南海トラフ
巨大地震の
国の
新たな
被害想定では、
津波による
死者は
最悪の
場合21
万5000
人にのぼる
一方、
多くの
人が
地震の
直後に
速やかに
避難できれば、
大幅に
減らすことが
できるとされました
南海海槽巨大地震的国家新损害预测中,最坏情况下因海啸造成的死亡人数将达到21.5万人,但如果许多人能够在地震后立即迅速避难,则可以大幅减少。
しかし、避難を後押しするために各地で指定が進む「津波避難ビル」について、専門家によるWEBアンケートで、認知度に課題があることが浮き彫りになっています
但为了推动撤离而在各地指定的“海啸避难大楼”,在专家的网络问卷调查中,暴露出了认知度存在问题。
大阪・梅田で、専門家と検証しました
津波の死者 早期避難で全国「7割減」 大阪「9割減」
国が3月31日に公表した南海トラフ巨大地震の新たな被害想定では、マグニチュード9クラスの最悪ケースの場合、死者は全国で29万8000人にのぼりこのうち7割にあたる21万5000人が津波で命を落とすとされています
“海啸死亡人数 通过早期避难全国“减少7成” 大阪“减少9成”<br>国家在3月31日公布的南海海槽巨大地震的新损失预估中指出,如果发生震级9级的最坏情况,全国死亡人数将达到29万8000人,其中7成相当于21万5000人将因海啸而丧生。”
ただ、としています
津波の到達までに時間がかかる地域では早期避難の効果が特に高く、するとされています
「津波避難ビル」の指定進む 大阪は約700棟増
速やかな避難を後押しするため、都市部では、耐震基準を満たした頑丈で十分な高さがある建物を「津波避難ビル」に指定する取り組みが進んでいます
(<br>“海啸避难大楼”指定推进 大阪增加约700栋<br>为了促进迅速避难,在城市地区,正在推进将符合抗震标准且足够坚固和高的建筑物指定为“海啸避难大楼”的工作。)
津波避難ビルは、内閣府の調査では2023年4月の時点で、40の都道府県の合計で1万4726棟にのぼっています
根据内阁府的调查,截至2023年4月,海啸避难大楼在40个都道府县的总数达到14726栋。
【都道府県別の内訳】
▽大阪府 2150棟、▽愛知県 1309棟、▽静岡県 1238棟、▽兵庫県 1200棟、▽徳島県 1121棟、▽神奈川県 1083棟、▽東京都 423棟など
指定はこの数年でも進んでいて、大阪府については沿岸部の13の市と町に最新の指定状況を確認したところ、あわせて2835棟と、2年前よりおよそ3割(+685棟)増えていたことがわかりました
<br>【按都道府县分类】<br>▽大阪府 2150栋、▽爱知县 1309栋、▽静冈县 1238栋、▽兵库县 1200栋、▽德岛县 1121栋、▽神奈川县 1083栋、▽东京都 423栋等<br>指定在这几年也在推进,关于大阪府,确认了沿海地区的13个市和町的最新指定情况,总共为2835栋,比两年前增加了大约3成(+685栋)。
津波避難ビル「知らない」が約9割 大阪・梅田
ただ、ことを示す調査結果もあります
<br>约9成不知“海啸避难大楼” 大阪·梅田<br>但也有显示情况的调查结果
関西大学の奥村与志弘教授は、JR大阪駅周辺の梅田での避難行動について、アンケート調査を行いました
奥村与志弘教授在关西大学对JR大阪站周边的梅田地区的避难行为进行了问卷调查。
梅田は、
大阪府の
想定で、
最悪の
場合、
津波で2
メートル浸水する
おそれが
あるとされています
大阪府预计,最坏情况下,梅田可能会因海啸而被淹没2米。
●避難意識に関するアンケート(関西大学 奥村与志弘教授)
期間:2024年12月~2025年1月
対象:大阪・北区、高槻市、兵庫県尼崎市に住む1200人のモニター
このなかで「日中、梅田の周辺にいる時に、南海トラフ巨大地震が発生し、大阪府の沿岸に大津波警報が出された場合」の行動を尋ねると、しました
(<br>●避难意识调查(关西大学 奥村与志弘教授)<br>期间:2024年12月~2025年1月<br>对象:居住在大阪・北区、高槻市、兵库县尼崎市的1200名监测者<br>在这其中询问了“白天在梅田周边时,发生南海海槽大地震,大阪府沿岸发布大海啸警报时”的行为,结果如下
一方で、大阪市が避難先として指定を進めている
「
知っていた」
人はわずか14%でした
また、「避難先としてどこを目指すか」尋ねると、梅田周辺には無い「高台」をあげた人が4割にのぼるなど、多くの人が具体的な避難先をイメージできていない可能性があることが浮き彫りになりました
“此外,当被问及‘避难时将前往何处’时,选择梅田周边没有的‘高地’的人达到四成,这突显出许多人可能无法具体想象避难地点。”
関西大学 奥村与志弘教授
「梅田の津波リスクは認識されるようになってきましたが、このままだと実際に避難が必要になった時に、適切に避難することは難しいかもしれません
关西大学奥村与志弘教授<br>「梅田的海啸风险逐渐被人们所认识,但如果情况继续这样发展,实际需要避难时,可能很难进行适当的避难。」
津波避難ビルの
周知を
強化するとともに、
仮に認知度が
低かったとしても、
災害が
起きた
際に
津波避難ビルの
場所がわかる
仕組みを
整備する
必要があります」
大阪・梅田で検証!他のビルには逃げられる?
