Japanese News: 毒持つ毛虫「チャドクガ」大量発生皮膚炎の患者相次ぐ千葉

毒どく持もつ毛虫けむし「チャドクガ」大量たいりょう発生はっせい皮膚ひふ炎えんの患者かんじゃ相次あいつぐ千葉ちば

Jun 25, 2020 11:06

Furigana

外出がいしゅつする機会きかいが増ふえる中なか、千葉ちば県けんなどでは「チャドクガ」というガの、毒どくを持もつガの毛虫けむしが大量たいりょうに発生はっせいし、風かぜで飛び散とびちった毛けに触ふれることで起おきる皮膚ひふ炎えんの報告ほうこくが相次あいついでいるとして、医師いしなどが注意ちゅういを呼よびかけています。

チョウやガの幼虫ようちゅう、いわゆる「毛虫けむし」のうち、チャドクガの毛虫けむしはつばきやさざんかの葉はを好このみ、体からだを覆おおう長ながい毛けとは別べつに、黒くろく見みえる模様もようの部分ぶぶんに「毒どく針はり毛け」と呼よばれる、毒どくを持もつ毛けが30万まん～50万まん本ほん生はえています。

これは長ながさわずか0.1ミリほどと肉眼にくがんでは見みえず、軽かるいため、直接ちょくせつ触さわらなくても風かぜで飛び散とびちり、気付きづかないうちに肌はだに触ふれると皮膚ひふ炎えんを引き起ひきおこします。

千葉ちば市し若葉わかば区くの皮膚ひふ科かの診療しんりょう所しょには、4月つきごろからかゆみの症状しょうじょうを訴うったえる患者かんじゃが相次あいついで訪おとずれています。

赤あかく細こまかい発疹はっしんが広ひろがり、1週間しゅうかんから10日にちほど強つよいかゆみが続つづくのが特徴とくちょうで、一般いっぱんには飲のみ薬やくと塗り薬ぬりぐすりで治療ちりょうします。

この診療しんりょう所しょでは、この間このかん、チャドクガによる皮膚ひふ炎えんと診断しんだんされた患者かんじゃは32人にんと、去年きょねんの同おなじ時期じきに比くらべて4倍ばいに増ふえました。

住宅じゅうたく設備せつび業ぎょうの28歳さいの男性だんせいは庭にわでの作業さぎょう後ごに症状しょうじょうが出でて、作業さぎょう着ぎを着きていたにもかかわらず体からだ全体ぜんたいに発疹はっしんが広ひろがり、「最初さいしょはあせもかなと思おもったが、次第しだいに広ひろがってきた。ずっとかゆくてしんどいです」と話はなしていました。

小学しょうがく5年生ねんせいの女の子おんなのこは校庭こうていで掃除そうじ中ちゅうに症状しょうじょうが出でたとみられ、「かゆくて夜中よなかに起おきてしまい、冷ひやしても全然ぜんぜん治なおらなかった。怖こわいし、不気味ぶきみです」と話はなしていました。

県内けんないの各かく自治体じちたいによりますと、先月せんげつ以降いこう、県内けんないの北西ほくせい部ぶを中心ちゅうしんに公園こうえんや道路どうろ沿ぞいのつばきやさざんかにチャドクガが大量たいりょうに発生はっせいし、駆除くじょを行おこなったということです。

このうち習志野ならしの市しでは宮本みやもと泰介たいすけ市長しちょうが公式こうしきの動画どうがサイトで「密集みっしゅう、密接みっせつした状態じょうたいで身みを寄よせ合あっている。数すう年ねんに一いち回かいの大量たいりょう発生はっせいです」と注意ちゅういを呼よびかけています。

千葉ちば県けん皮膚ひふ科か医い会かいの千せん見み寺てらひろみ会長かいちょうは「移動いどう自粛じしゅくは緩和かんわされ外出がいしゅつする機会きかいは増ふえているが、特とくに風かぜの強つよい日ひにはつばきやさざんかなどに近ちかづかないでほしい」としたうえで「肌はだに触ふれると炎症えんしょうが強つよく、市販しはん薬やくは効ききにくい。かきすぎると『とびひ』になるなどさらに悪化あっかするので、早はやめに診察しんさつを受うけてほしい」と話はなしていました。

8月つき下旬げじゅん以降いこうに「第だい2波は」も

虫むしによる皮膚ひふ炎えんに詳くわしい兵庫ひょうご医科いか大学だいがくの夏秋なつあき優ゆう准じゅん教授きょうじゅによりますと、毛虫けむしだけでなく、ガの成虫せいちゅう、脱皮だっぴしたあとの殻から、死骸しがいにも毒どくが残のこっていることがあるので注意ちゅういが必要ひつようで、

毒どくのある毛けに触ふれた服ふくは2～3回かいは洗あらったほうがよいということです。

チャドクガの毛虫けむしは、毛虫けむしを餌えさとする蜂はちや野鳥やちょうの活動かつどうが停滞ていたいする、雨あめが多おおい年としに増ふえるとも言いわれていますが、詳くわしい理由りゆうはわかっていないということです。

また一般いっぱん的てきに、5月つきから6月つきだけでなく8月つき下旬げじゅんから9月つきにかけても再ふたたび発生はっせいするため注意ちゅういが必要ひつようで、いわゆる「第だい2波は」が来くる前まえの8月つき中旬ちゅうじゅんごろ、薬くすりをまいたり木きを短みじかくせんていしたりするのが有効ゆうこうだということです。