発生から2日で3週間になりますが、依然として行方はわかっていません。
これまでの調べで、樋田容疑者は、以前から弁護士に対し面会が終わったことを署員に伝えずに帰るよう促していたほか、留置場の居室からは署員の名前に印が付けられたカレンダー形式のメモが見つかり、警察は、監視が緩む特定の担当者の日を狙って計画的に逃走したと見ています。
さらに接見室を詳しく調べたところ、天井部分に複数のへこみが見つかったということです。
形状から、いすの上に乗って強くたたくなどした疑いがあるということで、警察は樋田容疑者が当初、天井を破って逃げようとした可能性があると見て、詳しいいきさつを調べています。
また、警察は、樋田容疑者の似顔絵を公開するなどして広く情報を求め、行方を捜査しています。情報の提供先は富田林警察署で、電話番号は0721-25-1234です。
逃走後判明している足取り
樋田容疑者は、先月12日の午後8時以降に大阪の富田林警察署の留置場から逃走したあと、警察署の近くで赤い自転車を盗んで北へ向かったと見られ、自転車はおよそ6キロ先の大阪・羽曳野市内の住宅街で乗り捨てられているのが見つかりました。
この場所の近くでは、当日、クロスバイクと呼ばれるよりスピードが出るタイプの白い自転車が盗まれたほか、住宅の外に干してあったスパッツや水着も盗まれていたことがわかっています。
防犯カメラの映像から樋田容疑者は2台目の白い自転車に乗り換えたうえ、服を着替えてさらに北へ向かったと見られます。そして自転車が乗り捨てられた場所から4キロほど北に離れた実家がある松原市内の路上で黒いミニバイクを盗んだ疑いがあります。
日付が変わった8月13日は午前2時ごろから3時ごろにかけて、大阪市中心部の浪速区で2件のひったくりをした疑いがあります。
それからまもなく、13日の未明の時間帯には再び松原市内に戻ったと見られ、市内の防犯カメラには樋田容疑者と見られる男が、何かを食べながら歩いている様子が映っていました。警察はひったくりで手に入れた現金で買い物をした可能性があると見ています。
同じ13日の夜には、午後9時ごろに羽曳野市で、午後11時ごろに、大阪・平野区でひったくりを行い、被害品のうち位置情報が追跡できる携帯電話だけを羽曳野市の隣の富田林市内に止めてあった軽トラックの荷台に投げ入れ、そのほかのバッグなどは、富田林市から20キロ以上離れた大阪・西淀川区の河川敷に捨てに行ったと見られています。
さらに、そのまま川を渡って兵庫県尼崎市に入った疑いがあり、14日の午前1時ごろには、JR立花駅の近くで黒いミニバイクに乗った樋田容疑者と見られる男がうろつく姿が防犯カメラに映っていました。
防犯カメラの画像を解析してその後の足取りを調べたところ、男は尼崎市からすぐに大阪市内に戻っていて、午前2時半ごろには大阪・浪速区の防犯カメラに映っていたということです。
さらに、樋田容疑者は、14日の午後11時20分ごろには大阪・生野区で、15日の午後9時15分ごろには大阪・東住吉区でひったくりを繰り返した疑いがあります。
警察によりますと、6件のひったくりで合わせて5万円余りの現金を手に入れた可能性があるということです。
一方、16日以降は、樋田容疑者の犯行と見られるひったくりは発生しておらず、具体的な足取りは確認されていないということです。