日本新聞: 個人情報を企業に提供「情報銀行」の大規模実験始まる

個人こじん情報じょうほうを企業きぎょうに提供ていきょう「情報じょうほう銀行ぎんこう」の大だい規模きぼ実験じっけん始はじまる

Sep 23, 2018 17:09

Furigana

買い物かいものの履歴りれきなどの個人こじん情報じょうほうを企業きぎょうに提供ていきょうする「情報じょうほう銀行ぎんこう」の事業じぎょう化かに向むけ、プライバシーの守まもり方かたなどの課題かだいを検証けんしょうする大だい規模きぼな実証じっしょう実験じっけんが始はじまりました。「情報じょうほう銀行ぎんこう」は買い物かいものの履歴りれきや健康けんこうデータなど、本人ほんにんの同意どういのもとで集あつめた情報じょうほうを企業きぎょうに販売はんばいし、個人こじんには対価たいかとして金銭きんせんやサービスを提供ていきょうする仕組しくみです。

この新あたらしい仕組しくみの事業じぎょう化かに向むけた課題かだいを明あきらかにするため、総務そうむ省しょうが主導しゅどうして６むっつの企業きぎょうグループで大だい規模きぼな実証じっしょう実験じっけんが始はじまっています。

このうち、日立ひたち製作せいさく所しょなどで作つくるグループの実験じっけんは200人にんが参加さんかし、腕うでにつけたセンサーで運動うんどう量りょうや睡眠すいみん時間じかんを調しらべるほか、自宅じたくに専用せんようの機器ききを置おいて家電かでん製品せいひんの使つかわれ方かたのデータなどを集あつめます。

情報じょうほうの取得しゅとくにあたっては、本人ほんにんがパソコンを使つかって同意どういしたうえで、提供ていきょうする情報じょうほうや提供ていきょう先さきを細こまかく設定せっていしていて、事業じぎょう化かにあたって課題かだいとなるプライバシーの守まもり方かたなどを検証けんしょうします。

さらに在宅ざいたくする時間じかん帯たいを予測よそくして荷物にもつの宅配たくはいルートを決きめたり、家電かでん製品せいひん向むけの新あたらしい保険ほけんを開発かいはつしたりといった、提供ていきょうされた情報じょうほうを使つかった新あらたなサービスの可能かのう性せいも研究けんきゅうすることにしています。

実証じっしょう実験じっけんに参加さんかした安東あんどう宣せん善よしさんは「どの個人こじん情報じょうほうを提供ていきょうするか、自分じぶんで決きめられるので安心あんしん感かんがある」と話はなしていました。

また、日立ひたち製作せいさく所しょ社会しゃかいイノベーション事業じぎょう推進すいしん本部ほんぶの向むかい賢一けんいち主任しゅにん技師ぎしは「セキュリティーに万全ばんぜんの対策たいさくをして、サービス開始かいしを目指めざしたい」と話はなしていました。

情報じょうほう銀行ぎんこうをめぐっては、総務そうむ省しょうの実験じっけんとは別べつに、ＩＴ企業きぎょうらで作つくる民間みんかん団体だんたいが、国くにが定さだめた指針ししんに基もとづいてプライバシーやセキュリティー対策たいさくなどの基準きじゅんを満みたした企業きぎょうを認定にんていする制度せいどを年内ねんないにも開始かいしすることにしています。