どこを
どう逃げていたのか、
逃走中の
足取りがさらに
明らかになってきました。
大阪の
警察署から
逃走し、
逮捕された
樋田淳也容疑者がことし
8月下旬、
広島と
愛媛を
結ぶ「しまなみ
海道」を
自転車で
走る姿が
防犯カメラに
写っていたことが
捜査関係者への
取材でわかりました。
警察は48
日間にわたる
逃走の
全容解明を
進めています。ことし
8月12
日に
大阪の
富田林警察署から
逃走した
樋田淳也容疑者(30)は
先月29
日、
山口県周南市の
道の
駅で
万引きしたとして
逮捕されたあと
加重逃走の
疑いでも
逮捕されました。
警察は48日間におよぶ逃走経路を調べていますが、捜査関係者によりますと、逃走から11日後の8月23日、樋田容疑者が広島と愛媛を結ぶ「しまなみ海道」を自転車で走行する姿が複数の防犯カメラに写っていたということです。
翌日、愛媛県庁を訪れ、25日には香川県観音寺市の道の駅で自転車で日本一周をしていた男性と出会い、同行を始めたこともわかりました。
その後、四国を回ったあとで再び広島県に戻った樋田容疑者は、山口県の島にある道の駅に1週間ほど野宿するなどしたあと、周南市で逮捕されました。
逃走中の走行距離は1300キロに及ぶとみられます。
警察は依然判明していない逃走初期の8月22日以前の行動を中心に、詳しく調べています。
日本一周の計画語る男 松山の自転車店に
樋田容疑者は逃走から12日後の8月24日に松山市にある愛媛県庁を訪れ、職員から「日本一周中」と書かれたプレートを作ってもらっていました。
これと同じ日、松山市内の自転車販売店に樋田容疑者と特徴がよく似た男が訪れ、荷物を積むための荷台を自転車に設置していたことが新たにわかりました。
松山市にある自転車販売店の店長によりますと、樋田容疑者とよく似た男は24日の夕方に店を訪れ、自転車に荷物を積むための荷台の設置を依頼してきたということです。
代金として数千円を払い「和歌山から兵庫県の淡路島を一周し、しまなみ海道を渡って四国に来た。これから四国を一周するつもりだ」と話していたということです。
同じ男は1週間余りあとの9月2日にも店を訪れたそうです。
その際に店長に四国を一周した感想などを伝え、「フェリーで因島まで行く。本州に着いたあとは九州に行き、冬は沖縄で過ごす。その後、北海道を目指し、日本一周を再開する」と、先の予定について話していたということです。
店長は「堂々としていたので樋田容疑者かと思うと驚きです。コミュニケーション能力が高い優秀な青年だと思った」と話していました。
警察はこの店に樋田容疑者とよく似た男が来店していたことを把握していて、本人かどうかの確認を進めています。
食事ふるまった女性「礼儀正しく人なつっこい」
樋田容疑者は先月17日から1週間後の26日ごろまで、山口県の島にある周防大島町で野宿などをしていた際、地元の人から食事をふるまわれていたということです。
島に住む女性(66)によりますと、先月20日ごろ、道の駅でアルバイトをしていた孫が樋田容疑者と親しくなり、食事を食べさせてほしいと頼まれたということです。
このため女性が島の名物でお茶で米を炊く「茶がゆ」のほか、おにぎりや卵焼きなど作って道の駅に持って行くと、翌日、樋田容疑者が礼を言いに来たということです。
女性は「礼儀正しくて人なつっこい印象でした。堂々としていて逃げている人間とは思いませんでした。だまされたような気分で残念です」と話していました。