その後、「時間ですよ」や「ムー一族」などに出演して、個性豊かで存在感のある演技を見せたほか、番組の中で歌った郷ひろみさんとのデュエット曲「お化けのロック」や「林檎殺人事件」がヒットしました。
昭和61年に放送されたNHKの連続テレビ小説、「はね駒」では高い演技力が評価され、芸術選奨文部大臣賞を受賞しました。
映画でも活躍し、「東京タワーオカンとボクと、時々、オトン」と「わが母の記」で、日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞しています。
また、ことし、フランスのカンヌ映画祭で最優秀賞のパルムドールに選ばれた是枝裕和監督の映画「万引き家族」に出演するなど、国際的にも高い評価を受けていました。
このほか、テレビのコマーシャルにも数多く出演し、個性派の俳優として幅広い年代から親しまれました。
平成26年には旭日小綬章を受章し、この時の取材に対して、「役者は行きがかり上、なってしまいましたが、50年もやっていくことになるとは思いもよりませんでした。役者は世の中の何かを体を使って映し出すものだと思います」と話していました。
樹木さんは、網膜剥離のため左目を失明したことを平成16年に明かしたほか、翌17年には乳がんの手術を行い、平成25年にはがんが全身に転移していることを公表していました。
その後も芸能活動を続けていましたが、関係者によりますと、15日未明、東京都内の自宅で家族に囲まれながら亡くなったということです。
最後は家族に囲まれ
都内にある樹木希林さんの自宅には、30人ほどの報道陣が集まっていて、時折、喪服姿の人たちが自宅の中に入っていく様子が確認できます。
午後5時すぎからは、樹木さんの義理の息子、本木雅弘さんの事務所関係者が取材に応じ「樹木さんはきのう、自宅で家族に囲まれて静かに息を引き取りました。自宅では近親者だけで通夜を行っています。家族は皆さんきぜんとしていますが、私自身はとても驚いて動揺しています」と述べました。
小林亜星さん「大変残念」
人気ドラマ「寺内貫太郎一家」で樹木さんと共演した小林亜星さんは、「長い間、体調を悪くされておられたそうで、心配しておりましたが、このような結果となり、大変残念な思いです。寺内貫太郎一家のメンバーもほとんど亡くなられて、寂しい限りです。心よりご冥福をお祈りいたします」というコメントを出しました。