では、とっさに避難しようと思った時、「津波避難ビル」に指定されていなくても、逃げ込めるビルはあるのか
“需要加强对海啸避难大楼的宣传,即使认知度较低,也需要建立在灾害发生时能够知道海啸避难大楼位置的机制。”<br>大阪·梅田进行验证!其他大楼可以逃生吗?<br>那么,当紧急避难时,即使不是指定的“海啸避难大楼”,是否有可以逃入的大楼?
関西大学の奥村与志弘 教授と、実際に大阪・梅田の街を歩きながら、ビルの様子を確認しました
奥村与志弘教授与我们一起在大阪梅田的街道上步行,确认了大楼的情况。
JR大阪駅近くにある商業施設が入ったビル
屋外の階段を使ってビルの2階に上がることができます
奥村教授は「建物に入らなくても、直接2階に上がることができるので、いざ津波が迫った時には、一般の人が頼りにする建物だと思う」と指摘しました
奥村教授指出:“即使不进入建筑物,也可以直接上到二楼,所以在海啸逼近时,我认为这是普通人可以依赖的建筑物。”
また、建物の1階部分に、飲食店やコンビニエンスストア、銀行のATMなどがあるビルもありました
建筑物的一楼部分也有餐饮店、便利店、银行ATM等的建筑。
奥村教授によると、ふだんから利用できる施設がある場合には、建物に入りやすいため、避難する人の選択肢に入りやすいということです
根据奥村教授的说法,如果平时有可以使用的设施,因为容易进入建筑物,所以更容易成为避难者的选择。
一方、オフィスビルが建ち並ぶエリア
ビルの入り口にセキュリティーゲートが設けられているケースや、従業員以外の立ち入りを禁止する掲示があるケースもありました
大楼入口处设置安全门的情况,以及禁止非员工进入的告示的情况也有。
奥村教授によると、オフィスは第三者に見られると困る資料などもあって建物の入り口のセキュリティーが厳しく、「避難する人を受け入れるのは容易ではない」ということです
根据奥村教授的说法,办公室有一些资料如果被第三者看到会很麻烦,因此建筑物的入口安保很严格,“接纳避难的人并不容易”。
ただ、「ビルの所有者側も避難してくる人がいた場合、受け入れるか、拒むのか、葛藤や悩みが出てくるはずだ」とも指摘していました
“此外,他还指出,‘如果有避难者到来,建筑物的所有者也会面临是否接纳或拒绝的困扰和烦恼。’”
逃げ込めそうなビルは1割だけ 大阪 御堂筋沿い
一体、どのくらいのビルが、避難先として利用できる可能性があるのか
<br>只有一成的建筑物可以作为避难所 大阪 御堂筋沿线<br>究竟有多少建筑物可能被用作避难所
奥村教授の研究グループは、2024年2月から12月にかけて、御堂筋沿いのビルのうち、扇町通から平野町通までの1
奥村教授的研究小组将在2024年2月至12月期间,调查御堂筋沿线从扇町通到平野町通之间的建筑。
7
キロの
区間に
ある61
棟(いずれも「
津波避難ビル」ではない)を
調査しました
在7公里的区间调查了61栋建筑(均非“海啸避难大楼”)。
すると、▽大阪市が指定する津波避難ビルと同様の耐震基準を満たした上で、▽建物の1階が商業施設や公共施設になっていて入りやすく、さらににとどまりました
<br>然后,在满足大阪市指定的海啸避难大楼相同抗震标准的基础上,建筑物的一楼为商业设施或公共设施,便于进入,进一步停留
耐震基準を満たしたビルは35棟ありましたが、このうち7棟は、1階にセキュリティーゲートが設置されるなど、一般の人が立ち入ることが難しい建物でした
共有35栋建筑符合抗震标准,但其中7栋在一楼安装了安全门等设施,普通人难以进入。
残りの28棟は、1階が商業施設や公共施設で入りやすい建物でした
<br><br>剩下的28栋建筑,一楼是商业设施和公共设施,容易进入
ただ、
このうち16
棟は、2
階と3
階に
会社などが
入っていて、
一般の
人は1
階より
上には
上がりにくい
状況になっています
不过,其中16栋楼的2楼和3楼有公司等入驻,普通人很难上到1楼以上的楼层。
その結果、▽2階まで上がりやすいビルが6棟、▽3階まで上がりやすいビルが6棟だったということです
结果显示,有6栋楼可以轻松到达2楼,有6栋楼可以轻松到达3楼。
一方、3階に逃げ込めそうなビルのなかには、地震の揺れでエレベーターが停止した場合に利用することになる「非常階段」が、従業員専用の通路を通る必要があったり、施錠されていたりするケースもあったということです
另一方面,据说在一些可以逃到三楼的建筑物中,如果由于地震的摇晃导致电梯停止使用,人们需要使用“紧急楼梯”,但有时这些楼梯需要通过员工专用通道,或者是被锁住的。
関西大学 奥村与志弘教授
「東日本大震災の際には、多くの人が、津波避難ビルに指定されていないビルに逃げ込んで助かりました
关西大学 奥村与志弘教授<br>“在东日本大地震时,很多人逃到未被指定为海啸避难大楼的大楼中得以幸存。”
実際に
南海トラフ
巨大地震が
起きた
時には、
津波避難ビルではないビルを、
多くの
人が
頼る可能性があります
实际上,当南海海槽发生巨大地震时,许多人可能会依赖不是海啸避难大楼的建筑物。
とっさに
逃げ込め
そうな
ビルを
増やしておくことで、
津波から
身を
守れる安全な
街になって
いくと
思います」
“我认为,通过增加可以立即逃生的建筑物,城市将变得更加安全,从而保护自己免受海啸的侵害。”