일본어 뉴스: 虐待などで入院治療後に退院できない子ども全国で327人

虐待ぎゃくたいなどで入院にゅういん治療ちりょう後ごに退院たいいんできない子こども全国ぜんこくで327人にん

Aug 22, 2021 21:08

Furigana

虐待ぎゃくたいを受うけるなどして入院にゅういんし、治療ちりょうの必要ひつようがなくなっても受け入うけいれ先さきがないなどの理由りゆうで退院たいいんできずにいる子こどもがおととし全国ぜんこくで327人にんにのぼったことが国くにの調査ちょうさでわかりました。

専門せんもん家かは「病院びょういんは子こどもが育そだつ環境かんきょうとして好このましい場所ばしょではなく、保護ほご者しゃへの支援しえんや受け皿うけざらづくりが必要ひつようだ」と指摘してきしています。

調査ちょうさは厚生こうせい労働ろうどう省しょうの補助ほじょ事業じぎょうとして医師いしなどのグループが小児しょうにの病床びょうしょうがある全国ぜんこく943か所かしょの医療いりょう機関きかんを対象たいしょうに行おこない、351か所かしょから回答かいとうを得えました。

それによりますと、おととし虐待ぎゃくたいを受うけるなどして入院にゅういんした子こどもは1901人にんで、このうち17％にあたる327人にんが治療ちりょうの必要ひつようがなくなっても受け入うけいれ先さきがないなどの理由りゆうで退院たいいんできない状態じょうたいになっていたことがわかりました。

これは前回ぜんかい、3年ねん前まえに初はじめて行いった調査ちょうさと比くらべて72人にん、率りつにして5ポイント減へっていますが、依然いぜんとして受け皿うけざらが不足ふそくする深刻しんこくな状況じょうきょうが続つづいています。

退院たいいんできなかった期間きかんは

▽8日にち未満みまんがもっとも多おおく54％だった一方いっぽう

▽半年はんとしから1年ねん未満みまんが4％

▽1年ねん以上いじょうが4％と、長期ちょうきにわたるケースもありました。

2週間しゅうかん以上いじょう退院たいいんできなかった子こどもを年齢ねんれい別べつにみますと

▽0歳さいが52％

▽1歳さい以上いじょう3歳さい未満みまんが11％

▽3歳さい以上いじょう6歳さい未満みまんが12％で、6歳さい未満みまんが全体ぜんたいの8割わり近ちかくを占しめています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「子こどもの権利けんり擁護ようごの観点かんてんからも長期ちょうきの入院にゅういんは望のぞましくないと考かんがえている。関係かんけい機関きかんと連携れんけいして養育よういく環境かんきょうや受け皿うけざらの調整ちょうせいを進すすめたい」としています。

調査ちょうさした医師いし「実態じったいはもっと多おおい可能かのう性せい」

調査ちょうさを行おこなった関西かんさい医科いか大学だいがく総合そうごう医療いりょうセンターの石崎いしざき優子ゆうこ医師いしは「コロナ禍かで前回ぜんかいの調査ちょうさより回答かいとうした医療いりょう機関きかんが減へっており実態じったいはもっと多おおい可能かのう性せいがある。病院びょういんは子こどもが情緒じょうちょ的てきな生活せいかつをできる場所ばしょではなく生育せいいくには好このましくない。またコロナ禍かで治療ちりょうの必要ひつようの無ない人ひとが病床びょうしょうを埋うめてしまうと救すくえる命いのちが救すくえないことにもなるため乳児にゅうじ院いんなどの受け皿うけざらや保護ほご者しゃを支援しえんするサービスの充実じゅうじつが必要ひつようだ」と話はなしています。

退院たいいんできず 1日にちのほとんどを1人にんでベッドで

虐待ぎゃくたいを受うけた子こどもたちを受け入うけいれてきた大阪おおさか府立ふりつ病院びょういん機構きこう大阪おおさか急性きゅうせい期き・総合医療センターそうごういりょうせんた-の丸山まるやま朋子ともこ医師いしは、退院たいいんできない状態じょうたいの子こどもがゼロになった年としはないとしたうえで、最近さいきんは家庭かていで面倒めんどうを見みられる程度ていどの症状しょうじょうの子こが入院にゅういんし続つづけるケースが増ふえていると話はなします。

丸山まるやま医師いしは「例たとえばちょっとしたケアであっても親おやの養育よういく能力のうりょくや家庭かてい環境かんきょうの問題もんだいで行おこなうことが難むずかしくて入院にゅういんを継続けいぞくするケースや、体重たいじゅうの増ふえが悪わるい、ミルクの飲のみが悪わるいといった場合ばあいに親おやにネグレクトの傾向けいこうがあり、工夫くふうをしながら授乳じゅにゅうをするというのが難むずかしいといったケースが増ふえているように感かんじます」と話はなしていました。

退院たいいんできない子こどもたちは1日にちのほとんどを1人にんでベッドで過すごすといいます。

「ベッドやベッドの周囲しゅういしか自分じぶんの動うごける環境かんきょうがない。ベッドに閉じ込とじこめられているような状態じょうたい。病院びょういんは床ゆかをハイハイして動うごき回まわれるような環境かんきょうではないので、いろんなものに興味きょうみをもってさわりにいくといったことができない。ほかのお子おこさんや大人おとなと一緒いっしょに何なにかに取り組とりくむとか、あるいはごはんを一緒いっしょに食たべるということもありません」と話はなしていました。

受け入うけいれる病院びょういん「いつか破綻はたんしてしまう」

1つの医療いりょう機関きかんで長期間ちょうきかん引き受ひきうけることが難むずかしく複数ふくすうの医療いりょう機関きかんに入院にゅういんを繰り返くりかえすケースもあるということで、現場げんばはぎりぎりの状態じょうたいだと訴うったえます。

丸山まるやま医師いしは「子こどもにとっていちばんよいことをしたいというのが、小児しょうに科か医いだけでなく子こどもに関かかわる人ひとみんなの思おもいだと思おもいますが、公立こうりつの病院びょういんなどがなんとか頑張がんばって引き受ひきうけてくれている状況じょうきょうではいつか破綻はたんしてしまうんじゃないかと思おもっています」と話はなしていました。