IAEA=
国際原子力機関は
北朝鮮の
核開発に関する
新たな
報告書をまとめ、
完全な
非核化を
目指すとした、ことし
4月の
南北首脳会談のあとも
北朝鮮が
核施設の
一部を
稼働させていた
兆候が
あると
指摘して、
強い懸念を
示しました。
IAEA=
国際原子力機関は、
来月開かれる
年次総会を
前に
北朝鮮の
核開発に関する
新たな
報告書を
1年ぶりにまとめて、
21日までに
公表しました。
それによりますと、衛星写真や公開情報でニョンビョン(寧辺)の核施設を分析した結果、使用済み核燃料棒からプルトニウムを取り出す施設で、ことし4月終わりから5月はじめにかけて、蒸気を扱う設備を稼働させていた兆候があったとしています。
ことし4月の北朝鮮と韓国の首脳会談では「完全な非核化は南北共通の目標」だとされましたが、首脳会談のあとも北朝鮮が核施設の一部を稼働させていたことになります。
また、実験用の原子炉やウラン濃縮施設などほかの核施設についても、詳しい時期を特定しなかったものの去年8月以降も活動が続いている兆候があると指摘しました。
IAEAは、北朝鮮の活動が国連安全保障理事会の決議に違反しているのは明らかだとしたうえで「現地を査察できない以上、IAEAの有する知見は限定的で小さなものになりつつある」と述べ、このほかにも把握できていない活動が行われている可能性もあるとして強い懸念を示しました。