ソフトは、違法行為に関わるおそれのある質問には原則、回答しない仕組みになっていて、直接的な質問では回答が拒否されましたが、セキュリティー会社の担当者が、工夫して質問すると回答が得られ、結果的にウイルスの作成などが可能になりました。
こうしたAIをめぐっては、ハッカーなどが情報交換するアンダーグラウンドのフォーラムで、サイバー攻撃への活用法などさまざまな議論や提案が活発に行われているということで、専門家の間から懸念の声が上がっています。
また、人間とAIの関係などを研究する情報学が専門の国立情報学研究所の佐藤一郎教授は「生成系AIを使う人間側に、これは使うべき、使わないべきという判断が求められる。人間がAIをコントロールするという姿勢を忘れてはいけない」と話しています。
AI研究家の清水亮さんはChatGPTと画像生成AIを使って、漫画を制作する「実験」を行っています。 清水さんがChatGPTに登場人物や物語の舞台の設定を与えたところ、主人公の口癖や敵対する組織の名前などを生成しながら、あらすじを提案していったということです。あらすじに沿って、漫画に必要な絵は別の画像生成AIで生成し、それぞれが生み出した「あらすじ」と「絵」を組み合わせて、SF漫画「宇宙の探偵 五反田三郎」を制作しました。 24世紀の未来、木星の衛星エウロパの都市に住む私立探偵 五反田三郎が、地球から来た女性ヘレナを謎の追っ手から助けたことをきっかけにさまざまな事件をともに解決していく物語で、主人公は、AIが提案した台詞、「宇宙の探偵、五反田三郎です」が口癖です。
フランスの一部の大学では不正や盗作などを防ぐことを目的として、ChatGPTを含めたAIツールについて、使用を明確にせずに論文やプレゼンテーションに使用することを禁止するとことし1月に発表しました。 アメリカの公立学校の一部でも使用を禁止するところがあると伝えられているほか、アメリカの大学ではChatGPTで出力された文章かどうかを調べるツールも開発されるなど、生成系AIがもたらすリスクに対応する動きも活発になっています。
広がるAIの利用 漫画制作も
海外では一部 規制の動きも