。

2017年ねんの世界せかい選手権せんしゅけんとおととしの全ぜん日本にっぽん選手権せんしゅけんを制せいしたウルフアロン選手せんしゅは、男子だんしの日本にっぽん代表だいひょうで指導しどうを受うける井上いのうえ康生やすお監督かんとくや鈴木すずき桂かつら治おさむコーチが成し遂なしとげた”三さん冠かん”に挑戦ちょうせんすることに強つよい意欲いよくを示しめしてきました。

ウルフ選手せんしゅの得意とくい技わざは、豪快ごうかいに投なげる大内おおうち刈がりや内股うちまた。

最大さいだいの持ち味もちあじは、相手あいての技わざを受うけとめる強つよさと豊富ほうふなスタミナを生いかした粘り強ねばりづよい戦たたかいです。

2017年ねんの世界せかい選手権せんしゅけんでは、6試合しあいのうち4試合しあいを延長えんちょうの末すえに制せいして金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

ところが、この戦たたかい方かたをたび重かさなるヒザのけがで変かえざるを得えなくなりました。

2018年ねんには左ひだりひざ、おととしの12月つきには右みぎひざも痛いためて両りょうひざを手術しゅじゅつしました。おととしの手術しゅじゅつ以降いこうは、リハビリやひざの状態じょうたいを見みながら稽古けいこをする時期じきが続つづき、1年ねん4か月かげつの長期ちょうき間かんにわたって試合しあいから遠とおざかりました。

復帰ふっき戦せんとなったことし4月つきの国際こくさい大会たいかいでは、相手あいての技わざを受うけきれずに技わざありのポイントを奪うばわれる試合しあいが続つづき、2位いは確保かくほしたもののウルフ選手せんしゅ自身じしんも「あんなに投なげられたのは柔道じゅうどう人生じんせいで記憶きおくに無ない」と話はなし不安ふあんを残のこす内容ないようでした。