専門家でつくる検討会は、南海トラフの想定震源域やその周辺で観測されたデータを分析しました。
6月4日から6日にかけて想定震源域では「深部低周波地震」と呼ばれる小規模な地震が、四国西部で観測されたということです。
これに伴って、周辺の複数の「ひずみ計」で、わずかな地殻変動が観測されましたが、想定震源域のプレートの境目が深いところでゆっくりとずれ動く「短期的ゆっくりすべり」が原因とみられるということです。
また、紀伊半島西部、四国の中部や東部、それに九州南部では、おととしや去年以降、地殻変動が継続的に観測されていますが、プレートの境目が年単位でゆっくりとずれ動く「長期的ゆっくりすべり」が原因とみられるということです。
いずれもこれまでたびたび観測されている現象だということで、検討会は「大規模な地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。