Japanese News: 北朝鮮ミサイル元海将香田洋二さん解説【全文】

北朝鮮きたちょうせんミサイル元もと海うみ将しょう香田こうだ洋二ようじさん解説かいせつ【全文ぜんぶん】

Oct 4, 2022 12:10

Furigana

北朝鮮きたちょうせんのミサイル発射はっしゃについて、海上かいじょう自衛隊じえいたいで司令しれい官かんを務つとめた元もと海うみ将しょうの香田こうだ洋二ようじさんに聞ききました。

今回こんかいのミサイルの注目ちゅうもく点てんは？

飛ひしょう距離きょりです。

4000キロということですので、最近さいきん、北朝鮮きたちょうせんが非常ひじょうに数多かずおおく発射はっしゃしていたものとは違ちがって、しっかりと弾道だんどうミサイルで遠距離えんきょりを撃うった。

グアムまで届とどくことは十分じゅうぶんに示しめしたということなんで、まだ発表はっぴょう等とうはありませんが、火星かせい12型がたというIRBM＝中距離ちゅうきょり弾道弾だんどうだんか、それに近ちかいものだろうという想定そうていはできると思おもいます。

これまでと何なにが違ちがう？

2017年ねん9月つきに日本にっぽん列島れっとうを通過つうかした火星かせい12型がたは、北朝鮮きたちょうせんはグアムに届とどくものだと言いってたんですが、グアムには届とどかない飛ひしょう距離きょりだったんです。

世界せかいの軍事ぐんじ専門せんもん家かとしては、燃料ねんりょうと弾頭だんとう重量じゅうりょうとの振り分ふりわけ等とうをうまくやれば、グアムまで届とどくということではありますが。

今回こんかい4000キロ飛とばしたということで、火星かせい12型がたと断定だんていはできませんけれども、今いままでなかなか4000キロに届とどかなかったのを、しっかり4000キロを飛とばしたということで、その後そのごの改良かいりょうもしっかりして戦力せんりょく化かが進すすんでいるということを示しめしたというふうに見みることができると思おもいます。

疑問ぎもんの余地よちがなく、いわゆる弾道だんどう飛行ひこうで4000キロ級きゅうを示しめしたということだと思おもいます。

今回こんかいの飛ひしょう距離きょりの評価ひょうかは？

4000キロというのが事実じじつとしますと、比較的ひかくてき重おもい弾頭だんとうも積つめるということなんです。燃料ねんりょうをちょっと減へらして。

グアム島とうを想定そうていするということで言いいますと、北朝鮮きたちょうせんからですと4000キロちょっとでも十分じゅうぶん届とどきますので、あまり燃料ねんりょうを心配しんぱいせずにしっかりとした弾頭だんとうも積つめる、ひょっとしたら核かくまで積つめる、そういうところまで示しめしている。

われわれはそういうふうに想定そうていする必要ひつようがあるということですね。

技術ぎじゅつ力りょくは上あがっている？

前回ぜんかい、5年ねん前まえに2回かいミサイルを発射はっしゃして、私わたしは2回かい目めに4000キロ飛とばすかと思おもったら、実際じっさいは飛とばさなかったんで。

そのときにおそらく北朝鮮きたちょうせんとしたら4000キロ飛とばして世界せかいに誇ほこりたかったんですが、これは何なんらかの理由りゆうで届とどかなかったということで。

私わたしは今こんアメリカにいるんですが、アメリカの専門せんもん家かなんかは、やっぱり4000キロに満みたないものは戦力せんりょくじゃないよということを堂々どうどうと言いってました。

今回こんかい、青森あおもり県けんの東側ひがしがわ4000キロということで、日本海にほんかいの1300キロぐらいを考かんがえますと、5000キロを超こえる、5500キロとかそのあたりということになってきますと、それはIRBMということです。

それが新型しんがたなのか、火星かせい12型がたを改良かいりょうしたものかというのは、この先さきさらに情報じょうほうが必要ひつようだと思おもいますけれども、1つのポイントは火星かせい12型がたは北朝鮮きたちょうせんで非常ひじょうに安定あんていしたミサイルなんですね。

安定あんていした弾道だんどうミサイルですので、決きめつける必要ひつようはありませんけれども、それの1つの系列けいれつ、あるいはそれを改善かいぜんしていって、しかも燃料ねんりょうをあまり減へらさなくても核かく弾頭だんとうも十分じゅうぶんに積つめるというということについては、今いまの発表はっぴょうの数値すうちが事実じじつとすると、そこまで想定そうていをしておく必要ひつようがあるということですね。

今後こんごの北朝鮮きたちょうせんの出方でかたは？

北朝鮮きたちょうせんに残のこってる宿題しゅくだいはですね、ICBM＝大陸たいりく間かん弾道だんどうミサイルをロフテッド軌道きどうでしか撃うってないんですね。

アメリカの友人ゆうじんの専門せんもん家かに聞きくと、ロフテッド軌道きどうは実弾じつだん道どうとは全然ぜんぜん違ちがうんで、本当ほんとうにアメリカに対にたいしてものを言いうのであれば、きちっと1万まんキロを飛とぶということについて、いわゆる通常つうじょう用ようの射程しゃていで1万まんキロを飛とばす必要ひつようがあるということは、一般いっぱん論ろんとして言いってます。

次つぎ、ひょっとしたら最新さいしん型がた、火星かせい17型がた、こういうものを含ふくめたものを1万まんキロ超こえて撃うってくるということについてはありうると、必かならずあるとは言いいませんけれども、覚悟かくごしておく必要ひつようがあるんだろう、あるいは準備じゅんびをしておく必要ひつようがあるんだろうというふうに考かんがえます。