日本新聞: 樹木希林さん去年撮影の映画が来月公開へ

樹木きき希林きりんさん去年きょねん撮影さつえいの映画えいがが来月らいげつ公開こうかいへ

Sep 17, 2018 04:09

Furigana

樹木きき希林きりんさんは、来月らいげつ13日にちに公開こうかいされる映画えいが「日日ひにち是ぜ好日こうじつ」に出演しゅつえんし、去年きょねんの11月つきから12月つきにかけて撮影さつえいに参加さんかしていました。「日日ひにち是ぜ好日こうじつ」は、黒木くろき華はなさん演えんじる主人公しゅじんこうが茶道さどうを通をとおして人生じんせいを学まなんでいく物語ものがたりで、樹木ききさんはこの中なかで茶道さどうの先生せんせいの役やくを演えんじています。

樹木ききさんが亡なくなったことを受うけて、黒木くろきさんは「突然とつぜんすぎて、なんと言いえばいいか本当ほんとうに言葉ことばが浮うかびません。希林きりんさんとお仕事しごとをご一緒いっしょできたことはとても光栄こうえいでしたし、かけがえのない時間じかんでした。もっと、もっと、お話おはなししたかったです」とコメントしました。

また、主人公しゅじんこうとともに茶道さどう教室きょうしつに通かよういとこの役やくを演えんじた多た部ぶ未み華子はなこさんは「突然とつぜんのことで言葉ことばがどうしてもつまってしまいます。寒さむい撮影さつえいの中なか、樹木ききさんの控え室ひかえしつにお邪魔じゃまして、２に人にんで膝掛ひざかけを分け合わけあいながらお話おはなししたこと、忘わすれません。今いまはただただ、ご冥福めいふくをお祈おいのりいたします」とコメントしています。

大森おおもり立りつ嗣監督かんとくは「公開こうかい初日しょにちにお会あいできると思おもっていたのに、残念ざんねんです。撮影さつえいしながら希林きりんさんのことが大好だいすきになっていきました。大事だいじなことをひょうひょうと語かたる姿すがたが目めに浮うかびます。出会であえたことは僕ぼくの財産ざいさんです。今いまはただご冥福めいふくを祈いのるばかりです」としています。

是枝これえだ裕和ひろかず監督かんとく「感謝かんしゃの気持きもちでいっぱい」

樹木きき希林きりんさんは、フランスのカンヌ映画えいが祭さいで最優秀さいゆうしゅう賞しょうに選えらばれた映画えいが「万引まんびき家族かぞく」で一家いっかの「祖母そぼ」の役やくを演えんじ、リリー・フランキーさんや安藤あんどうサクラさんとともに複雑ふくざつな事情じじょうを抱かかえる貧まずしい家族かぞくの姿すがたを描き出えがきだして、高たかい評価ひょうかを受うけました。

是枝これえだ裕和ひろかず監督かんとくは「歩あるいても歩あるいても」や「海うみよりもまだ深ふかく」などほかの作品さくひんでも樹木ききさんを起用きようしてきました。

樹木ききさんが亡なくなったことを受うけて是枝これえだ監督かんとくはコメントを出だし、「僕ぼくが希林きりんさんとご一緒いっしょしたのは、彼女かのじょの長ながいキャリアの中なかで最後さいごの10年ねんちょっとに過すぎませんが、監督かんとくと役者やくしゃという関係かんけいを超こえて、とても濃密のうみつな、楽たのしい時間じかんを共有きょうゆうさせて頂いただき、感謝かんしゃの気持きもちでいっぱいです。今年ことしの３月さんがつに癌がんの骨ほねへの転移てんいを知しらされたのですが、言葉ことばを失うしなう僕ぼくたちスタッフを逆ぎゃくに気遣きづかいながら本人ほんにんはすぐに終おわり活かつに入はいられたようでした。身体しんたいが弱よわってからもどこかその、初はじめての体験たいけんを面白おもしろがっているようなところがあり、凄すごみと軽かろやかさの同居どうきょした姿すがたは、神々こうごうしくさえありました。最期さいごの瞬間しゅんかんまで、本当ほんとうに見事みごとな、いかにも希林きりんさんらしい人生じんせいの締しめくくり方かたをされたと思おもいます。心こころよりご冥福めいふくをお祈おいのりいたします。ありがとうございました」と樹木ききさんへの思おもいを記しるしました。

また、「家族かぞく」の１いち人にんとして共演きょうえんした松岡まつおか茉優ゆうさんは「樹木ききさんが教おしえてくれたこと、残のこしてくれたものを最大限さいだいげんに生いかしたい。暖あたたかくて風通かぜとおしがよくて、過すごしやすいところでお休やすみになられていますように。大好だいすきです」とコメントしました。