共同生活を記録するフジテレビの番組、「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さんはことし5月、SNS上でひぼう中傷を受ける中、自殺したとみられています。
きっかけとなったのは、番組の中で花さんが大切にしていた試合の衣装を誤って乾燥機にかけてしまった男性出演者を叱責し、帽子をはたく場面がネットやテレビで配信・放送されたことで、その後、花さんへのひぼう中傷が相次ぎました。
この言動について、母親の響子さん(43)は、花さんから「撮影前にスタッフから『ビンタぐらいしたらいいじゃん』とあおられた。でも、ビンタはできなくて、苦し紛れに帽子をはたいた。プロレスラーらしくふるまってほしい。1のことを100にして盛り上げてほしいと言われた」と打ち明けられたとして、演出の指示があったのではないかと主張しています。
また出演者はすべての演出の指示に従うよう求める誓約書が交わされていて、花さんの言動が制限されていたとしています。
母親によりますと、演出の指示に従って番組内で暴力的な女性として描かれ、人格権の侵害があったとして、15日、BPO=「放送倫理・番組向上機構」の放送人権委員会に対し、審議を申し立てる書類を提出しました。
母親 響子さん「公平 公正に見てどうだったのか調べてほしい」
木村花さん(22)の母親の響子さん(43)は初めてテレビのインタビューに応じました。
審議を申し立てる書類を提出したことについて「第三者の方に公平に公正に調べてもらうにはどのような方法があるのだろうと考えてこういうやり方があると知り、たどりつきました」と話しました。
そのうえで最も訴えたいこととしては「人として扱われていなかったと思います。指示された演出が炎上したとき、対応できたことがあったのではないかと思いますが、それを地上波で放送したり、ネット配信で追加したりされました。泣きすぎて過呼吸を起こしていても撮影をやめてもらえませんでした。もし花が自分の大事な家族だったら、恋人だったら同じことができますかと私は思ったし、視聴率とはかりにかけられたときに、公平、公正に見てどうだったのか調べてほしいです」と話していました。
またSNS上でのひぼう中傷については「みんながひと事ではなく、当事者意識をもって何気なく言った憂さ晴らしのひと言がどれだけ相手の心を傷つけるのか本当に考えてほしいです」と話していました。
そして、いま、花さんへの思いとして、「花は本当に私を強くさせる存在でした。花を育てる過程で、私が強くならないと守れないというのがあり、どこまででも強くなれたし、頑張れたし、今も同じ気持ちです」と涙を流しながら話していました。
花さん 家族との写真にははにかむような笑顔も
亡くなった木村花さんの母親の響子さん(43)から提供を受けた写真には、家族と笑顔で写る表情などがおさめられています。
現役のプロレスラーだった響子さんが当時中学生だった花さんの肩を抱いている様子や、ピンク色のプロレスの衣装に身を包んで力こぶをつくる花さん、それに響子さんが花さんのイベントを手伝った際に親子が同じポーズをする仲むつまじい様子が残されています。
また花さんが亡くなる8日前、祖母の誕生日を祝ったときに撮影された写真では、家族で誕生日ケーキを囲み、花さんははにかむような笑顔を見せていました。
フジテレビ 誓約書は「無理強いする内容ではない」
フジテレビは今月3日に開いた記者会見で、出演者との間で、撮影の段取りやスケジュールなどについて出演者が指示に従うことが盛り込まれた誓約書を交わしていたことを明らかにしたうえで、「行動を無理強いするとか、感情表現を曲げるといった内容ではない」と説明していました。